重乃井の釜揚げうどんは長嶋茂雄さんが有名にしました。本当においしいのか、何が美味しい原因なのか?

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重乃井の釜揚げうどんは、なぜ、美味しいのか、その原因を調べるために食べてみました。宮崎出張2019(7)

重乃井の釜揚げうどんを有名にした、長嶋茂雄監督の評価は本当なのか?

宮崎に行く前、ネットでホテルの近くの飲食店を調べてみると、人気第一位は、うどんの重乃井でした。

タクシーの運転手さんに尋ねても、長嶋さんがおいしいと言って、2杯食べた、と言う口コミでした。

サンスポの記事を引用すると多くのプロ野球チームがキャンプを張る宮崎市

で、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)やソフトバンク・王貞治球団会長

(78)らが愛した釜揚げうどん店「重乃井」(同市川原町)が、2月末の

営業を最後に築98年の木造店舗を建て替えることになった。

おかみの伊豫展子さん(68)は「味はもちろん、伝統も守っていきたい」と意欲を見せている。

「重乃井」は伊豫展子さんの義母・故美津子さんが、出身地香川のさぬきう

どんの味を広めようと1921年築の自宅を改装し、66年に開店。

北海道産の昆布、地元宮崎産のシイタケなどをベースにしたつゆに、約15

分間ゆでた手打ち麺をつけて味わう。

「創業以来変わらぬ味」と県内外から客足が絶えない。

【出典 2019.2.24 サンスポ

こんな紹介記事がスポーツ祇に書かれると、評判は高まるのは当然です。

本当に、そんなにおいしいのか?なぜ、おいしいのか?

実際に食べてきました。

釜揚げうどん(かまあげうどん)とは

そもそも、釜揚げうどんとは、普通のうどんと何がちがうのでしょうか。

釜揚げうどんは茹でたうどんを、で締めずにそのまま食べるうどんです。

通常の水で締めたうどんのようなコシやエッジがなく、表面にはぬめりがあります。

うどん内部の熱によってデンプンのアルファ化が進行するため、放置すれば時間の経過とともに食感が変化していきます。

うどんを冷水で冷やさない、うどんにコシがない、これが違いでした。

【出典:ウィキペディア(Wikipedia)

