沖縄の湧き水 宮城島上原のヤンガー 金武町・金武大川(ウッカガー)の長命泉 南城市・垣花樋川(かきのはなひーじゃー)

投稿No:8256

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沖縄の湧き水は貴重な水資源でした。第173回沖縄訪問(2) 

沖縄は、昔干ばつに苦しむ島だった

農業国であった琉球では、農作物の収穫は,人びとの命をつなぐ大切なものでした。そのため、水不足は人々にとって深刻な問題でした。

沖縄の気候は年間通して雨が降るというわけではありません。

沖縄で水の確保が出来たのは台風のもたらす大量の雨です。

台風は、農作物だけでなく家屋にも大きな被害が出るものですが、同時に十分な雨を沖縄にもたらしてくれます。

沖縄にとって台風は困った存在ですが、なくてはならない存在でもあります。

台風に干ばつが重なると、これは大惨事になります。

干ばつが続くと、畑は乾いて割れ、せっかく台風によって畑が潤ったとしても、すぐに干上がってしまい、作物は育ちません。

過去には、台風と干ばつが重なって、農作物は大凶作となり、その結果、飢えに苦しむ大飢饉が起きてしまったことがあります。

琉球の歴史書である『球陽』によると、大凶作&大飢饉が起きた1709年には3199名、1825年には3358名、1832年には2455名の餓死者が

出たと記録されています。

出典 山田, 浩世 「近世琉球・奄美における災害と気候変動問題―1780・1830年代を中心に― 」

水に苦しんだ沖縄では、湧き水があることは大変恵まれた環境でした。

有名な湧き水を3か所紹介します。

宮城島には島中に湧き水が

沖縄の離島は、水で困っているのが普通ですが、宮城島では、島中でいたるところから水が湧き出ています。

宮城島にはいくつもの水汲み場があるので、水汲み場を訪ねてみました。

ヤンガーについての看板がありました。

曰く、「宮城島は自然の湧き水がたくさんあるので有名である。

特に上原のヤンガーは水質がよく水量も豊富で、上原、宮城両区民の飲料水として大きく寄与してきた。

ヤンガーは、1849年頃、当時の間切地頭代名嘉村親雲上らによって造られた。

泉の内部はトンネル状に石を組んで湧き口まで続いているという。

外観も石造建築の美をみごとに調和させ、今なお原形のままであるこ

とは、沖縄の石工の建造技術がいかにすぐれていたかを示すものである。

昔は、子供が生まれると、この清水で産したことから、うぶ川とも呼ばれる。

現在は、毎年正月に清水(先水)を取る習わしがある。

ウビナリーといって、各門中が、マンガーを拝み健康祈願もしている。

琉球石灰岩と第三紀層泥灰岩(沖縄方言:クチャ)の地賀で成り立つ宮城島は、雨水を保水する理想的な地形で多くの湧き水を持っています。

その中でも一番湧出量をもつヤンガーは、1849年(尚泰2年、嘉永2年)に与那城間切の地頭代の名嘉村親雲上と池味親雲上が住民19人の

協力を得て、石造の改修工事をしたことが琉球王府の歴史書「球陽」に記録されており、この石造が当時の建築技術の高さを今に伝えています。

また、かつての上原と宮城の両ムラに住む人々にとっては飲み水としてだけでなく、現在でも毎年正月の若水や、赤子が生まれた時の産水

としても使用されており、日常生活にかかせない貴重かつ神聖な水源となっています。」以上

水汲み場には、水が貯められて、魚が貯水池で泳いでいました。

溢れで出た水は、水路を伝わって、生活用水になっています。

水は、人だけでなく、周辺の草木を潤しています。

水に恵まれた宮城島は緑豊かな島です。

いたるところで、5月の美しい花が咲いていました。

金武大川の長命泉は、まろやかな美味しいお水です。 

金武大川の長命泉は金武町にあります。

金武町で有名なのは、ウッカガー(金武大川)です。昔から、水が枯れたことがないと言われる、不思議な泉です。

