ター滝の伝説:沖縄大宜味村のター滝には二人が助け合って川を上れるかどうか、ター滝の伝説があります。

投稿No:7920

ター滝を見る為には、岩に阻まれた険しい川の道を進みます。車では滝の側に行けない秘境です。第168回沖縄訪問(10)

ター滝の伝説

 少し前に、沖縄で結婚式の招待を受け ました。

披露宴で新郎新婦が結婚を決意するきっかけとなった話を聞きました。

二人は、なぜ結婚する気持ちになったのでしょうか?

そのきっかけは、新郎に誘われて二人で大宜味村(おおぎみそん)のター滝に行ったことでした。

道のない川筋を、川に入って水に漬かりながら滝に向かって歩いて行きました。

困難な道を歩いて行くとき、二人が助け合うことで、ター滝までたどり着くことが出来たからだそうです。

ター滝に二人で行けば、二人の愛が深まるという伝説があります。

結婚に踏み切るかどうか、迷ったときは二人だけでター滝行けばいいのです。

ター滝に行ってター滝の伝説を確かめてみる

ター滝とはどんなところなのか、この伝説を確かめるために私は家族と一緒にター滝を訪れました。

ター滝は、平南川(へなんがわ)の上流にあります。

小さな川ですが、大雨が降れば、濁流が川に溢れるほどの水量になります。

その為、ター滝に行くときは、ライフジャケットを着用するように勧められています。

ガイドさんがついているグループがいました。

ガイドさんの説明を横からタダで聞きながら、ター滝に行くまでの注意事項を頭にメモしました。

今日のター滝探訪は私と奧さん、片山正喜さん、UくんとMちゃんの家族です。大人5人子供2人の、7名ご一行様です。

駐車場からター滝が上流にある平南川(へなんがわ)の入り口まではアスファルト舗装の歩きやすい道を歩いてきました。

ここからは川の中を上流に向かって歩くことになります。

ター滝への道は渓流の中

川の流れは、水量が少ないせいで危険な状態ではありません。

4歳の女の子でも大人が介助すれば、一緒に川を上れそうでした。

川の両端側は山の斜面が迫り、斜面には亜熱帯植物が生い茂っています。

私の好きなヘゴヤシも、多く見られます。

川の水の深さは20cm程度なので、もし幼児が転んでも溺れることはありません。

しかし、川筋を段々上っていくと、少しずつ川幅は狭くなり、川の流れは早くなり水深は深くなってきました。

そうなると、幼児を一人歩きさせる事は危険です。

大人がちゃんと子供と手を繋いで歩かないと、とっさの介助が出来ません。

石に躓いたり、石の苔で滑ったりすることがあるので、足元をしっかりさせるため、片山正喜さんは、Mちゃんに滑り止めの手製のぞうりを履かせてくれました。

川筋の道は小さな岩や、大きな岩が入り乱れていて、普通に歩くことを妨げています。

石の形は、丸くない尖った状態です。

ということは川の流れで石がぶつかり合って、角が取れて丸くなっていないという事です。

とげとげしい石は、転んだ体をぶつけると、怪我のもとです。

こけて捻挫しないように、注意深くゆっくりと歩いて、急がないことです。

ところどころ水深が深くなる場所がありました。

大人でも腰の周りまで水に浸かります。

幼児は、抱っこしてあげないと、歩けません。

ター滝探訪は隊列から離れないように

7人でスタートしたター滝の川上りは、少しずつ歩く早さに差ができて、先頭と最後尾が離れていきました。

先頭を歩いていたのは、私です。

U君は心配して後ろの方から大きな声で、

「じいじ、みんなと一緒に行かないと危ないよ!」と心配してくれました。

大きな岩が行く手を阻んでいたので、脇道に用意されている金の鎖とロープを使って、いったん川から斜面に這い上がり、迂回して岩を越えました。

後方の声が聞こえなくなるほど、列の距離が開いていきました。

後方が追いつくまでどこかで一休みしようかと、適当な場所を探して歩いていました。

一休みできるような、落ち着いた場所が見当たりません。

川の幅は細くなり、流れは強くなってきました。

靴が加水分解し歩行困難

前方に、段差の低い滝のような流れが見えてきました。

あの手前で休憩しようかと思っていた矢先、履いていた靴がなんだか変です。

足を持ち上げて見ると、靴底が剥がれそうになっています。

これはよくある靴の加水分解です。

加水分解は、最近の乾く合成のりでくっつけた靴によく起きる現象です。

水が加わることで、接着が離れてくる現象です。

靴底が剥がれると、足の裏が直接とげとげしい岩に当たるので、足が痛くなり、歩くのに困ってしまいました。

どうしたものかとここで考えていると、後方のみんなと合流しました。

