タコ捕り名人上間光元さん宅で朝食 第73回沖縄訪問(5)
沖縄の自然を見るために、石垣島に行きます。沖縄本島を左側に見ながら、飛行機はすぐに久米島を通り抜けました。さらに宮古島を経て、水納島が眼下に見えました。小さな島です。珊瑚に囲まれ、とてもきれいです。そして、いよいよ珊瑚の生態調査に向かう白保青珊瑚群がわずかな時間ですが、見えました。
かつて1980年から90年の初めにかけて、バブル景気に湧いていた頃は日本中がどこもかしこも、リゾート開発の計画に湧いていました。この時期、石垣島に大型ジェット機の乗り入れを計画し、その飛行場として、遠浅の白保地区が予定地になっていました。
この頃の反対運動のニュースをよく目にしたものです。空から見ても、埋めるのは惜しいような美しい珊瑚礁でした。
2時50分に石垣空港に着きました。定刻どおりです。目下、気温は31度、快晴です。この暑さは、神戸で感じる暑さとは少し違うようで、ガンガンと上から太陽が照りつけ、まるで遠赤外線で焼かれるような感じでした。
タクシーに乗って、今日泊まる先島ビジネスホテルに行きます。いったん荷物を置いて、身軽な格好に着替えて、これから白保海岸に向かいます。
ホテルの前に、八重咲きのハイビスカスが咲いていました。カーネーションのようなギャザーをつけたような咲き方です。
白保地区です。白保地区というのは本当の名前は「シィサブ」と言います。
およそ住民は1000人ぐらいと聞きました。海に恵まれ、漁業や民宿、観光などのお仕事が多いようです。
さて、いよいよ白保地区の珊瑚礁に関する環境調査に取り掛かることになります。着いたばかりの疲れも、ものとせず、学術研究にファイトが沸いてきました。浜辺を見渡し、調査のための漁船をチャーターし、土地の事情に詳しい現地案内人を見つけました。この方にお願いして、主な珊瑚の群生地を回って見ることにしました。
白保の海を背にして、記念の写真を撮りました。持って来ているのは、水中写真用のカメラと、潜水用のシュノーケリング一式および水着です。やや日中の陽は西に傾きつつあり、かろうじて暑さのピークは避けられました。
いよいよ調査が4時ごろより始まります。今日の現地の案内人は、この白保地区で民宿を営み、白保の珊瑚群生群が観光資源としてとても大切であることを、十分認識していらっしゃいました。その語り口は、将来に渡り珊瑚礁を守っていきたいという熱意に溢れていました。
小さな船ですが、潮が引いていて、水深が浅いため、ところどころ海底と船がすれすれのような浅瀬も通り抜けていきます。水面に揺れる珊瑚の影は、屈折を通してややゆがんで見えるものの、手に取りたくなるほどの美しい魅力に溢れています。わずかな距離に海面があり、船から手を出してみると、生温かい海水がぬるま湯のような感触を伝えてきます。
海岸線に沿って、2,30分ほど船を走らせていくうちに、まず最初のポイントに着きました。このポイントは最初の学術調査のときに、わずかな地区で60種類もの珊瑚が観察されたことで、世界的な貴重な珊瑚群生群であることが、確認された場所です。今、松葉博雄もこの貴重な大群生群にあとしばらくすると潜ることになります。
デジタルカメラを使って、水面を撮ってみても、本当の水中の美しさを撮ることはできません。これからさき、水中は水中カメラに移ります。すっかり理解してくれた現地案内の人は、私の調査活動を船の上から預けたカメラで撮ってくれていました。
この地区は、珊瑚の観察のために多くの船が行き交うため、事故のないように、私は目立つように白い水中帽子を頭にかぶり、できるだけ船の船長から目立つように注意を促しています。
次回は水中カメラで撮影した写真をご覧いただきます。実際、水中に潜っていれば、そこに人がいることもわからないまま、モーターボートで頭を割られた事例もありますから、注意にこしたことはありません。
2005年7月4日(月)