揖保川 鮎の成長は、川の水と日照時間に依存しています。鮎茶屋正起
揖保川の鮎の成長は、川の水と日照時間に依存しています。宍粟の鮎茶屋正起は、鮎を炭火で上手に焼いています。
揖保川に流れる水で育った鮎は、
鮎本来の持つ草のような
青臭い匂いを持っています。
この鮎は、揖保川の水量によって
成長が変わってきます。
アユの食料は川の石についた苔で、
その苔が沢山ついていれば、
鮎は苔を沢山とることができて、
身体が大きくなります。
水の量と並んで、
鮎の成長に大きな要因となるのは、
日照時間です。
お天気で、太陽が川に
明かりを照り続ける日が多ければ、
苔の生長は大きくなります。
反対に、雲の多い日が続き、
日照時間が短くなれば、
苔の成長は悪くなり、
鮎も苔をたくさん食べることが出来なくなり、
その結果、体長に影響します。
の揖
今年の揖保川の鮎の成長はどうでしょうか?
正起(しょうき)では、お店の前を流れる、
揖保川で釣り上げた天然鮎を、
釣り人から買い入れています。
買い入れた天然鮎は生け簀で活かされ、
その一部は、鮎の友釣りに使う、
おとりの鮎として、
一匹600円で売られています。
残りの鮎は、鮎茶屋正起の食材として、
鮎の塩焼きや、甘露煮、
刺身などに使われています。
網ですくい上げた鮎をちょっと見せて貰うと、
15cm~20cm以内の小ぶりの鮎でした。
渓流を遡り、小さな滝も
登り切るほどの強い元気さを持っています。
鮎茶屋正起は、揖保川の川辺に沿うように、
建物が出来ています。
この建物は、鮎茶屋正起のオーナーが、
日曜大工で作ったそうです。
川縁なので、川の風が客席にまで増えてきて、
自然の涼しさを感じます。
網ですくい上げた鮎は、
人の心をもがくように、
鮎がもがき苦しんでいます。
鮎は短時間では元気ですが、
少し暴れすぎると、
すぐ弱って死んでしまいます。
従って、鮎を驚かせたり、
掴んで水あげるようなことをことをすれば、
鮎は弱って死んでしまいます。
鮎茶屋正起のご主人とは
二十年代の顔馴染みで、
今日も来る前に電話で予約をして、
座席を確保してやってきました。
鮎茶屋定食は、少しずつ値上がりして、
今年は2980円で、3000円一歩手前です。
ずっと前は1000円台の時代もあり、
この2000円台になり、もうしばらくすれば、
3000円台になりそうです。
あゆを炭火で焼いてみれば解る事ですが、
家庭で鮎を焼く事は、大変難しいことです。
姿がそのままで、外の皮が残ったままで、
適当な焦げ目があり、
焦げすぎもしないような、
あゆの焼き方は、
細かい裏返し作業が必要です。
ビールを飲みたいところですが、
車で来ているので、
選んだのはノンアルコールビールです。
1シーズンで鮎の命を
どれだけ頂くのか解りませんが、
鮎茶屋正起のお庭には、
鮎の供養塔の碑が建てられています。
鮎定食を食べた後は、
川風に吹かれて、
少しの間床に横たわって昼寝です。
帰りに出入り口で、
正起のご主人に今日の食事代のお支払いをします。
すだれが増えて、以前のように仕事場が、
カウンター越しに見えなくなりました。
もっと、鮎料理の仕事場が
お客様から見えた方が良いと思います。
2016年7月3日(日)