どんな風に見られていたのでしょうか?何をする人と思われていたのでしょうか?お店の人は、お客の品定めをしています。

阪急三宮西口近く 安くてうまい 味が名物「双葉寿司」(2)

どんな風に見られていたのでしょうか?何をする人と思われていたのでしょうか?まさか、向いのビルのコンタクトレンズの社長さんとは、思ってもみなかったようです。

双葉寿司に来れば、サービス係の愛想の良い女性が、「お久しぶりですね」と、声を掛けて下さいました。そうだ!この人に聞けば、板前さんの誰がリーダーなのか分かると思い、尋ねてみました。

答えは、「どなたもキャリアが長く、どなたも偉い人です。誰がリーダーと言えない、皆同じ様な腕前の職人さんばかりです」と、上手に答えてくれました。

「では双葉寿司の社長さんはどなたですか?」

「社長さんはお店に来ていません」

「どこにいるのですか?」

「社長さんは、ほとんどお店にはいません。社長さんが居ないので、皆さん、のびのび仕事が出来るそうです」

なるほどなぁ。やはり、『亭主元気で留守が良い』というとおりです。

今度は私が質問を受ける番です。松葉博雄の事は、どこの誰か、双葉寿司の人達はまだ知りません。このサービス係の方の予想では、松葉博雄は、以前会議の後、社員の皆さんとよく来ていたので、その話の印象から、元町でコンピューター会社を経営している社長さんだと思っていたそうです。

名刺を出し、実は双葉寿司の向いに見える、さんプラザビルの3Fのコンタクトレンズの社長さんですよと自己紹介すると、とっても驚いて、「えー!そうなんですかぁ!?」と、私はすっかり、元町のコンピューターの会社の社長さんだと思い込んでいましたと、驚きの表情です。

よっぽど驚いたのか、双葉寿司のレジ係をやっている男性の専務さんに、大変だ大変だと、松葉博雄の事を教えに行っていました。専務さんも話の席にやって来て、「私はてっきり、三宮で喫茶店を何軒か経営している、喫茶店のマスターだと思っていました」と、驚きのお声でした。

双葉寿司のお店の中では、松葉博雄は、しょっちゅう社員の皆さんを連れて大勢で寿司を食べに来てたので、コンピューター会社の社長に見えたり、双葉寿司に来る時間が遅かったので、喫茶店のお店が終わったあと、従業員と一緒に来てたマスターに見えたようです。

『灯台基暗し』と言われるように、身元が分かれば、すぐ向いのさんプラザビルにある、コンタクトレンズの社長さんでした。しかも双葉寿司では、我が社の顧客が多いようです。

土瓶蒸しが来たので、お猪口で土瓶蒸しのお汁を賞味させてもらいました。お寿司でお腹がいっぱいなので、土瓶蒸しの中の具材には、手が出ませんでした。

双葉寿司のサービス係の女性とすっかり打ち解けて雑談をしていると、この店に勤務するようになったのは体が弱かったので、少し働いてみた方が家に居るより健康に良いのではないかと、主治医の先生に勧められ、双葉寿司で働くようになったそうです。

以来22年、1995年の阪神淡路大震災を経験し、常連客とも顔なじみになり、カウンター席に座っているおじさん達のアイドルのように、皆さんから声を掛けられています。

やはり、カウンターを越えてお客様に接するサービス係の重要性が分かります。銀行でも、カウンターの中の役目と、カウンターの外からお客様に接するサービス係の存在は大きいのです。

今夜はふとした会話のきっかけで、これまで何年も通っていたのに、自己紹介をしなかったので、気にはなっても分からなかった、見えない垣根が取り払われました。

やはり顧客と One to One で相互理解をすれば、またこの店に来ようかなと、双葉寿司に対するロイヤリティーができました。

【双葉寿司 三宮店】

兵庫県 神戸市中央区北長狭通1-31-19

TEL:078-391-0363

2012年10月6日(土)