ぽんぽん菓子の機械は、穀類膨張機と言われています。少額資本で独立自営に向いていると広告があり、一時過当競争になったようです。 【篠山ツアー その1】
朝は、驚くほどの穏やかな秋日和です。
自宅のオリーブの実を取って、オリーブ漬けの準備をした後は、家でじっとしておくわけにもいかず、どこか近隣ツアーに行く事になりました。
12時近くになっていたので、今から外出して、お昼をどこかで頂くとなると、あまり遠くにも行けず、思い立ったのは、篠山市への近隣ツアーです。
篠山といえば、丹波篠山、丹波篠山といえば、イノシシ、黒豆、お米、野菜などの畑の恵み物です。
中国縦貫道路を経由して、篠山インターで下りて、市街地に入る途中に、「味土里館」があります。
ここには、篠山市の地元食材が、土産物価格よりも安く売られています。
後で比較してみると、分かりました。
旧篠山町役場と「味土里館」では、お値段が違っている土産物が多く見つけました。
何かないかと、屋外の野菜の苗や、肥料を探して、レタスの苗を買いました。
突然、ポーンと大きな音が聞こえ、白い煙が吹き出したので、驚いて、煙の出ているところに行ってみました。
原因が判りました。昔懐かしい、ぽんぽん菓子の出す爆発音と煙です。
おじさんがワゴン車でやってきて、ぽんぽん菓子を作っています。
ぽんぽん菓子の機械の正式名称は、 穀類膨張機です。
ちょっと試食させてもらって、美味しいので、買おうかと値段を尋ねると、「お客さん、違いますねん。売ってません。
わては、手間賃でぽんぽん菓子を作ってますねん。1回米なら5合から引き受けます。
1回1000円です。
そこに並んでいるのは、全部頼まれているお米や豆です。」という話を聞いて、驚きました。
つい、興味があったので、ぽんぽん菓子屋さんの仕事を手伝いながら、お客さんに袋を詰める仕事を手伝いながら、話を聞きました。
「いったいどうして、このぽんぽん菓子の手間賃仕事を始めたのか」という質問です。
おじさんの言うことには、一時、ぽんぽん菓子の製造機械を売るメーカーが、退職後の仕事に雑誌や新聞の広告で勧めたそうです。
「お小遣いぐらいは儲かるんだったら、まぁやってみようか」と、思った人達がたくさんいて、ぽんぽん菓子の製造機械を買ったので、ある団地では、子供達が、「おっちゃん、今日もぽんぽん菓子か?いったい1週間に何回来るんや?」と、訝しがられたそうです。
つまり、小遣い稼ぎの独立自営のぽんぽん菓子屋さんが、同じ団地をあっちやこっち、ぐるぐるまわってきて、来る日も来る日もぽんぽん菓子屋さんが、集まるようになったようです。
これでは、過当競争です。だんだん競争が熾烈になり、とうとう、ぽんぽん菓子屋を辞めてしまう人が多くなったそうです。
では、どうして、今日のぽんぽん菓子屋さんは、この熾烈な競争に生き残ったのでしょうか?
松葉博雄は、ぽんぽん菓子のおじさんのお手伝いを続けながら、この核心に迫る企業間競争の話を聞きだそうと、一生懸命手伝っています。
ぽんぽん菓子の機械には、広島型と九州型があって、今日のおじさんの機械は、九州型です。
専門家の間では、広島型の方がぽんぽん菓子のできが良いそうです。
しかし、広島型は、値段も倍ほど高く、現在では、流通していない幻のぽんぽん菓子機(穀類膨張機 )と言われています。
では、肝心の競争を生き抜いた理由はなんでしょうか?それは、味付けにあります。
ぽんぽん菓子の商売の仕組みは、ほとんどが材料は依頼主が持ってきて、事業主は、頼まれた穀類を膨張させて、爆発させ、用意された調味料で味付けをします。
自前の味付け材料は使えません。
与えられた材料で、独自の味を出さなければ、またあのおじさんにお願いしようという、リピートにならないそうです。
なるほどなぁと考えて、では、なぜ、このおじさんは、独自の味付けが出来たのか、味付けの秘訣をずっと見ていました。
なかなかストレートには教えてくれません。
使う材料は簡単です。砂糖と水だけです。
これで、他とは違う差別化が出来るのです。ますます興味が沸いてきます。
2008年11月13日(木)