生産量日本一の沖縄県のもずくの里 沖縄県国頭郡恩納村前兼久村のもずく
朝日クラブの常勤会員に、冨着さんが二人います。
二人は兄弟で弟の冨着さんはもずくの養殖の仕事をしています。
沖縄のもずくは全国のおよそ99%を占めて、県内でも特産品の一つとなっています。
もずくの栽培の方法は、もずくの種苗を取り、ビニール張りの水槽で種付けを網にします。
(詳細は、「オキナワモズクってどんなもの?」を参照してください)
冨着さんは最初にはじめてからもう15年近く経過しているとのことでした。 初期の5年間はなかなか思うようにいかず、色々と試行錯誤をし、他の地区の技術を学びながら5年ぐらいかけて技術の習得に励んだとのことでした。 船を買い、沖に出てもずくを育てる場所を探し、収穫のためのポンプを船に載せ、海中に網を張って、少しずつ事業を拡大していきます。
もずくの網は1枚が2000円ほどで、これを千枚以上張っていくわけですから、一度でそこまで拡張したのではありません。 他の仕事をして収入を得ながら少しずつ網の量を増やしていきました。
網の数は制限があり、事業が段々と軌道に乗って事業拡大を求めても一人に割り当てられる網の数、つまり作付面積には制限があるようです。一人で恩納村の海 を使いまくることは許されないようです。
船も今では仕事の内容にあわせた使い方ができる大・中・小の漁船を3隻持っています。 その船ごとに収穫用のポンプが積まれています。 「港に積んである鉄筋は何に使うのか。」と以前から不思議に思っていましたが、これは海中に網を張るために使う支柱ということでした。
自然の海を相手に行う漁業は、自然状況任せという面もあります。台風や暴風雨の時に波にさらわれて網が消えてしまうこともあるようです。色々と苦労話を聞きました。海の中での作業は、水深2~3mのところで行われます。船からエアーを受けながら、水中に立ったような姿勢で仕事をするわけですから、腰に鉛の重りをつけて、浮力で浮き上がらないようにします。
網を張る時期は12月~1月の沖縄でも一番でも水温が下がる時期なので、長時間海中にいると寒さで体が持たないそうです。そこで、海に畑を作るような作付けの大事な時には体に脂肪をつけるために、脂肪分の多い沖縄料理の豚肉を摂って、体に防寒用の脂肪をつけないと寒さにもたないという話を聞きました 。
冨着さんは見た目に大柄で、十分脂肪もついているように見えましたが、それでももずくの仕事は過酷な自然条件の中なので、体力が勝負のような厳しいお仕事のようです。一度おみやげに冨着さんの作ったもずくを頂きました。食べきれないほどのたくさんのもずくを頂き、神戸ではおすそ分けをしました。