総代で受けた博士学位記 3つの大学院での研究の成果が 結晶のように凝縮されています
大阪市立大学 大学院 総代で受けた博士学位記 3つの大学院での研究の成果が 結晶のように凝縮されています【社長経営学 74】
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総代で受けた博士学位記 ― 3つの大学院での研究が結晶した瞬間
私はこれまで、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)、
大阪府立大学(現・大阪公立大学)の大学院で
MBAを二度修め、そしてその集大成として
大阪市立大学(現・大阪公立大学)で博士号を頂きました。
博士論文のテーマは、
「顧客満足追求のダイナミクスに関する実証研究
~コンタクトレンズ業界における事例研究から~」。
自ら経営する現場を題材に、
理論と実務を往復しながら、
顧客満足を生み出す仕組みを
実証的に明らかにした研究です。
博士課程(後期)修了式の日、
思いもよらない知らせが届きました。
「研究科の総代を務めてほしい」――。
間違いではないかと思いましたが、
年長者への敬意ではないかと推意し
感慨深くお引き受けしました。
会場は大阪城ホール。
春とは思えぬ寒空の下、午前9時45分に集合し、
最前列の席へ。
場内の照明が落ち、厳粛な空気が張りつめるなか、
学部・研究科の代表が次々と壇上に上がります。
そして私の番。
「慌てず、ゆっくり歩いてください」
――事前に言われた通り、
一歩ずつ踏みしめながら金児学長の前へ。
眩いスポットライトの下で
両手に受け取った博士学位記には、
日本語と英語で「博士」の称号。
その瞬間、これまでの努力の日々が
走馬灯のように脳裏を駆け巡りました。
規定3年で博士号を得られたのは、わずか数名。
神戸商科大学、大阪府立大学、大阪市立大学――
3つの大学院で積み重ねた研究が、
この一枚の学位記に結晶しているのだと実感しました。
この成果は、私一人の力ではありません。
大学院で導いて下さった恩師、
会社を守ってくれた従業員、
調査に協力して下さった取引先、
そして家族――とりわけ、
支え続けてくれた妻に心から感謝しています。
式を終え、外に出ると雨。
傘を差す卒業生たちの姿が見えました。
私は妻と共にホテルニューオータニ大阪へ。
窓から大阪城を眺めながら、
博士号取得の喜びに乾杯しました。
たった一口のビールが、
これほど美味しいと思ったのは初めてかもしれません。
正面玄関で、ホテルのボーイさんにお願いして
二人並んだ記念写真を撮っていただきました。
博士号を手に、
妻と喜びを分かち合ったその一枚は、
私の半生を物語る宝物となりました。
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