片山正喜さんが持っていた手製のわらじを貸してもらい、加水分解した靴の上からわらじを履くと、岩の上を歩けるようになりました。

みんなからは、一人で勝手な行動したらダメですと、随分注意を受けました。

ター滝まであと一歩

ター滝から戻って来る人達と出会ったので、ター滝はまだ遠いですか?と尋ねると、

「ここまで来れば、難所は越えています。もうすぐそこです。」

と言われたので、元気が湧いてきました。

100mほど進むと、行く手に大きな滝の水流が見えました。

滝の周りには、沢山の人が岩に座って、滝を眺めています。

外国人の家族連れの方も大勢来ていて、みんな滝のしぶきに感動しています。

ター滝の滝つぼで子供たちは大はしゃぎ

子供達は、ター滝のすぐ側の大きな木の枝に縛っているロープを使って、

滝壺にダイビングしていました。

大人は恥ずかしいのか、ほとんど遠慮しています。

このシーンは子供の頃に見た、ターザンの映画のようです。

U君も大喜びで、ロープにつかまって、ブランコのように体を振動させ、頃合いを見計らって、滝壺に飛び込んでいました。

男の子なら、一度は体験してみたいジャングルごっこです。

それを見ていたU君のお父さんとお母さんは大喜びで、写真にU君の姿を収めていました。

滝の後ろ側には洞窟があって、中に入ると、ター滝の流れがカーテンのように広がって見えるそうです。

U君とU君のお父さんは二人で滝壺の裏側の洞窟に行って、洞窟から滝の流れを見ていました。

自然に湧いてくる親近感

Mちゃんはすっかり片山正喜さんに懐いています。

ここまで来るのに、片山正喜さんがMちゃんを介助してくれたからです。

この姿を見れば確かに、結婚前の男女がこの滝を見る為に川を上ってくる途中で、お互いの助け合いを認め合うようになるのもわかります。

Mちゃんはもう片山正喜さんとすっかりお友達になり、二人で世間話をしていました。

私が先に一人で勝手に進んで行ったので、奧さんをサポートしていませんでした。

これが結婚前のター滝伝説の確認なら、私は適正検査の選考から失格していたでしょう。

これでは、後からお叱りを受けます。

右足の靴には、片山正喜さんから借りた、手製のわらじを履いています。

奧さんは、ター滝の川上りは、こんなに険しい道とは思っていなかったそうです。

しかし、ター滝のすぐ前まで来てみると、ここまでの険しい道のりは、越えるに値する値打ちがあると思いました。

帰るのが惜しいター滝の景観

素晴らしい滝の流れです。

ここでU君達家族は、記念の写真を撮りました。

ひょっとすると、これが年賀状の写真になるのかもしれません。

ター滝の滝壺の周りは、山と山の谷間になっているので、直射日光は、太陽が真上に来るときにしか当たりません。

そのせいで、滝壺の辺りは日陰で涼しくそこに滝のしぶきがかかってきて、とても涼しい状況です。

ター滝の伝説は本当だった

ター滝の伝説は信じてもいい気がしてきました。

二人で一緒に川筋を上れば、どれだけ助け合えるのかが分かります。

相手への気遣いがない人や、弱音を吐くような人なら、もう一度考え直した方がいいかもしれません。

積極的にサポートしてくれて、頼れそうな包容力を感じれば、ター滝の伝説を信じることです。

ここまで来るのに大変な努力をしたので、帰ることが勿体ないと思える気持ちがあり、去りがたい気持ちが湧いてきます。

でも、適当な時間でター滝を去ります。

帰りも、来た時と同じように険しい道です。

U君の姿を見ながら、後から着いていきました。

なんだかU君は来た時よりも帰るときの方が頼もしく思えるような成長を感じました。

後ろを振り返ってみると、Mちゃんもみんなにサポートされながら、川を下ってきています。

下りは、段々と楽になります。

川の水は緩やかになり、険しい岩は少なくなり、川の水深も浅くなってきました。

U君とMちゃんが、ター滝の川上りを棄権しないで、滝の下まで行き着いたことに感心しました。

U君もMちゃんも水泳教室に行っているので、水を怖がらないせいでしょうか?

ター滝の伝説は瀧の女神の微笑み

前から思っていた、沖縄の結婚式で感じたター滝の伝説は、自分自身で確かめてみると、確かだと思いました。

ター滝の女神が、ター滝にたどり着くまでの努力と相互助け合いを見ているのです。

この人と一緒に険しい人生を進められるかどうか、迷っている人には沖縄の大宜味村にあるター滝の伝説を思い出して下さい。

2018年8月13日(月)

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