「絶品!丹後特大カニづくし」バスツアー ~ 夕日ヶ丘温泉 海花亭 花御前 (1)~従業員慰労会 第2話
丹後の海花亭には、2004年1月の冬の時期に個人的に一度バスツアーで行きました。
この時の旅館の従業員の対応がとても良く、お料理のカニも美味しかったので、今回のバスツアーの企画案に載りました。
1月の丹後地区には雪が積もっていて、山陰地方の温泉宿の雰囲気が出ています。
ところが、今年の11月はとても暖かく、まだ寒さも感じませんでした。
ホテルのロビーには、大きなガラス越しに庭の滝が正面に見えます。
用意が整うと、お座敷に案内されました。いよいよカニとご対面です。
カニはミソが流れ出ないように、甲羅を裏向けにしてお腹のほうを表にして、一鉢に2匹ずつ盛られています。
船盛には甘エビが一匹ずつマグロを並べるように丁寧に並べられて、その横にはお鉢の中にイカのお刺身がついています。
これで十分と思っていると、焼きガニが香ばしい栗を焼いたような焼き立ての匂いをいっぱいにして出てきました。
まだまだこれだけではありません。顧客満足を得るためには、期待を超えたレベルである顧客感動(ディライト)を呼び起こすようにもう一皿の駄目押しまで考えているようです。
顧客の期待を超えたもう一皿、それは、生のカニのお刺身が一人一皿ずつ配られました。
これだけ一度に並べられると、戦闘意欲は少し萎えてしまい、見るだけでお腹がふくらんできました。
さて、主任による乾杯の音頭のあと、いよいよカニとエビとイカを頂くことになります。
隣の人との席の間には、カニの殻を入れる金の鉢が用意されていました。
この鉢に見る見るうちにカニを食べた後の殻が入っていきました。
カニのお刺身は産地だからこそ食べられる新鮮さがあります。冷凍では味わえない新鮮さです。
みなさん、フーフー言いながらカニをほぐして、エビの殻をむきながら、時々ビールを飲んで、やや沈黙の状況で食事が進んでいます。
甘エビはお代わり自由なのですが、お代わりをする人もいません。
カニを食べ終える頃は今度は鍋が始まります。これまでのカニとは別皿のカニがまたやってきます。
最初のキチンとして座っていた様子は、料理の進行と共に少しずつ崩れて、そのうちに横を向いたり、すっかり寛いで立膝を立てて一服しながら食事が進んでいっています。
なんと、さらにもう一品、これに茶碗蒸もつきます。そして十分にカニを頂いたあと、ぞうすいを作ることになります。それぞれの席でカニをほぐし、カニの身だけを取り出して、ぞうすいに入れて食べやすくなるように作業をしています。
この様子を見ていると、グループごとに個性が出て、上手なほぐし方をする人もいれば、鍋奉行がいないグループでは作業がさほど進まない席もありました。
茹で上がると、最後に卵を混ぜて上からかけ、余熱で卵とじをすると、ぞうすいのでき上がりです。
もうすっかり戦闘意欲をなくし、食べ疲れでゴロリとしたいところです。
これが最後、という一品はアイスクリームでした。これなら、やや熱くなった身体のほてりを冷ましてくれそうで、みなさん喜んでいました。
ガラス戸を開けて少し外の風を入れたいほど、熱気は部屋に充満し、顔は火照って赤くなっていましたので、中から冷やすアイスクリームの食感は日照りに夕立がさっと涼を運ぶような効果でした。
・・・3話に続く。