恩納村前兼久漁港では、平日の11時ごろ、漁業組合主催の魚の競りが行われます。10年前と比べてみれば、毎日見ていると気が付かないようでも、漁獲量の少なさを感じます 第107回沖縄訪問(7)
恩納村前兼久漁港では、平日の11時ごろ、漁業組合主催の魚の競りが行われます。10年前と比べてみれば、毎日見ていると気が付かないようでも、漁獲量の少なさを感じます。
【沖縄の一族の結束は、祖先礼拝にあります。毎年4月(旧暦・シーミー)には、門中が集まり、祖先を祀るお墓の前で一族の皆さんがお弁当を持ち寄って、一族の繁栄をお祈りします その7】
今日は、朝から晴れのスタートです。前兼久の海は青く輝いています。ムーンビーチホテルは、白く光っています。
太陽が東から上り、海と山と街を光り輝かせています。何という素晴らしい光でしょう。
国道58号線では、また一軒の店が立替え工事をしています。真栄田岬の海には、白い帆のヨットが走っているのが見えます。
11日は、これから何があるのか、まず、前兼久漁港の市場に行ってみました。
漁業市場の競りです。朝、11時ごろに始まります。
たくさんあるように見えますが、10年ぐらい前に比べると少なくなっています。
顔馴染みの人が何人も競りに参加していました。松田薫さんのお母さんも来ています。
松田美代さんに、「どれだけのお魚を競り落とすのですか?」と聞いてみると、「安ければ全部競り落とします」と言われました。大した太っ腹に感心しました。
魚が入っているトロ箱には、魚の上に、紙に書かれた符丁が添えられていて、誰が獲ってきて、競りに出しているかが分かります。
漁業組合の正会員を維持するためには、年間出荷高の目標数値があります。目標数値を超えなければ、正会員から外れることになります。
しかし、近くでは魚が獲れなくなり、遠くまで出掛けるためには、油代がかさみ、競りに出しても浜値は期待ほどではなく、正会員を維持するのもジレンマがあるようです。
漁港の前の海は、鏡のように静かで、波がありません。
この港の中で、もうしばらくすると、ハーリーが行われます。
市場の見学の後、買い物をするために、石川の日用品の店「タバタ」に行って、何か必要なものはないか探しているときに、携帯電話が鳴りました。
金城正則さんから、「海に行こう」というお誘いの電話です。買い物を止めて、すぐに前兼久漁港に戻りました。
今日は、金城正則さんと勝田亘さんと松葉博雄の3人で釣に行きます。向かう先は、ムーンビーチ沖です。リーフを出て行くまで、ゆっくりと船を進めます。
前兼久漁港は、リーフに囲まれています。そのリーフを切って、船が出入りする水路が設けられています。珊瑚の海を抜けて、外洋に出ます。
松葉博雄の朝ご飯は、これから頂きます。コンビニのローソンで買った牛丼です。
牛丼を頂いた後は、魚釣りの準備で、餌のアミエビを針糸に付けます。1本の糸に、6つの針がついていて、針のひとつ一つに餌のアミエビを付けていきます。
アミエビが冷凍されていて、初めはカチカチに凍っていますが、海水を掛けて、凍結を冷まし、アミエビが掴めるように溶かしていきます。
このときに、冷凍アミエビの臭い匂いが広がってきます。このアミエビの臭い匂いと、船の揺れが重なり、船酔いが始まる人が多いようです。船酔いをしないように、慌てないで、ゆっくりとしたペースで、針に餌を付けていきます。
2009年4月11日(土)