以前にも、松田光正さんと一緒に来ています。金武大川

金武大川は、並里地区の中央にある、琉球石灰岩の多孔質を基盤に地下水が湧き出た、井泉です。

金武大川

大正13年に、衛生的に使用できるよう並里地区が工事を行い、飲料水、男女別の浴場を設けたそうです。

金武大川

干ばつにも耐え、豊富な水を湧き出し、稲や水芋の生産にも使われているのだそうです。

金武大川

水量は一日千トンを越えるのだそうです。

長命泉の周りには、かっては、ガジュマロの林だった面影が残っています。

金武大川

ちょっと、味見に飲んでみましょう。ペットボトルに汲んで、飲んでみると、まろやかな味でした。

沖縄の名水百選 南城市 垣花樋川

名水百選に選ばれている、沖縄の名水百選は、垣花樋川(かきのはなひーじゃー)です。

名水は、環境省が選定しています。

環境省が選定する程の名水なら、その名水をくんで、お茶を点てようと、片山正喜さんと相談が決まりました。

なんとなくドライブをしていたのに、迷うことなく目的地の垣花樋川にぴったりと辿り着きました。

こんなに、迷わずに垣花樋川に来られたのは、きっと、目に見えない何かが導いてくれたものだと思います。

車が行けるところまで行くと、その先は、人が一人通れるほどの細道です。

少し行くと、沖縄には滅多にない、水田のような、水溜まりのような、空き地がありました。

さらに名水を求めて前進します。このあたりは、舗装のない、地道のままです。

さらに前に進むと、大きな岩があり、岩と岩の間に細い道が続いています。

この岩は珊瑚の岩です。

このあたりは、大昔、海だったかもしれません。

きっと海底が隆起してできた山です。

そろそろ垣花樋川の水田近くにたどり着きました。

垣花樋川には、男の滝と、女の滝があり、儒教の教えの強い時代には、水洗い場も男と女がきっちりと分かれて使用していたようです。

上流から左側に位置する水路を女川(いなぐあー)、右側に位置する水路を男川(いきががー)といいます。

女川は下流から見えないように位置が工夫されていました。

下流の浅い水溜まりが馬浴(ウアマアミシー)川で、ここで馬に水を飲ませたり、馬の体を洗っていたそうです。

大変な水の量です。

これだけの水がどこから湧き出てくるのか、気になります。

水路を辿って、水源に向かって進んでいます。

その奥にあったのは、洞窟の入り口のような、小さな穴です。

ここから、清水が途切れることなくどんどん湧き出ています。

想像すると、この奥には鍾乳洞があり、鍾乳洞の中には水が集まり、

その水が地表に出てきているのだと思います。

昔、水道のない時代に、沖縄は水日照りがよくあって、生活するのも大変な地域もありました。

水不足の続く地域に比べると、この垣花樋川は、これまで沖縄各地の水くみ場を見て歩いて、比較にならないほどの水量だと思います。

沖縄には、あちらこちらの洞窟の下などに、どんな間伐でも、ここの水は涸れたことはないという水くみ場が各地にあります。

そのような、万年沸いてくる水くみ場に比べても、垣花樋川の水量は多いと感じました。

この水は下の方へと流れていき、この地域の畑や水田を潤し、作物をもたらしてくれます。

環境省が選んだ名水百選で、これまでに訪れている所は、

兵庫県/神戸市 布引渓流

兵庫県/宍粟市 千種川

島根県/隠岐の島町 壇鏡の滝湧水

徳島県/三好市東祖谷山 剣山御神水

高知県/県西部 四万十川

これに沖縄の南城市垣花樋川を入れると、合計6箇所の名水を訪れたことになります。

 


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沖縄訪問記 アーカイブ

2019年5月2日(木)

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