お見合いの席で、殻のついた蟹料理を出されるとどうなるでしょう?
お見合いで蟹が出れば、育ちも、食べ方も、分かりますが、会話は弾みません。 社長ブログ神戸/ふるさと納税/鳥取県 蟹
昔は、結婚相手を選ぶ方法の一つに、お見合いがありました。
お見合いを勧めてくれるのは、一般的には顔の広い方です。
お見合いの席で食事を一緒にすれば、相手の食事の仕方がお互いに観察できます。
例えば箸の持ち方、食べ方の速度、好き嫌いの有無、食べる時に発する音などが分かります。
こんなお見合いの席で、もし用意されると困るのは、蟹です。
蟹を食べる時は、お上品にとは、言っておられない状況なのです。
よほど上手に蟹を料理されていて、身が殻から取り出され、もう取り出す作業がなければ別ですが、蟹が姿のまま出てくれば、おっとりとしていては取り出せないのです。
仮に、上品さを装うために、おっとりと食べていれば、蟹は手は着かず、沢山残ってしまいます。
そうすると、相手から見れば、蟹が嫌いな人に見えたり、ひょっとすると、蟹のお膳などは食べた事がない育ちの人かなぁと、育った家の家計までが、類推されてしまいます。
夢中になって蟹の殻から身をほじくり出してむしゃぶりついていると、もう、お見合いの相手の方に、相槌を打つとか、質問をするとか、そんな精神的ゆとりはなくなります。
喋っていては、蟹の身を食べるのは、難しくなるからです。
特に、左右それぞれ5本の手足のその先端部分には、なかなか身を取り出しにくい部位があって、エビカニフォークか、包丁でもなければうまく取り出せません。
しかし、日本海の蟹がとれる港町で育った人には、蟹の上手な食べ方があるのです。
それは、一本の手足を切り離して、細い方の手足を使って、太い方の手足についた蟹の身を押し出す方法があるのです。
お見合いで、こんな高等な蟹の食べ方を披露すれば、きっと相手の方や、その同席している方にも驚かれると思います。
ひょっとすると、とても賞賛されて、この縁談はまとまるかもしれません。
このように考えながら、奧さんと今夜のふるさと納税で頂いた鳥取県赤崎港から送られて来たセコ蟹を、二人でせっせとつついています。
結婚して何十年も経てば、蟹の食べ方に気を使う事もなく、地のままで音を立てても平気で、蟹の隅までつついて頂きました。
特に美味しかったのは、蟹の中心にある味噌の部分です。
これは音を立ててでも、エビカニスプーンを奥の方に押し込んででも、全部さらえてしまいたいほど美味しい味です。
2016年2月