花時計は神戸発祥 以前は 神戸でデートの待ち合わせの場所と言えば 花時計の前でした

投稿No:10227

花時計は神戸発祥 以前は デートの待ち合わせの場所と言えば 花時計の前でした

なくなったと思っていた花時計

かつて神戸市役所の

北側にあった花時計ですが、

日々の風景の一部として

当たり前のように存在していました。

通りがかるたびに目に入っていたものの、

特別に意識することもなく、

何気なく横目で眺めていた記憶があります。

それほどまでに、

神戸のまちに自然と溶け込んだ

存在だったのだと思います。

市役所の建て替えが始まった数年前、

花時計が、以前あった場所から

なくなってしまっていました。

移動したことは知らず、

そのまま花時計自体が

なくなってしまったと思っていたのです。

↓2007年の花時計の写真です。

神戸まつり

それからしばらくは、とくに

気にかけることもなく過ごしていたのですが、

先日、東遊園地の一番南側、

フラワーロードと国道2号線が交

差するあたりを歩いていたとき、

花時計があることに気が付きました。

ここに移っていたのかと

思わず足を止めてしまいました。

神戸の花時計は、

1957年(昭和32年)に

日本で初めて設置された

“花時計”として知られています。

スイス・ジュネーブの

イギリス公園の花時計に

ヒントを得た当時の市長が、

日本でもぜひ実現したいと考え、

市民や企業の協力によって誕生したそうです。

以来、花時計は神戸のまちのシンボルとして、

長く市民に親しまれてきました。

1〜2カ月のペースで、季節ごとに

花が植え替えられているそうです。

以前は、神戸の花時計といえば、

デートの待ち合わせ場所の定番でした。

何組ものカップルが

「花時計の前でね」と約束を交わし、

緊張しながらその場所で

相手を待っていたのではないでしょうか。

今のようにスマートフォンで

連絡できる時代ではなかったので、

花時計の前で待つというのは特別なことでした。

緊張しながら花時計の前に立っていた人々が

たくさんいた事と思います。

現在、花時計は

東遊園地の南端に移されたことで、

以前のような目立つ場所ではなくなりましたが、

そのぶん静かに花と時を感じられる、

落ち着いた空間になっています。

花時計のすぐ後ろには、

「こども本の森 神戸」という施設があります。

これは、建築家・安藤忠雄さんの

寄付と設計によって2022年にオープンした、

子どもたちのための図書館のような場所です。

館内には、

絵本や児童書、図鑑などが

豊富にそろっているそうです。

私は今回入館しなかったのですが、

子どもだけでなく大人にとっても

居心地のいい空間になっているようでした。

花時計を見た帰りに

立ち寄ってみるのもおすすめです。

花時計を見たあと、

東遊園地にも少し立ち寄ってみました。

ぽかぽかとした暖かさに誘われてか、

芝生の広場ではピクニックを

楽しんでいる人たちが

たくさんいました。

芝生の半分ほどは

養生中でロープが張られており、

立ち入りが制限されていました。

これからの季節に向けて

芝生を元気に育てているようです。

フラワーロードを

通って戻ります。

普段何気なく歩いているフラワーロードですが

良く見ると、道の端には

丁寧に手入れされた花壇が整備されています。

かつてこの道は、

生田川という川の流路でした。

天井川だった生田川は

大雨のたびに氾濫を繰り返し、

明治時代に川の流れを現在の位置へと

付け替える大工事が行われました。

その旧河川敷が現在のフラワーロードとなり、

戦後には花壇や緑地が

整備されるようになったのです。

花壇をよく見てみると

スポンサー花壇と書かれています。

どうやら、これらの花壇は

神戸市だけでなく、地元の企業や団体が

スポンサーとなって

支えているもののようです。

花壇には、それぞれの企業名が

記されていて、神戸の街を

美しく彩るために多くの人たちが

関わっていることが伝わってきます。

かつては

待ち合わせの定番だった花時計も、

新しい場所で変わらず時を刻みながら、

やさしく街を見守ってくれていました。

何十年もかけて少しずつ形を変えてはいますが、

それでも神戸の風景は

どこか変わらない空気を

まとっていると思います。

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