重乃井へ行って 尋ねたこと、分かったこと

重乃井は、宮崎観光ホテルから、歩いて行ける近いところにありました。

荷物を宮崎観光ホテルに預けた後は、奥さんと二人で昼食に重乃井に行ってみました。

重乃井のお店の方から聞いたことですが、四国から嫁いできた創業者の奥さ

んが、四国のうどんを宮崎で始めた事から、お店が始まったそうです。

重乃井のうどんのメニューは釜揚げうどんだけです。

注文をするときに選ぶのは、うどんの量、並か大盛りかと、麺の茹で方の硬さです。

空いていたのはカウンター席で、目の前でうどんを茹でる釜が見えました。

その奥には今三代目といわれる息子さんが厨房でうどんを伸ばして包丁で切

っている作業がすぐ近くから見えました。

カウンター席は、目の前のお店の方に質問をするには都合の良い席でした。

重乃井は店舗改装したばかりでした

2019年11月1日にお店を改装したばかりで、店内はとてもきれいな様子でした。

ちょうどお昼時だったので、次から次へとお客さんが入ってきていました。釜揚げうどんの並が650円です。

四国のさぬきにうどんを食べに行ったときは、さぬきなら釜揚げうどんは200円から300円くらいです。

一般的な釜揚げうどんの値段と比べて、倍の値段です。

釜揚げうどんはつけ麺で

釜揚げうどんは、つけ麺で頂くので、だし汁もありません。

だし汁がなければ、かまぼこや、油揚げや、鶏肉などの具材は、何もありません。実にシンプルです。

釜揚げうどんをゆでる釜が5フル活動

店内には大きいうどん釜が5つあります。

どの釜も、お湯がいっぱいに煮え立っていました。

メニューはとてもシンプルで、釜揚げうどんだけです。

他はサイドメニューとして、ショーケースから、お稲荷さんや、ちらし寿司、しめサバが選べます。一皿200円です。

重乃井の女将・伊豫展子さんの語る「釜揚げうどん」

重乃井のおいしさの要因を、女将さんが語っている記事がありました。

これを読むと、美味しさの源泉が伝わってくるので、引用します。

麺づくりは雄三さんの仕事。

客席から麺を伸ばしたり切ったりしているのを見ることができ、その奥で麺づくりが行なわれています。

「小麦粉と塩と水を合わせ、ビニールをかけて足で踏んでいきます。

しばらく踏んだらビニールをめくって折りたたみなおし、再び踏みます。

表面のツブツブ感がなくなり滑らかになるまで、量やその日の状況で変わりますが最低1時間半はかかります。地味な仕事ですね(笑)

