屋久島へ YS-11に乗って 屋久杉ランド 大川の滝 岩﨑ホテル 平内海中温泉を回りました。

屋久島へ YS-11に乗って行き 屋久杉ランド 大川の滝 岩﨑ホテル 平内海中温泉を回りました。屋久島の思い出は、もう一度屋久島に行きたいという甘い思い出です。  旅行/屋久島/永田いなか浜/縄文杉/岩崎ホテル/平内海中温泉

屋久島への飛行は、鹿児島空港からYS-11のプロペラ機に搭乗して、

およそ40分のフライトで屋久島空港に到着します。

この旅行は、1998年10月のことで、

今では日本の空から消えてしまった、

国産のプロペラ機YS-11に搭乗出来た貴重な体験でした。

プロペラ機、YS-11のフライト

YS-11のフライトは、よく揺れました。

屋久島空港に近づき、大きく旋回した時には、

何かトラブルがあったのかと

一瞬ひやっとしましたが、

これはプロペラ機ならではの大きな旋回でした。

屋久島空港に到着すると、

空港前に駐車しているタクシーにお願いして、

今日の宿泊先であるシーサイドホテルに向かいます。

屋久島の雰囲気は、沖縄や奄美大島の雰囲気によく似ています。

1998年の出来事

屋久島を訪れた1998年はどんな年だったかといえば、

1月には三塚博大蔵大臣が

金融証券スキャンダル事件で辞任しました。

2月には、郵便番号が7桁に移行しました。

同じく2月には長野オリンピックが開催された年です。

7月には、参議院選挙が行われ、橋本龍太郎首相は、

選挙の敗北の責任をとって、退任しました。

後継は小渕恵三さんです。

7月30日に小渕恵三内閣が成立しています。

8月の甲子園高校野球では、

横浜高校の松坂大輔投手がノーヒットノーランの記録を出しています。

9月には日本リースが倒産し、

負債規模は約2兆3000億円の超大型倒産となっています。

さらに11月には、日本国土開発が倒産し、

負債規模は4000億円でした。

12月に入ると、日本債権銀行は経営破綻し、

政府が日本債権銀行を国営化しました。

こんな世相の時代に、

後日、世界遺産に登録された屋久島に行っています。

個人的な出来事を回想すれば、

1998年は阪神淡路大震災から3年経過した年です。

震災復興はかなり進んで、

さんプラザコンタクトレンズにも、

昔のお客様が戻ってくれていました。

この年、長男は医学部へ進学し、

3人の子の大学受験が終わった年です。

苦しかった震災復興と、

子供達の大学受験が終わり、ここらで一服と思い、

かねてより一度は訪れてみたいと思った

屋久島へ奧さんと二人で旅行に来た次第です。

岩崎ホテル

最初に泊まった屋久島シーサイドホテルの記憶はあまりありませんが、

2泊目の岩﨑ホテルの事は覚えています。

岩﨑ホテルは広大な敷地をも持ち、

それは自然の地形へと溶け込んで、

どこからが自然でどこからがホテルの敷地か

区別がつかないような緑豊かなところでした。

岩﨑ホテルの周りは切り立った山に面し、

山には自然林が生い茂り、緑豊かな環境です。

散歩も出来て、ホテルの周りを歩いてみると、

沖縄で見るような景色が沢山ありました。

例えば、ハイビスカス、クワズイモ、

ヘゴヤシなどが生い茂っています。

なんとここではヤシガニも生息しているそうです。

土産物屋の店先にポリバケツがあったのでのぞいてみると、

ヤシガニが中にいました。

かなり大きなヤシガニで、

近くの林で捕獲したということでした。

屋久島ではレンタカーを借りて島をぐるぐる回りました。

あちらこちらをドライブしていると、

屋久島特有の広告が目につきました。

それは、薬の広告で、

胃腸薬の恵命我神散(けいめいがしんさん)ののぼり旗です。

恵命我神散は、屋久島の大自然が産んだ生薬だそうです。

永田いなか浜

訪れた場所は、永田いなか浜です。

ここはとても広くて、ウミガメが産卵に訪れる貴重な浜辺です。

屋久島は沖縄に向かう途中、

飛行機から何度も島の形を見た事があります。

丸い形の島で、飛行機ならほんの数分で通過してしまいます。

屋久島の島を訪れ、レンタカーで島の周辺を回ると、

とても大きな島のように思えました。

今日一日は、屋久島の有名な場所を訪れるドライブです。

最初は屋久杉ランドです。

屋久杉ランドで車を降りると、

ここから縄文杉や、紀元杉、仏陀杉を見るために山を登ります。

屋久杉ランド、縄文杉、紀元杉、仏陀杉

沢山の登山者が、毎年屋久杉を見るために山に登れば、

山の木は人の足に踏まれて、傷ついてしまいます。

