新米の価格が約10年で2倍に 米不足と価格高騰の背景を探る
投稿No:10392
新米が 約10年で2倍に値上げ 今年も米不足や 価格高騰に揺れた一年になりました
今年も米不足や価格高騰に揺れた一年になりました。
以前にご近所の方から頂いた
徳島県産の新米がなくなったので、
新しくお米を買いに行ってきました。
今回選んだのは、これまでに何度も購入している
淡路島の野添農園の新米です。
兵庫県認定ブランドの淡路のお米。
最初にこのお米を買ったのは、
もう11年も前。
淡路のコーナンで手に取り、
炊いてみたらとても美味しかったことを覚えています。
ふっくらと水気を含み、
もちもち感もある炊きたてご飯。
この美味しさの秘密は、
農薬・化学肥料を半減した
特別栽培にあります。
土づくりからこだわる
野添農園・野添幹生さんのお米は、
食べる人の健康を願って育てられているのです。
今回購入した新米は5kgで4,255円。
以前より高くなったと感じましたが、
美味しい淡路産のお米を
普通に買えたことに少し安心しました。
11年前は半額だった新米
気になって過去のブログを見返してみると、
同じお米の記事がありました。
パッケージも変わらず、
値札も写っていました。
その価格はなんと2,100円。
2014年の記事です。
計算すると、この11年でお米は
約2倍に値上がりしたことになります。
当時は当たり前に思っていた価格が、
今となっては驚きです。
「令和のコメ騒動」と呼ばれる現象
昨年から「令和のコメ騒動」と呼ばれる、
米不足と価格高騰の問題が話題になっています。
スーパーの棚からお米が消える、
5kg袋が4,000円を超えるなど、
家庭の食卓を直撃しました。
その原因は一つではありません。
- 猛暑や天候不順で収量が落ち、1等米の割合が減ったこと。
外食産業やインバウンド需要が急回復し、消費が一気に増えたこと。
備蓄米の不足や放出の遅れで市場に出回る量が限られたこと。
肥料・燃料・人件費の上昇など、生産コストが高騰していること。
さらに、過去の減反政策で
作付け量が抑えられていた影響もあり、
需給のバランスが崩れやすくなっていたのです。
小泉進次郎農林水産大臣の対応と効果
(2025年6月20日、輸出関係連絡協議会で話す小泉進次郎農林水産相 Photo:JIJI)
こうした状況を受け、
今年5月に就任した小泉進次郎農林水産大臣は、
迅速な対応を打ち出しました。
従来は入札制でしか買えなかった政府備蓄米を、
小売店が直接仕入れられる「随意契約方式」へ切り替え。
その結果、一部の店頭では
5kg2,000円台の備蓄米が並び、
価格高騰に歯止めがかかり始めました。
この政策は、
消費者に「手の届く価格帯のお米」を供給できた
「お米はもう買えないのでは」という不安を和らげた
という即効性のある効果を上げたといえるでしょう。
ただし、備蓄米の量には限りがあり、
ブランド米や特別栽培米まで
価格が下がるわけではありません。
根本的な問題である気候変動や
コスト高は残されており、
中長期的な安定供給には課題が山積しています。
これからの新米との付き合い方
お米は「手軽で安価な主食」と考えられがちですが、
農家の方々の努力とコストを考えると、
これまでが安すぎたとも言えます。
今後は「多少高くても、
美味しく安全なお米を選ぶ」という
価値観が広がっていくのかもしれません。
去年に続き、今年も米不足や
価格高騰に揺れました。
来年こそは、落ち着いた価格で、
穏やかに新米の季節を楽しみたいものです。
公式の統計にも、
コメ価格の上昇が明確に表れています。
農林水産省の POS データによると、
令和7年9月1日~7日の週の
全国平均小売価格(5kg袋)は 4,155円。
前年同じ週と比べて 約39.6%上昇しています。 農林水産省
また、令和7年6月の5kg平均価格は 3,895円。
前年同月比で +77.0% と、
1年で大きく跳ね上がったことが読み取れます。 ODEX
一方、生産者側の取引市場での
相対取引価格(玄米60kg換算)でも、
令和6年産米の全銘柄平均が、
令和7年7月時点で 26,918円/60kg。
この高い価格水準は、
生産コストや需給の逼迫が
背景にあることを示しています。 (農林水産省)
政府備蓄米を随意契約方式で
市場に出すなど政策的対応が始まった6月以降、
小売価格は若干の下げ圧力が確認されており、
この動きが消費者への価格負担軽減に
一定寄与しているという分析もあります。 首相官邸ホームページ