岡山県の秘境真庭市 郷緑温泉 郷緑館 天然温泉、すっぽん料理 どんな魅力でしょうか?
郷緑温泉 郷緑館 すっぽんを温泉で養殖し、すっぽん料理を作っています。 (まとめ)郷緑温泉 郷緑館はどんな温泉旅館でしょうか? 岡山県温泉ツアー(6)
郷緑温泉 郷緑館
郷緑館に戻って、チェックインします。
温泉旅館に行く前に、どんな問題があるか、
考えて、郷緑温泉 郷緑館を見てみました。
気がついたことは、
①なぜ、郷緑館には、船があるのか?
②郷緑館は、どのようにして築かれたのか?
③郷緑館は、なぜ、個人所有の温泉なのか?
④温泉寺は、どのようにして築かれたのか?
⑤郷緑館の宿泊客への人気料理は、何があるのか?
このような、疑問を抱きながら、
答えを探して行きます。
2階の和室の部屋に通されて、
荷物を置くと、早速、お風呂に入ることにします。
16時までが、日帰り温泉のお客さんが、お風呂を使い、
宿泊客は、16時以降からお風呂に入ります。
郷緑温泉 郷緑館 男女交代入浴
郷緑温泉は、小さな温泉宿です。
団体客が入れるような、
大きなお風呂ではありません。
お風呂は一箇所で、貸切風呂になっているため、
30分交代で、男女とか、家族が交代して使います。
他の誰かが使用していると、
ロビーで待つことになります
。
温泉は写真の奥の、湯船の岩盤から、
ゆっくりと源泉が湧き出ています。
調整なしの源泉かけ流しです。
足下からぶくぶくとお湯が湧き出てきて、
お湯は澄んだ、透明な水です。
岩の裂け目の、くぼみの辺りから、
時折、小さな気泡と一緒に、お湯が湧き出ています。
なんとなく、間歇泉(かんけつせん)のような、
間欠泉の小型版のような、
お湯の沸き方です。
写真の手前側の湯船が、
温度を調整したお風呂になっています。
お風呂の壁には、歴史が書いてあります。
この歴史をつづった温泉の広告は、明治の後期、
今からざっと100年も前に、
現代のマーケティングに通じる
チラシが残っています。
作った人は、矢吹民蔵さんです。
郷緑温泉 郷緑館 創始者 矢吹民蔵さん
100年も前に、こんなチラシを作ったとは、
矢吹民蔵さんとは、どんな人なのか、
新たな関心がわいてきました。
お湯は、アルカリ性単純泉。源泉温度は34.2度。
無色透明無味無臭です。
上等なお湯です。やわらかい、滑らかな、
お母さんの胎盤の中にいるような、
ぬくもりのある温質です。
原水は34.2度なので、やや、ぬるく、
プールの温度は31度くらいが普通なので、
室内プールよりは、やや温度は高く、
体を温めるには、ややぬるめの水温で、温まりたくなれば、
隣の浴槽に移ると、加熱した41度以上の、や
や熱いお湯で温もることができます。
これも、極楽です。
二つの浴槽を、交互に浸かると、
15分くらいで終わる温泉も、
30分も浸かることができます。2010年10月7日(木)
郷緑温泉郷緑館の名物料理は、いのししのすき焼き、鮎料理、すっぽんのフルコース、季節の野菜料理などです。1年中おいしそうです。岡山県 湯原温泉ツアー(7)
真庭市 天然温泉郷緑温泉 郷緑館
郷緑温泉にゆっくり浸かっていると、
奥さんは、何か起きたのではないかと、
心配して、今にも、様子を見に行こうとしていたようです。
そのくらい、長湯になっていました。
熱い温度だと、のぼせてしまいますが、
プールの水くらいの水温だと、
長風呂が可能なのです。
お風呂からあがると、
奥さんと交代で帳場にお願いして、
ビールを頂き、2階の座敷にもって上がります。
奥さんが、お風呂に入る間、
2階の座敷から見える、
山と谷の、夕日の沈むころの
秋の静かな夕暮れを、眺めながら、
ビールをいただくことにします。
どうも不思議なのは、
なぜこんな山の中に、
生簀しかないところに、
漁船の船が置いてあるのか、不思議です。
山と山の谷間に、
わずかに広がった、川が土を運んで広がった、
田畑には、稲の穂が実って、黄金に輝いています。
この辺りでは、伝統的な天日干しをしています。
向かって左側の山に、日は沈み、日陰になっています。
右側の山の方は、まだ夕日が当たり、明るく輝いています。
こんな、景色を見ながら、ビールを飲むのはたまりません。
これこそ、桃源郷でしょうか?
岡山県真庭市 郷緑温泉 郷緑愛田館の名物料理
夕日を見ながら、感慨にふけっていると、
奥さんがお風呂から上がって、
それに合わせて、
夕食の用意が始まります。
インターネットで調べたとおり、
夕食のメイン料理は、すっぽん料理です。
郷緑館のご主人が、
調理場から、二階の部屋に、おぼんに乗せて、
階段を上がったり下がったり、
忙しそうにして、
夕食の準備をしてくれています。
少しずつ、気になる問題点について、
宿のご主人に尋ねてみます。
郷緑温泉 郷緑館 ①なぜ、郷緑館には、船があるのか?
これについての疑問が解けました。
先ほど、夕日を見ていたころ、
所で包丁がな板をたたく音が聞こえていましたが、
あれが、今、運ばれてきた
すっぽん料理の、捌く音だったのでしょうか?
