沖縄に「餅つき文化」が根付かなかった 「餅の代わり」にムーチー(鬼餅)がある

投稿No:10512

「餅つき文化」の 代わりにムーチー(鬼餅がある)       第188回沖縄訪問記

沖縄に「餅つき文化」が根付かなかった理由

――焼餅で大笑い、ムーチーに込められた鬼退治の知恵――

内地(本土)では、年末になると

「よいしょ!」という掛け声とともに餅をつき、

正月には焼餅、雑煮、豆餅と、

餅は欠かせない存在です。

ところが沖縄では――

意外なことに、内地のような餅つき文化はあまりありません。

沖縄恩納村 前兼久 朝日会で餅つき大会開催

沖縄に餅つきの文化を紹介しようと、

片山さんと松葉博雄が考えて、

朝日会で餅つきを始めたのは、

2008年のお正月からです。

朝日会には沢山の人が餅つき集まってきています。

普段、朝日会の会費は毎日500円ですが、

今日はお正月行事なので、

1000円と特別会費になっています。

しかし、コロナ禍があって、餅つき大敗は自然消滅しました。

内地の餅を沖縄・金城家へ持って行ったら…

そこで今回、私は岡山県真庭市産の白餅や豆餅を、

沖縄・恩納村前兼久の「金城家」に持参しました。

餅を焼くのは炭火で焼くと美味しいので

金城正道さんに、炭で焼くようにお願いしました。

炭火の前に立ったのは、金城正道さん。

慣れた手つきで炭を起こし、

餅をじっくり焼いてくれます。

そのとき、正道さんの奥さんが一言。

「私、餅を焼くのは初めてなんです」

思わず私はこう返しました。

「でも、焼餅(やきもち)を焼いた経験はありますよね?

一瞬の沈黙――

そして、

「それならあります!」

と満面の笑み。

一同、大爆笑。

文化が違えば、餅の距離感も違う。

でも、人の笑いどころは全国共通のようです。


沖縄には「餅の代わり」がある

それがムーチー(鬼餅)

沖縄で餅といえば、何と言っても

旧暦12月8日の「ムーチー(鬼餅)」です。

ムーチーは、

  • もち粉を練り

  • 月桃(サンニン)の葉で包み

  • 蒸し上げたお餅

香り高く、素朴で、どこか神聖。

内地の「焼く餅」「つく餅」とは、

作り方も意味もまったく違います。


鬼を退け、家族を守る餅

ムーチーの由来は首里・金城の鬼伝説

ムーチーの由来として最も有名なのが、

沖縄・首里金城に伝わる鬼の伝説です。

両親を亡くした兄妹。

やがて兄は鬼となり、人々を苦しめる存在に。

妹は兄を救おうと、

餅の中に瓦(鉄)を忍ばせて差し出します。

それを食べた鬼は力尽き、退治される――。

この物語から、

  • 力(ちから)ムーチー

  • 鬼餅(おにもち)

という呼び名が生まれました。

つまりムーチーは、

「鬼を祓い、家族を守るための知恵の餅」なのです。


子どもの健康を願う、沖縄の冬の風物詩

この伝説は沖縄各地に形を変えて残り、

ムーチーは今も、

  • 子どもの無病息災

  • 家族の健康祈願

  • 冬の訪れを感じる行事

として大切に受け継がれています。

内地の餅が

「正月を祝う餅」なら、

沖縄のムーチーは

「命を守る餅」

ここに、文化の違いがはっきり表れています。


餅を焼く文化と、蒸す文化

どちらも、人を想う気持ちは同じ

炭火で焼いた内地の餅を囲みながら、

ムーチーの話をする金城家。

「餅を焼いたことがない」という一言の裏には、

沖縄独自の暮らしと歴史がありました。

焼く餅。

蒸す餅。

鬼を祓う餅。

正月を祝う餅。

形は違っても、

人を想い、家族を願う心は同じ

そう思うと、

焼餅の冗談が、少し深く、温かく感じられました。

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