ミジュン(みじゅん)、100キロを超えるミジュンの群れを恩納村前兼久漁港へ追い込み、網で一網打尽大漁となりました。ミジュンは獲った後も大変です。 第113回沖縄訪問(16)
ミジュン(みじゅん)、100キロを超えるミジュンの群れを前兼久漁港へ追い込み、網で一網打尽大漁となりました。ミジュンは獲った後も大変です。 一匹ずつ、傷つかないように、網から外して、クーラーボックスに急いで入れます。鰯の生ぐされにならないように、急ぎます。
第113回沖縄訪問 その16】
ミジュン(みじゅん)の追い込み漁
ミジュン(みじゅん)、
100キロを超えるミジュンの群れを前兼久漁港へ追い込み、
網で一網打尽大漁となりました。
ミジュンは獲った後も大変です。
前兼久漁港の朝日会に行ってみました。
ちょうど船を出して、ミジュン(鰯)を捕ってきたころです。
ミジュン(みじゅん)て何に?
沖縄ではミジュンと呼ばれていますが、
和名ではミズンと言います。
ミジュンは沖縄では非常に馴染みのある魚です。
内地のイワシのようです。
ミジュンの寿命は1年と短く、3~8月ごろに産卵し、
沖縄本島が産卵できる北限のようです。
春から初夏に生まれたミジュンの稚魚はだんだんと大きくなり、
11月ごろに大人サイズの11㎝にまで成長します。
その後、冬に栄養を蓄え春から初夏にかけて産卵という生活サイクルです。
ミジュンは8月の終わりごろから漁港などで釣れ始めます。
ミジュン(みじゅん)の群れを前兼久漁港へ追い込み、
ミジュンの獲り方は、陸の方からミジュンの群れを見つけたら、
港の浅いところまで追い込み、網を広げて、
ゆっくり出口を塞ぎ、後は、船に引き上げます。
ミジュンを網から外す作業があります。
すごい獲物です。
100キロはあるでしょうか?
ミジュンは早く捌かないと、
「鰯の生臭れ」と言われるぐらい、早く傷んでしまいます。
こういうときには、みんなで共同作業で、連携プレーです。
海の向こうを見ると、ダイビングツアーの人たちが帰ってきています。
ミジュンを15人の皆さんで網から外していきます。
ミジュン(みじゅん)、100キロを超えるミジュン ミジュンは獲った後も大変です。
これは、腰をかがめて作業する、しんどい仕事です。
松葉博雄は、しばらくしているとすぐに腰が痛くなって、
たまらないほど痛くなります。
こういうときの役割は、網を外す役割から、違う役割を探します。
皆さんが網を外したミジュンは、
そのまま温かい温度のコンクリートの上に曝していると痛みま
す。それを早くクーラーボックスに入れることが、新しい役割です。
クーラーボックスに氷を入れて、
それぞれ皆さんが取っているミジュンを集めて、
クーラーボックスに入れていきます。
集配人の仕事です。どんどん溜まっていきます。
しばらくすると、潮が満ちてきて、
フグの稚魚たちが、岸壁に泳いできています。
投げ捨てたミジュンの頭に、フグが集まってきて、突いています。
フグは小さな稚魚です。
これが大きくなると、ハリセンボンになります。
ミジュン(みじゅん)を網から外す作業
階段に沿って皆さん座り、
網を少しずつたぐり寄せて、ミジュンを外していきます。
地べたに座って、かがんで作業するのは大変な作業です。
時間が経つと、ミジュンは傷んできます。
早く網から外さないと、
早く冷蔵庫に入れないと傷んでくるのです。
こういう時にいるのは、人手です。
皆さんが集まって来て、共同作業と連携プレーをすると、
早くミジュンを網から外すことが出来ます。
少しずつ人が集まってきて、
網外しもはかどっていきました。
ミジュン(みじゅん) 沖縄ではみんなで獲物を分け合う
自分でミジュンを網から外した量を
持って帰るという暗黙のルールがあります。
外しただけ持って帰ることが出来ます。
そうすると、クーラーに入れるために、
松葉博雄が皆さんの取ったミジュンを鍋に入れているのを集めることは、
自分がいくら取ったか分からなくなるという反作用になります。
はっきりと「ちょっとこのままでいいです」という人もいました。
でも、傷んだら元も子もないです。
ミジュン(鰯)は「ゆいまーる」の精神で地域の人たちに隔てなく分けられます。
たくさん獲れたミジュンは、
地域の人たちが鍋を持って集まって、
皆さんで分配します。
沖縄で感心することは、この助け合い「ゆいまーる」の精神です。
たくさん魚が獲れたら分け合って、
たくさん農作物が出来たら分け合って、
たくさん頂き物があったら分け合って、またその後からは、
たくさん得た人からまわってくるという、良循環です。
100キロ分のミジュンは、1人1キロとすれば、
100人ぐらいは分け合える量です。
今日の朝日会に豆腐がありました。
糸満の豆腐だそうです。
ミジュンを酢で締めて、豆腐と一緒にいただくと、
ミジュンの臭みも気にならず、
ビールによく合う味です。
ミジュンの生の酢漬けの他に、フライもあります。
松葉博雄は、以前、ミジュンを使って、
めざし作りをしたことがあります。
めざしを作る場合は、うろこを取り、早い内に天日で干し、
雨に当たらないように注意するという、
かなりやっかいな仕事になります。