花の色はどのように決まるのでしょうか? 花の色の正体とは?
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花の色はどのように決まるのでしょうか? 花の色は うつりにけりな いたづらにわが身世にふる ながめせしまに 小野小町 淡路景観園芸園芸学校 受講記(65)マスターコース⑩ 花の色
花の色といえば、この歌です。
花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに 小野小町
現代語訳
桜の花の色は、衰え色あせてしまった
春の長雨が降っている間に
私の美貌が衰えたように
世間のことに思い悩んでいるうちに。
このように、小野小町は花の色が色あせて
くることを、….自分自身の容色の衰えに重ねて嘆きました。
果たして花の色は、どのようになっているのか?
淡路景観園芸学校で花の色について学びました。
一人一人の机に顕微鏡が置いてあります。
花の色はどのように決まるのでしょうか?
切り花や鉢花の売上は
市場で扱われる様々花において
様々な色を確保できるかが重要となります。
花壇のデザインは花の色がどのように配色されるかが
その花壇の美しさを左右します。
今回、花の色の決まり方、
花の色の特徴などを学びました。
花の色はどのように分類されるのでしょうか?
4種類の色素
植物の色素には種類があります。
4種類の色素が代表的な色のもととして存在します。
〇フラボノイド
赤や青、紫色など幅広い色のもとになるもの
フラボノイドは、花弁の表皮細胞の
液胞に溶けた状態で存在します。
〇カロテノイド
黄や橙、赤の範囲の色のもと
光合成に必要なので、
全ての植物の葉や茎に含まれています。
〇ベタレイン
黄色から紫色を出す色のもと
〇クロロフィル
主に葉や茎の緑色:葉緑素で緑色を出す色素
白い花には色素がありません。
光を吸収する色素がないため
全ての色を乱反射するため白に見えます。
一般的に花の色を決める色素は
花弁の表皮細胞にのみ存在します。
花の色の交配もできる?
一言に花の色と言っても
簡単に決まるわけではないということが分かりました。
研究すれば新しい色の花を
世の中に生み出すということも可能かもしれません。
しかし現実には難しそうです。
花の色の変化を観察する実験をしました
アジサイの花の色は青色や赤色をしています。
この色は「アントシアニン」という色素です。
アントシアニンは通常赤色です。
しかし土壌から溶け出してきたアルミニウムと反応することで、
青色の変化します。
そのため同じ株の花でもそれぞれに色が違っていたり、
咲いている間に色が変化することがあります。
それらの変化を人工的に再現して観察しました。
H、HDの溶液を花に垂らすと
花の色が変化していきます。
爪楊枝を使ってほんのわずかだけ色を垂らしています。
人工的に溶液を使うことにより
溶液が付いた部分だけ色が変わりました。
花の色を拡大して顕微鏡でみました
実際に花を顕微鏡で拡大して観察しました。
色の変化をデジカメで記録しました。
下記の葉などを利用して観察しました。
拡大した画像です。
様々な色があることが分かります。
同じ緑でも、赤でも場所により色が違います。
花を拡大しました
花の黄色がよく観察できました。
2022年2月23日(水)