新素材の特徴:チバビジョン社から新素材を採用したレンズが発売されます。

新素材の特徴:チバビジョン社による、新素材シリコンハイドロゲルを採用したレンズ「O2オプティクス」に関する勉強会です。

新素材の特徴に関するチバビジョン社の勉強会がありました。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

本日の業務終了後、チバビジョン社の方が主催する、新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2オプティクス(オーツーオプティクス)」に関する勉強会が開催されました。チバビジョン社の「O2オプティクス」は、2004年に発売されました。日本で初めて、そして世界でも初めてシリコンハイドロゲル素材を採用したコンタクトレンズです。1ヶ月交換タイプとなります。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

今日の勉強会は、新しくコンタクトレンズの素材として採用されたシリコンハイドロゲルの特徴を中心に行われました。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

今、市場に最も普及が進んでいる使い捨てタイプのレンズの素材は、HEMA(ヒドロキシエチルマタクリレート)が主成分で、この素材は吸水して柔らかくなるために、快適な装用感を得ることができます。

一方で、このHEMA素材は、酸素を通すという点で、ハードレンズの主流である酸素透過型レンズに劣ってしまいます。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

そこで、柔らかく異物感のない装用感と、瞳への十分な酸素の提供の両方を実現できる新素材の登場が待たれていました。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

コンタクトレンズのメーカー各社は、酸素を良く通す素材であるシリコンに着目し、新素材の開発を実現しようと競争していました。その中で、チバビジョン社はシリコンとハイドロゲルを組み合わせ、汚れや脂肪分が付着しないよう表面加工を施すことにより、世界で初めてシリコンハイドロゲル素材のコンタクトレンズの製品化に成功しました。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

このシリコンハイドロゲルを素材としたO2オプティクスの特徴をまとめると、次の3つです。
1)眼に優しい(高い酸素透過率)
2)乾きにくい(低い含水率)
3)汚れが付きにくい(表面処理)

アメリカでは、チバビジョン社に続いて、ジョンソン・エンド・ジョンソン社、ボシュロム社がシリコンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを発売し始めました。2006年11月時点で、世界に9製品あるそうです。

日本にはまだ、チバビジョン社の「O2オプティクス」しかありませんが、近い将来、シリコンハイドロゲル素材のレンズが増えてきそうです。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

チバビジョン社がアメリカで眼科医を対象に、「シリコンハイドロゲルがこれからのコンタクトレンズ素材の主流になると思いますか?」というアンケート調査を行った結果を見せていただきました。

「全く同感である」が55%、「同感である」が36%と、90%以上の眼科医が、これからシリコンハイドロゲル素材が主流になると考えているそうです。

チバビジョン社からは、シリコンハイドロゲル素材に最適なケア用品を実験した結果も報告がありました。チバビジョン製のケア用品だけでなく、現在市場に出回っている他社のケア用品も含めて、いくつものケア用品に数時間つけ置きをした場合の、レンズ表面の汚れの落ち方を観測したそうです。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

最も結果が良かったのが、自社製品の「エーオーセプト クリアケア」ということでした。

どんなに素材が優れているレンズでも、日々のケアを怠ると、やはり眼障害の原因になりうるので、きちんと毎日のケアを行ってくださいということでした。

新素材シリコンハイドロゲルを使った「O2Optix(オーツーオプティクス)」

コンタクトレンズ業界では、20年ごとに新しい素材発明があり、大きなイノベーションが起きています。1950年代にはハードレンズの登場、1970年代にはソフトレンズの普及、そして1990年代には使い捨てレンズが発明されました。

この20年周期のイノベーションが、また起きるとしたら2010年です。シリコンハイドロゲルが、次の大きな波となるのでしょうか。

 

2006年11月27日(月)