咲き続ける水仙、忘れられないフリージアに学ぶ 手をかけること、任せること
咲き続ける水仙、忘れられないフリージアに学ぶ 手をかけること、任せること

冬は花が少ないと思われがちですが、
水仙、椿、シクラメン、クリスマスローズなど、
厳しい寒さの中でも静かに
花を咲かせる植物があります。
中でも香りの良い水仙は
冬の植物の中でも好きな花です。

淡路島 大磯の自宅に咲く
水仙は、特別な手入れをしなくても、
毎年変わらず芽を出してくれます。
50年程前に、
一つの水仙の球根を庭に埋めて放置していたら、
段々と球根は増えてきて、
今ではかなり水仙の花が咲くようになりました。

また、淡路島では水仙といえば
灘黒岩水仙峡が有名です。
海に面した急斜面に約500万本もの
約500万本もの野生の水仙が群生しています。
江戸時代、海岸へ流れ着いた球根を、
近隣の漁民が山に植えたのが始まり
といわれているそうです。

海に向かってなだれ落ちるように
群れ咲く水仙は、とても見事です。

歩いていると、水仙の
甘い香りが漂ってきます。
水仙は、一本の茎に3~12個の花が付き、
約1ヶ月かけて順に咲いていくので
長い間、楽しむことができるのです。
同じ水仙でも浅黄(アサギ)水仙は
フリージアの和名です。
フリージアはアヤメ科。
水仙はヒガンバナ科に属すので
植物学的には大きく違います。

どちらも冬から春にかけて咲く花で、
まだ寒さの残る季節に、
ひと足早く彩りを届けてくれます。
水仙もフリージアも、見た目の美しさだけでなく、
香りが印象的なところが共通点です。
控えめでありながら、近くを通ると
ふっと気づく香りは、
季節の移ろいを知らせてくれる
そんな存在のお花です。
以前、棚田を整備した際、
何を植えようかと考えた時
フリージアが浮かびました。
フリージアも水仙と同じく香りが良く、
沖永良部島で美しく咲く花を見てから
一度は育ててみたいと思っていました。

・まず防草シートを敷いて
・畝を作りマルチシートで覆います
・シートに穴を開け、球根を植えていきます。

段ボール、いっぱいの球根を植えるので
とても1日では終わりませんでした。
奥さんから
「お見合いの時にこんな畑仕事を
することになるとは聞いていなかった」と
言われたのを今でも思い出します。
苦労した甲斐があり
次々に花を咲かせ始め、
美しくフリージアが咲き揃った光景を
目の前にすると、土を整備し、
一つ一つ球根を植え続けた苦労が
一気に報われたような気持ちになりました。

フリージアは日光をたっぷり
浴びることで元気に育つ植物なので
陽当たりが良くて水はけの良い
我が家の棚田の環境が
ぴったり合っていたのだと思います。
しかし、春に花を堪能し
夏の終わり、ふと家の裏を見下ろすと――
あんなに手をかけた棚田が、
すっかり夏草に覆われていました。
春にあんなに見事に咲いたフリージアとユリが
イノシシに掘り返され、
球根はすべて食べられてしまいました。
「来年もきっと咲いてくれる」
と信じていた花たちが全滅――
自然の厳しさを痛感する瞬間です。

(過去ブログ:岩屋の耕作放棄地 刈っても刈っても伸びてくる雑草)
長い年月の中で、
自然に根づいたものもあれば、
手間をかけたからこそ、
思いがけない試練に出会うこともあります。
それでも、
花を植え、育てようとする時間そのものが、
次につながる大切な経験だったと、
今は感じています。
