誰もいない伊平屋島の海で、私の心の中にも夏が来たことを、ウェットスーツにしみ込む海水の温かさから感じています。伊平屋島訪問記(14)

誰もいない伊平屋島の海で、夏が来たことを、背中に照りつける太陽の温かさから感じています。 第138回沖縄訪問(17)

船を使って沖に出れば、昔の沖縄の自然が残っている珊瑚礁も近海に有るかもしれませんが、陸地から泳いで行って、透明度の高い、美しい熱帯海水魚が泳いでいる珊瑚の海は、もう離島に来ても、なかなかお目にかかれません。

これは、例えていえば、外国人が日本文化を求めて、昔の写真を連想して、女性が和服を着て、男性が袴をはい

て歩いているのを期待するようなものです。

これから入る海は、ヤヘ岩といって、昔、今帰仁の軍勢から島を守ったと言われる城石のあたりです。

先程と比べると、満ち潮の潮の流れが見えない、静かな海です。

シュノーケリングの足ひれを、クロールを泳ぐように、交互に煽りながら前に進みます。

水中眼鏡の視界から枝珊瑚が見えてきました。

枝珊瑚の、無数の珊瑚枝の間に、小さなデバスズメダイと、ルリスズメダイが隠れています。

沢山のスズメダイの群れの中に、ミスジリュウキュウスズメダイも見えます。

魚たちにとってみると、松葉博雄は侵入者です。侵入者に対して、警戒的態度をとっています。

こんな綺麗な枝珊瑚の周りを、しばし離れることは出来ず、暫くは見とれています。

そんなに深くはないので、大きな魚は見当たりません。

もっと沖の深いところに出て行かないと、変化に富んだ珊瑚礁はありません。

魚同士は、縄張り意識が大変強く、絶えず、魚同士が窪みや割れ目の隠れやすい場所の縄張りを争いあっています。

少しでも外敵から有利な場所に身を隠したいからです。

海底ばかりを見ていると、片山正喜さんの姿は分かりません。

顔を上げて位置を確認すると、ヤヘ岩の右手に居ることが分かります。白波の立っている方向に向かうとリーフです。

一人で行くと、片山正喜さんが心配するかもしれないし、どこかで出会ってどちらに行くか合意をしたいと思っ

ていますが、彼はどこにいるのでしょうか。

一人で、かなり長い時間、ヤヘ岩の近くで遊んでいると、少しずつ高い波が押し寄せてきました。

高い波は水温の低い水を運んでいます。

充分に遊んで、陸に上がってみると、片山正喜さんは、かなり前に海から上がり松葉博雄を待っていたそうです。

これから、民宿野甫に帰ります。

2012年7月14日(土)


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