顧客満足と従業員満足をつなぐ要因 答えは「経営理念の浸透」だった【社長経営学】シリーズ68
投稿No:10207
顧客満足と従業員満足をつなぐ要因は「経営理念の浸透」であることを、明らかにしました【社長経営学】68
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答えは「経営理念の浸透」だった
この論文では、顧客満足(CS)と
従業員満足(ES)を両立させている
要因を検証しました。
要因はこれではないかと仮説を立て、
それを検証する方法です。
検証は顧客と従業員の
2つのルートで行いました。
顧客ルートでは、
わが社の2万通の
顧客アンケートはがきの中から、
接客担当者が特定できるサンプルを抽出し、
事前期待度と事後評価を
5段階の満足度で分析しました。
さらに次回来店意向を尋ね、
高い満足度であれば、
実際に来店しているか追跡調査しました。
他方、従業員ルートでは
接客担当者へ、経営理念の
浸透度を測るアンケートをしました。
結果を因子分析して、
経営理念を言葉では理解できている
「言論の理解」と、
心から理解できている「精神の理解」
の2つの因子を抽出しました。
因子とは物事の原因です。
因子分析をすることで、
アンケートの背後に潜んでいる原因を
明らかにすることができるのです。
さらに、クラスター分析
(集団・群に分けて解析する方法)をし、
理解度を3つのグループに分けました。
2つの異なるルートの調査結果を、
データベースを用いて
対比させる統計分析をすると、
満足度の高い顧客へは、
経営理念の浸透度の
高い社員のグループが接客対応していました。
そして、高い満足度は、
次回再購入につながっていることが
明らかになりました。
経営理念を
心から理解できている従業員が、
高い満足度のリピート顧客を生んでいたのです。
この結果、顧客満足と
従業員満足をつなぐ要因は
「経営理念の浸透」であることを、
明らかにしました。