やす井(彦根市)の女将さんは、安井ちなみさんです。料理旅館やす井は明治2年の老舗旅館です

料亭旅館やす井の廊下は、畳敷きです。調度品は、昔、家にあったような、古い家具です。 彦根へお宮参り(2)

やす井の女将さん

サービスマーケティングの研究をしているとき、事例研究ではリッツカールトンホテルが取り上げられていました。

リッツカールトンホテルが、サービスのおもてなしの心を研究する原点となったのは、日本の旅館の女将の心遣

いだと言われています。

リッツ・カールトンホテルのシュルツィ会長は、ホテルのサービスの心得として、もし、あなたのおばあさんが

家に訪ねてきて、おもてなしをするとき、おばあさんに優しく、丁寧に接するときの態度で接してくださいと、

従業員教育をしています。

料亭旅館やす井

料亭旅館やす井の、今夜泊まる部屋に通されました。

床の間のある部屋と、控えの部屋、そして縁側にも畳の間があり、入り口にも畳が敷かれています。

明るいうちに旅館に着いたので、照明の灯りで、部屋を見るだけでなく、自然の太陽の明かりで、部屋の雰囲気

と、廊下から入ってくる自然の光を通して、部屋の周りを見ることが出来ました。

お風呂に行くには、これを使って下さいと、浴衣と丹前が用意されています。

寒い時期なので、足袋も用意されていました。

今の時間、夜の20時までは、男風呂には露天風呂があります。

20時を過ぎると、女風呂と男風呂が入れ替わります。

畳の敷かれた廊下から、緩やかに傾いた西日が入ってきます。

陽が強く差し込むと、畳はすぐに灼けてしまいます。

西日の力を弱める、そのために、すだれが用意されています。

掛け軸は、この季節が考慮された、雛人形と梅の木です。

床の間の花は、女将さんが活けた生け花です。

庭に面した部屋の廊下には、中国製の螺鈿細工をした、小さいテーブルがあります。

ここで新聞を読めば良いように、近くの天井から暖房の暖かい風が吹き下ろしてきています。

料理旅館 やす井の調度品

料理旅館 やす井の特長に、調度品の良さがあります。

調度品はどこで購入されているのか、日本の古い民芸家具を使った調度品です。

中には中国製もあります。

やす井の創業は、1869年(明治2年)です。

料亭旅館 やす井のホームページでは、女将の安井ちなみさんが、おもてなしの心を語っています。

こちらの女将の安井ちなみさんは、先代の娘さんだそうです。

折角良い場所に来て、良いお部屋に案内されたので、ここで2人並んで写真を撮ってもらいました。 

やす井のフェイスブックページがありました。

2014年3月時点で、17人の評価があり、うち14人が5つ星、4つ星、3つ星、1つ星が各1人ずつで、総合評価は4.6でした。

参考にするには、もう少し評価者の人数がほしいところですが、やす井がフェイスブックを始めたのが2012年3月

なので、時間の経過とともに、まだこの先、評価人数は伸びるかもしれません。

廊下に畳を敷いているのはいいですねえ。

なんとなくお部屋の雰囲気が変わります。

しばらくすると、サービス係の女性が、お茶とお茶請けのお菓子を持って来てくれました。

春のお茶菓子 桜餅は、やす井のフェイスブックページにもアップされています。

お茶を頂いた後、先にお風呂に入ります。

露天風呂が20時までは男子風呂なので、早く行きます。

お風呂から上がって、周りを見てみると、お風呂場の近くに廊下があり、その廊下の隅に、階段を利用した形の

置物があり、その階段ひとつひとつに、古そうな立派な壺が置いてあります。

なんでも鑑定団に見て貰ったら、この壺どのくらいの壺でしょうか?

お風呂から上がった後は、冷たいお茶のサービスがあります。

飲んでみると、おいしい麦茶でした。

明るいうちにお風呂に入るのは、良い気持ちです。なんだか、1日がとても長く感じます。

お茶を飲んだので、これからまた部屋に戻ります。

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2014年3月8日(土)

楽天的で、そしてあまり賢くない人が、女将さんに向いているのではないかと、 彦根へお宮参り(3)