この温泉の向こうには、
湯原ダムがあり、ダムの水源には、
鯉やフナ、外来種の魚などが、いっぱいいて、ここ
の船を使って、ダムに、地獄網を仕掛けます。
地獄網とは、入った魚は逃げられないように、
網の目が三つの層にわかれ、
奥に入っていった魚は、
戻るに戻られない仕掛けになっています。
鯉のぼりのような、
大きな鯉が捕れるそうです。
大中小様々な魚が、網にかかり、
捕れた魚は、郷緑館にもって帰り、
お客さんに料理するのではなく、
養殖のすっぽんの餌になるようです。
すっぽんの食欲は、すさまじく、
ぶつ切りにした川魚に、
すっぽんが食らいついて、まるでピラニアが、獲物に
たかるように、大きな鯉も、
骨だけになってしまいます。
郷緑温泉 郷緑館 ②郷緑館は、どのようにして築かれたのか?
郷緑館は、元々、明治の初期から、
近隣の湯治客の簡易宿泊所から、始まっています。
昔の湯治客は、雨露をしのぐ簡易宿で、過ごしていました。
湯治客が少しずつ、石垣を積み、
やぐらの上に上屋敷を作り、
次第に、旅館らしくなってきました。
このように、湯治客が少しずつ、
漸進的に郷緑館を作ってきています。
郷緑温泉 郷緑館 ③ 郷緑館はなぜ個人の所有になったのか?
郷緑温泉は、地元のお百姓さんがたまたま温泉を発見し、
湯治客が集まってきました。
当初は、郷緑温泉は、村の所有です。
誰のものと特定するようになったのは、
郷緑温泉を競売にかけたからです。
ここに、事業家の先見性を感じます。
矢吹民蔵さんは、百年も前に、
現代のマーケティングに通じる温泉の広告を作り、
温泉自体も村から競売で得ています。
郷緑温泉 郷緑館 ④温泉寺は、どのようにして築かれたのか?
湯治客に来る方が増え、宿の改装をしているときに、
偶然にも、古い屋敷の床の下から、
小さな仏像が見つかりました。
この仏像を拝んでいるうちに、
湯治客が、だんだんと祠を大きくしていき、
現在の立派な温泉寺ができました。
この宿のいのししは、
臭くない時期のいのししを使っています。
においを消すための、味噌はつかいません。
すき焼き風にして、いのしし鍋を作ります。
郷緑温泉 郷緑館 ⑤郷緑館の宿泊客への人気料理は、何があるのか?
冬は、いのししです。
真庭市の、岡山県のチベットといわれるこの地帯には、
いのししがたくさんいて、郷禄温泉のご主人は、鉄砲で、
いのししを撃ち、解体し、ボタン鍋をお客さんに出します。
初夏から夏は、鮎を食べます。
すぐ近くの川で、天然鮎を捕り、鮎料理を作ります。
年中でる料理は、すっぽんです。
養殖池に飼っていて、季節を問いません。
温泉を使った養殖は、水温が高く、
一定で、冬でも冷たくないので、
すっぽんの成長は早く、通常3年かかるところが、
1年ほどで、1kg級に成長します。
郷緑館のご主人は、
インターネットで調べてみると、
無口で無愛想というイメージでしたが、
松葉博雄のインタビューがうまくいったのか、
どんどん、面白い話を聞かせてくれて、
料理を運ぶ足が止まってしまいました。
郷緑温泉 郷緑館 充実した朝食
郷緑温泉の謎はたくさん解けました。
ここの宿のご主人夫妻の馴れ初めも聞きました。
ホームページにはかけない、内緒話も聞きました。
かなり、郷緑温泉に溶け込めました。
お風呂の後は、朝ごはんをいただきます。
いろいろな料理が、少しずつ並んだ和食です。
メニューは、高野豆腐と野菜の炊き合わせ、
ポテトサラダ、焼きなす、
川魚とレンコン、インゲンの胡麻和え、
漬物、とろろ芋、きのこと豆腐の味噌汁などです。
どれも、とても美味しい朝ごはんです。
多品目の食材が、使われていて、
こんなにバランスのいい食事を、
毎日食べられたら、栄養の偏りは心配ありません。
梅干も自家製で、まじめなすっぱさがありました。
山芋のとろろ汁も頂き、
滋養がたくさん取れました。
郷緑温泉 郷緑館 すっぽんの赤ちゃん
一階のロビーで、昨夜生まれたばかりの、
すっぽんの赤ちゃんをたらいに入れて、見せてくれました。
ペットショップで売っているような、
緑カメの赤ちゃんに似ています。
これが、1年もお世話をすると、
およそ1kgぐらいの大人のすっぽんに成長します。
すっぽんは高級魚です。
大阪の卸相場なら、1kg4000円くらいするそうです。
郷緑温泉 郷緑館 すっぽんに噛まれたら
すっぽんに噛まれると、無理して離そうとすれば、
指の肉も食いちぎられます。
このようなときには、あわてずに、
すっぽんを地面に下ろしてやると、
噛んだ指から、口を離しどこかに逃げようとして、
指は食いちぎられる前に離してくれます。
すっぽんは、食らいついたら
雷が鳴るまで離さないというのは、
地面に下ろすまで離さないに変わります。
ロビーには、郷緑館の近くで捕獲された、
いのししや、鹿の剥製が、展示されています。
郷緑館のご主人から、この温泉宿が、
もともとは湯治客の自主的な意思で、
少しずつ宿屋さんに育っていった、
歴史物語を聞きました。
この石垣の一つ一つが、みんなで積み上げ、この柱一本一本を、
宿泊客のみんなで組み上げて、築いていった、
協働作業の賜物だということを知り、
決して営利目的で造ったものではないことが、理解できました。
10時からは、日帰り温泉客が入浴に来るので、
やや早めにチェックアウトをして、
また来た道をとおり、岡山
県のチベットから、兵庫県の銀座に戻ります。
2010年10月7日(木)