今日は10kg弱を踏んでいますが、多い時は30kgほど踏む時もあります。

テレビ見たりしながらね。

踏み終わったら一晩寝かせて熟成させ、翌朝にもう1回踏んで伸ばして切って麺は完成です」

「手切りですから、完全にそろっているわけではなくて、長いのも短いのも、太いのも細いのもありますね。

切って時間が経つと乾燥してしまうので、一度に切っておくのではなく、営業時間中に随時切るんですよ」

麺の味は、気温・湿度・塩加減・寝かせる時間で調整

季節や気温・湿度によって塩加減を調整するのはもちろん、麺をねかせる時も気が配られている。

「夏は冷蔵庫に入れたり、冬は下に座布団を敷いて毛布をかけておいたり…。

生き物だから人の手でつくらないといけないし、愛情を持って作らないといけませんね」と展子さん。

大切に“育てられた”麺が売り切れたら、営業時間内でも暖簾は下げられる。

やや細目でコシのある麺は、店奥で、2代目史之さん(64)、3代目雄三さん(35)ら男性3人が手作業で仕込んだものツユは創業者のオリジナル。

汁の出汁は昆布 サバ節は旨味を、カツオ節は香りを

四国風のいりこは使わず、北海道産昆布2種、1つは浜に近いところで採れたものを切った長切(ながきり)昆布。

もう1つは沖で採れたもので、長いものを幾重にも折った折り昆布です。

折り昆布はとろろ昆布にもなり、和食の食材としても使われるような昆布で、本当は出汁にするのはもったいないほどの昆布なんですよ。

鍋いっぱいに昆布を入れて炊き、出汁が出たら昆布は捨ててしまいます。

そこにカツオ節とサバ節を入れてさらに出汁をとります。宮崎ではイリコを使うことも多いですが、うちではイリコは使いません。

サバ節は旨味を、カツオ節は香りを出すためです」

麺は注文が入ってから1人分ずつゆでる

ゆで上がるまで15分、1度に釜に入るのが最大20人分なので、数に漏れると30分、45分と待つことも。

旅行者など時間に限りがある客には、前もって電話があれば、可能な限り到着時間にゆで上がるよう対応するという。

麺を食べた後は、最後にツユを丼に返し、そば湯のように飲み干すのが店の流儀。

「ダシの味がしっかり出てるでしょ。うちはそこまで飲んで初めて完食よ」と同店

「そこに手で小さくくだいた高千穂産の干しシイタケからとった出汁を加えます。

そして、出汁の中に残った細かな粒をサラシなどで漉すのではなく、(網杓子やあく取り)で丹念にすくっていきます」

毎日11時〜15時の間に出汁をとり、16時くらいからツユの味付けを始めるとのこと。

味付けは醤油とミリンだけ

味付けは醤油とミリンのみで、砂糖や塩は一切使いません。

醤油もみりんも特別に作っていただいているものですね。

出汁作りから味付けまで、すべて母の教えを守っているものです」

ツユに浮かべられる揚げ玉作りも展子さんの仕事。

サクサクの揚げ玉は油っこくなく、それだけを食べても美味しい。

『釜揚げうどん』には5つの羽釜がフル回転

カウンター席の内側には、5つの羽釜が置かれており、釜の下にあるコンロともども年季が入ったものだ。

「今の羽釜は20年くらい使っていますね。ずっと火にかけっぱなしだから羽の部分がだんだん薄くなってくるんですよ。

下のコンロは開店時から使っているもので、もともと船に積んでいて薪を使うコンロらしいです。

中央の釜はお湯が入っていて、各釜への継ぎ足し用ですね。

1つの釜で一度に5人前分をゆでることができます」

釜の中に麺が入れられるが、タイマーなどは置かれていない。

「一人前ずつ、注文が入ってからゆで始めます。

大体15分くらいですが、箸で麺をほぐす時に一瞬白くなったりとか、湯の中での麺の泳ぎ方でゆであがりがわかりますね」

ゆであがった麺を丼に入れ、ゆで汁を注ぐ。

麺とは別にネギと揚げ玉を入れた器に温めたツユを注いで、できあがりだ。

甘めのツユが、太さや長さが微妙に違う麺によくからむ

食べ進んでもツユが薄くなる感覚があまりないのが不思議だ。

「うちのツユには昆布をたくさん使っているからだと思います。

麺を食べ終わったら、丼にツユを入れてどうぞ!!」

それはちょうどいい塩梅(あんばい)のお吸い物だ。

ゆで汁だけでも美味しいので、『ゆで汁だけください』という方もいらっしゃるんですよ。

母はうどんのツユではなくて、和食の吸い物を作りたかったんです。

このツユの味をこわしたくないから、七味も置いていません。

すべて食べ尽くして、飲み尽くしていただくのがうちの『釜揚げうどん』です」

“お吸い物”はちらし寿司、いなり寿司と合わせても旨い。

有名人のファンも多く、店内には多くの写真が飾られている。

宮崎キャンプの際は、野球選手も訪れるそうです

「お願いされて宮崎キャンプの時にグラウンドまで作りにいったこともあるんですよ」多くの人の心をつかむのは、創業以来変わらない手作りの味だ。

「うちには何も機械がないんです(笑)。

『釜揚げうどん』しかありませんが、ずっと大切に味を守り続けていきたいですね」

北海道産の2種類の昆布、サバ節、カツオ節、高千穂産シイタケでとった出汁に醤油とみりんで味付け。揚げ玉にも味付けしています。

【出典:霧島酒造株式会社

釜揚げうどんを食べた後のおつゆ

釜揚げうどんを食べた後は、そばのそばつゆのように、うどんの入った鉢に、つけ麺の残った汁を入れて、お汁だけを飲むように勧められました。

確かに、だし汁の味は美味しいのですが、うどんだけを食べるのは、物足りませんでした。

サイドメニューには、バラ寿司、きつねすしがありました。

まとめ

重乃井の有名な話は、巨人軍の長嶋茂雄さんが、重乃井に来て、釜揚げうどんを美味しいと言って、二杯食べたということが伝説になっているそうです。

巨人軍の練習場まで行って、釜揚げうどんを作ったそうでした。

美味しいから、噂になったのか、噂が客寄せして美味しさに磨きがかかたのか、その因果関係までは分かりませんでした。

人気タレントはファンが育てるように、料理店の味は客が創ると言われています。

人気が高まれば、人気に負けないような味を磨く創意・工夫が加わります。

料理の味は客との競争的関係にあるようです。

有名人がおいしいとおかりすると、お店にとってみれば、福の神です。

開業当初は、夜中の一時までお店を開いていたそうですが、今はそんなにも長く開店していません。

ここに行列ができるのも、当然だなあと思いながら店を出ました。

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2019年11月5日(火)