ワイピオ渓谷トレッキング ~ハワイ島新婚旅行記 その7~

最終日は、昨日までぐるっと一周ドライブして見て回ったハワイ島の中で、もう一度行ってみたいところをゆっくり歩いて見てみようということになりました。

そこで昨日、馬に乗って見下ろしたワイピオ渓谷へと歩いて下りることにしました。

ワイピオ渓谷WaipioValley ワイピオ渓谷WaipioValley

駐車場のある展望スペースから見る景色は大変きれいなのですが、ここを歩いて下りるとなるとおおごとです。すごい急勾配の坂道なのです。

一人2本のペットボトルに水を入れて、歩き出します。トレッキングのガイドブックによると一人2リットルは持って行きなさいと書いてあります。日本のように、どこもかしこも自動販売機が置いてあるわけではありません。自分のものは自分で持って歩くのです。

この写真で、坂がとても急なことがわかるでしょうか。写真の黒いところがガードレールです。角度はおよそ30度。

ワイピオ渓谷WaipioValley

30度という角度は、スキー場では上級コースの角度で、いざ滑ろうとゲレンデを見下ろすとまるで断崖絶壁のように感じる角度です。

ワイピオ渓谷WaipioValley

谷底に着く頃には、もう膝がガクガクです。久しぶりに「膝が笑う」ような感覚を味わいました。

ザックを背負った背中は汗でびっしょりです。そのうえ、谷底はとても湿度が高く、蒸し蒸しとするジャングルのような林になっています。この林の中を少し歩いて海の方に進むにつれ、心地よい風が体にあたるようになり、視界が開けると同時に、太平洋の波が打ち寄せる海岸に出ます。

海に向かって右手には、垂直に切り立った崖から海へと落ちる大きな滝が見えます。まるで映画に出てくるような景色だなぁと思っていると、ケビン・コスナー主演の『ウォーター・ワールド』という映画に出演(?)したことがある滝だそうです。

滝の直下まで歩いて近づけるようになっているので、行ってみました。買ったばかりの防水デジカメが威力を発揮します。

高いところから落ちてくる水は、霧のように細かい水滴になって降りかかってきます。足を滑らせると、すぐそこは太平洋の波が打ち寄せる海です。慎重に滝の真下まで足を運びました。

ワイピオ渓谷WaipioValley ワイピオ渓谷WaipioValley

谷の底はとても湿度の高いところでした。水分をたっぷり含んだ風が海から吹いて、谷にそびえる絶壁に当たって雲を作り、しょっちゅう雨を降らしているようです。

なぜか野生の馬がいました。どこかの牧場から逃げてきたのか、人間に捨てられたのか、どうしてここに野生の馬がいるのか不思議でした。

ワイピオ渓谷WaipioValley ワイピオ渓谷WaipioValley

咲く花や生い茂る葉は、南国の太陽と風を浴び、大きく育ち、そして鮮やかな色彩に染まっています。

なんて大きな葉っぱでしょうか。我が家に置いてあるクワズイモとは大きな違いです。同じ種類の植物でも、環境によってこんなに違うのものかと、我が家のクワズイモに申し訳なく思いました。

ワイピオ渓谷WaipioValley ワイピオ渓谷WaipioValley

ワイピオ渓谷の雄大な景色を見て、大満足です。本当なら、ここでビールを飲んでゆっくり昼寝でもして、日が暮れる前にテントを張って、またビールを飲みながら夜空いっぱいの星空でも眺められたら最高なのですが、ワイピオ渓谷は自然保護地区なので、キャンプは禁止なのです。

ワイピオ渓谷WaipioValley ワイピオ渓谷WaipioValley

それよりも、明日の朝にはもうハワイ島を発たねばなりません。まだ日本で待っている皆さんへのお土産も買っていません。

膝をガクガクさせて下りてきた道を、今度は膝と胸がつきそうになるくらい前屈みになって、急な坂道を上って、停めてある車まで戻りました。