これから晩ご飯です。

料亭旅館やす井の、料理長の櫻井泉さんは、『京都ブライトンホテル・京懐石ほたる』で副料理長を務め、41歳

で『料亭旅館やす井』の料理長となった方です。

先付けは、竹の子と貝柱、蕨を使った、木の芽和えです。

季節のお料理が色々入っています。

鯛の潮汁です。いい味が出ています。

女将の安井ちなみさん

しばらくすると、女将の安井ちなみさんが挨拶に来られました。

安井ちなみさんにお会いするのは4年ぶりですが、安井ちなみさんが覚えているかどうかは別です。

≫2009年12月

4年前の安井ちなみさんの写真と比べてみましょう。

あまり変わりがないようです。

安井ちなみさんは、菊池桃子さんか、藤あや子さんによく似た、和風美人です。

天然活魚盛合せを、美味しくいただきます。

安井ちなみさんに根掘り葉掘りお話を聞く前に、まず私自身の名刺を出して、決して同業者ではない、怪しい人

ではない、ということをお話しして、それから色々お話を聞かせて頂きました。

そうでもしなければ、同業者と思って警戒されるからです。

名刺を出して、大阪市立大学の大学院の客員研究員であり、さらにサービスマーケティングや、顧客満足につい

て研究していることをお話ししました。

女将さんが困ること 料理長が突然辞めること

こうなってくると話は弾んできました。

まず、松葉博雄の質問ですが、女将さんが困ることで、料理長が突然辞めるとか、あるいは、よそに移ると言わ

れたらどうなんでしょう?という話を聞きました。

やはりとても困るそうです。

しかし、これまで何度も経験していることで、それは克服しているという話です。

最近の料理長はどうでしょう。前よりはサラリーマン化しているようです。

洋食と違って、日本料理の師弟関係は、今でも強く繋がっています。

和食はとても手間がかかり、改善することはたくさんあります。そしてそれを覚えることも時間がかかります。

近江牛焜炉です。炭火で炙っていただきます。

ホテルと旅館の違い

ホテルのお客様の部屋へは、従業員は用がなければ、入っていくことはできません。

しかし旅館の場合は、このように、女将の挨拶として部屋に入って、お客様との会話が許されます。

それが女将の存在です。

しかし、たくさんの方が来られるので、その方々に応じた話ができないといけません。

これは普段から話のポケットをつくる必要があるようです。

お客様には、色々なお客様がいらっしゃいます。

特に、経営者の方に泊まって頂くと、経営者はやはり、目の付け所やあるいは見ていることが違うことが分かります。

寛ぎに来ているにもかかわらず、目線が違い、常になにかと普段の癖が出て、チェックをしている様子が伝わってくるようです。

リラックスしているはずなのに、やはり職場での癖が抜けないようです。

こうしてみると、経営者というのは、24時間経営者で、温泉に来ても、旅館に泊まっても、すっかり忘れるとう

いうことはないようです。

近江米の豆ごはんには、ゼンマイが一緒に炊きこまれています。

溶け込めるような雰囲気と、溶け込みにくい雰囲気

お部屋に入ってくると、なんとなく雰囲気を感じて、溶け込めるような雰囲気と、溶け込みにくい雰囲気がある

ようなお客様もいるそうです。

時々ミステイクがあって、あまり話し込んではいけないと思って、気を利かせて早々にお座敷から引き上げた

後、お客様の方からサービス係の女性の方に、「女将さんもうちょっと話していってくれたらよかったの

に・・・」とこのような残念がる方もいるようです。

漬物盛合せと、お味噌汁を、豆ごはんと一緒にいただきます。

女将さんは 楽天的で あまり賢くない人が向いている 

女将さんにとってみると、お客様がやす井を好きになってくれるのは、私という個性が適うのか、やす井という

お店が適うのか、どちらかの人が来てくれて、それがリピーターをつくっていきます。

毎日いろんな人と、いろんな話が出来て、こんな良い仕事が出来て、とても幸せだと思うことがあるそうです

が、これもまあ、自分自身が楽天的なせいだということも、感じているそうです。

本日のデザートは、あんみつとアイスクリームでした。

楽天的で、そしてあまり賢くない人が、女将さんに向いているのではないかと、話しているそうです。

まあ、計算尽くではなくて、人と会う仕事が向いているのが、女将の向いている性格だという話になります。

最近ではFacebookも始めて、色々横の繋がりもやっているそうですが、是非見て下さいと言われたのが、日本の

味の宿です。早速松葉博雄も、FBに申請しました。

とにかく大きな旅館になるほど、招致産業なので、維持するのも、あるいは発展させるのも大変です。

最近めざましく成長しているのが、星野リゾートです。

このあたり、星野リゾートにも色々な問題があるようでした。

そういうことで、今日から安井ちなみさんと、Facebook友達になりました。

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2014年3月8日(土)