アヤメ、ショウブ、カキツバタ~播州山崎の菖蒲園~

播州の山崎町に「花菖蒲園」があります。6月の10日、今が見頃ということで、行ってきました。

しかし短いからこそ一瞬の美しさをこの世に咲かせるのかもしれません。

花菖蒲の命はわずか3日の命です。

ハイビスカスや朝顔よりは長いようですが、美しい花がわずか3日で萎れてしまうのは勿体無いというか残念です。

普通の土に咲くのが「アヤメ」、やや水気のある湿地に咲くのが「ハナショウブ」、水のある沼地に咲くのが「カキツバタ」ということになります。

花菖蒲は棲むところにより、少しずつ進化をしています。それはアヤメ、ショウブ、カキツバタと名前が変わっています。

花菖蒲は大きく分けて江戸系と肥後系、伊勢系に分かれます。

1800年代に江戸の旗本が野に咲く菖蒲から品種改良を重ねて花菖蒲を作ってきました。それを肥後の殿様が頼んで分けてもらい、肥後の地方で品種改良を行ないました。

江戸系は、松平菖翁が江戸時代の後期に実生改良したものが現在の花菖蒲の母体です。その後、江戸堀切を中心に栽培者が増え、一層改良が進みました。江戸系は、庭用や野外で鑑賞するのに適しています。

肥後系は、肥後藩主細川斎護候が松平菖翁より条件つきで譲り受けた、秘蔵種を品種改良したもので、鉢作り向きに改良されました。

伊勢系は、今から150年前、松坂に住んでいた紀州藩士、吉井定五郎によって野生のノハナショウブの変種から品種改良され、作り出されたと言われています。江戸系の品種改良されたもので、鉢作り向きに改良されました。(花菖蒲園、案内掲示板より)

谷間の百合とは言いますが、ここでは谷間のアヤメとなっています。一輪一輪愛でるのもいいですが、群生して咲き誇るアヤメは圧巻があります。山間の谷間に段々畑を作り、水を引き全国各地からおよそ千種以上のアヤメ科の株を集め、一年に一度わずか3日の命の花を咲かせます。

花菖蒲はもともと野生種の野花菖蒲を栽培用として改良したものですが、今では北半球の北緯20°~60°に分布し、世界で約300種類も認められています。

美しいものを創ろうとする飽き無き努力が、数々の名花を産んだ源泉となります。