真栄田岬でスク(アイゴの稚魚)の群れを見つけて、スクの群れを、一網打尽するよう夢見て、船はゆっくり、逃がさないように前進していきます。
真栄田岬でスクの群れを見つけて、スクの群れを、一網打尽するよう夢見て、船はゆっくり、逃がさないように前進していきます。 第137回沖縄訪問(10)
真栄田岬でスクの群れを見つけて
捕れたら大手柄です。
スクの群れを、一網打尽するよう夢見て、
船はゆっくりと、スクを逃がさないように、
真栄田岬の岸辺に前進していきます。
前兼久漁港の灯台を過ぎた頃から、
冨着信常さんの操縦する船は、
真栄田岬を目指して猛スピードで突き進んでいます。
船の前方の舳先は、海面から浮き上がるほど、波を蹴っています。
松田光正さんと松葉博雄が、
先ほどスクを見つけた所にやってきました。
さてまだスクは居るでしょうか。
船は速度を落として、
魚を脅かさないように、ゆっくりと進みます。
ちょっとの間に潮が満ちてきています。
先ほどの、珊瑚礁の岩場を歩いて上がれる状態ではなくなっていました。
船から上陸すれば、全身が濡れそうです。
こんなに潮が満ちて来ていると、歩くどころか、
潜らないと網が張れません。
ちょっとこれは誤算です。
3㎝くらいのアイゴの子のスクを捕る、
編み目の小さい網は持ってきているのですが、
網を張るためには、スクの群れが今どこにいるのか、
ハッキリと確認する必要があります。
船から見ると、
どの辺りに先ほどのスクの群れがいるのか分かりません。
周りの船に電話して、
スクを見なかったか聞いてみますが、
皆さん見ていないそうです。
夏の綺麗な景色です。素晴らしい。
真栄田岬の崖には、断層があります。
崖の横の方をよく見ると、横に水平にできた切れ目があります。
これは何でできたんでしょうか。
先ほどは、珊瑚礁の岩場に逃げ込んだスクの群れを、
真上から見ることが出来ました。
それが、時間が経過して、潮が満ちて来て、
どこが珊瑚礁の岩の切れ目なのか、分からなくなっています。
こうなると、船は真栄田岬の岩に沿って、
ゆっくりと並行して進んでいます。
青の洞窟に近づくと、
マリンレジャーによってきている船と、
ダイバーが沢山いました。
船の下にも、アクアラングをしている人がいて、
気泡が海面からプクプクと上がってきています。
ゆっくり進んで、気を付けないと、
浮上するひとに当たれば、事故になります。
シュノーケリングをしている人達は楽しそうです。
一塊のシュノーケリングをしている人について、
インストラクターが側にいて、
水難事故がないように、気を遣っています。
松田光正さんは、自分が皆さんを動かしたので、
大いに責任を感じ、一番船で高い所に移動し、
出来るだけ上から目線で、スクの群れを見つけようとしています。
しかし、これだけ潮が満ちてくると、
体を濡らさないで、潜らないで、網を張ることは無理です。
残念ながら引き上げです。
スクは見つかりませんでした。
来た航路を、船は戻ります。
これが大漁だと、気持ちは軽いのですが、
網も入れられないほどの誤算なので、
船足は重く感じます。
海から見ても、前兼久漁港のハーリー祭の準備は進んでいます。
前兼久漁港の港内では、明日のハーリーの前に、
最後の練習や、打ち合わせに余念はありません。
陸で行われる運動会の様に、
ハーリー祭は、海で行われる運動会です。
運動会に出る人が、見守る応援に応えたいと同じ様に、
海で行われるハーリー祭に出場する人達は、
当日の緊張を越えたいように、最後の練習に打ち込んでいます。
2012年6月22日(金)