そこで山に登る時には、土袋に土を入れて高いところに登ると、

その辺りの地上に出ている杉の根っこに土をかけてあげます。

沢山の人が同じ事をすれば、

地上にむき出しになった杉の根にも土が被さる事になりますが、

これも、強い雨や風が吹くと流されてしまうので、

恒久的な対策ではありません。

車で登れるところまで登る途中に、

屋久島の野生の猿の集団に囲まれました。

車の中に手を入れて食べ物をねだるので、

決して車の窓を開けてはいけません。

車の中にまでお猿さんは入って来て、

食べ物が入っていると思い込んだら、

鞄まで持ち去ってしまう事があるそうです。

まるで、恐喝をうけているような怖さです。

車を降りて屋久杉の根っこを踏まないように、

保護をしているすのこ状になった通路の板の上を歩きます。

しばらくすると、

古い屋久杉の聳えている標高に辿り着きます。

屋久杉は、江戸時代にかなりたくさんの古代杉が伐採されたそうです。

当時は、縄文杉とか、古代杉とか、紀元杉という、

杉を大切に考える思想はありませんでした。

遠慮無く屋久杉を山裾から順番に、

山頂を目指して、上に上にと伐採していきました。

伐採した屋久杉の使われ方は、薄く切って板状にして、

江戸の町、民家の屋根に乗せる瓦の代わりに使われていたそうです。

江戸の町は火事が多く、大きな火事が起きる度に、

町人の住む民家は再建され、再建には屋久島から屋久杉を切り出し、

板状にした屋久杉を、

屋根を葺く建築材料として船で運ばれたそうです。

この話を聞くと、

なんともったいないことをしたのかと思ってしまいます。

今、屋久島に残っている古い古木は、

伐採を免れた杉で、見方を変えれば、

当時は切ってもあまり値打ちのなかった杉が、

命拾いをしたようです。

後悔は先に立ちませんが、伐採された屋久杉の中には、

今残っている杉よりも、もっともっと歴史的な価値のある杉が、

屋根板の値打ちと引換に、伐採されたようです。

しばらく歩いていると、

野生の鹿が、

苔をかじっているのか、藪の中にその姿が見えました。

人を見ても、驚いて逃げる様子はありません。

屋久島 平内海中温泉

次は屋久島名物平内海中温泉です。

平内海中温泉は、24時間の一日の内、

潮が引く一日二回のわずか5時間程度だけ、

温泉に浸かる事ができます。

1998年10月に、

平内海中温泉を訪れた時は、今の姿とはかなり違って、

脱衣所などの温泉施設はほとんどなく、

海の自然の姿のままのようでした。

海の海面に出ている岩に向かって、

コンクリートの道が作られ、

この道を海の方に向かって進めば、

今は潮に隠れている温泉があるようです。

ここで困った問題があります。

この平内海中温泉は、地域の人達が管理する温泉で、

その入浴ルールは、地域の人達が定めています。

原則混浴です。女性も男性も、水着着用は許されません。

着用できるのは、タオルのみです。

なんでタオルを身体に巻くのは良くて、

水着だったらダメなのか?

その理由は解りません。

一般に部屋の中の温泉なら、

タオルすら浴槽に入れるのはタブーなのです。

村の長老が決めたのかもしれません。

郷に入れば郷に従えで、

小さなタオル一つで、温泉に浸かるしかありません。

だから、入浴している人はほとんどが男性です。

大きな岩に、何か注意書きが書いています。

いつ見ても かわらぬ石の色かたち 人の心もかくぞあるらん

と、書かれていました。

松葉博雄はタオルを巻いて、

天然温泉の平内海中温泉に浸かってみました。

海水に囲まれた温泉ですが、

湧き出るお湯は、真水で塩っ辛くありません。

温度は場所によって違います。

熱いところは避けて、41~42℃あたりの適温の場所に身体を沈め、

しばらく周りの悠大な景色をみているとました。

突然観光バスがやってきて、

女性のバスガイドさんが、旗を右手に持ちながら、

入浴客を上から見下ろすような姿勢で、

「ここです、ここです!」と、

バスの観光客を手招きして案内していました。

しばらくすれば、松葉博雄の周りは、

観光客で囲まれてしまいました。

これでは温泉から出るに出られず、観光客が去っていくまで、

じっと海中温泉で、熱さに我慢です。

こんな経験は初めてで、風呂の浴槽にまで、

大勢の見物人が来たとしたら、驚くのも当然です。

 

大川の滝

次は、日本の滝100選に選ばれている、

落差88mの大川の滝です。

大川の滝の側に行くと、滝壺に落ちる水の音で、

話し声も聞こえないほどの大きな音です。

大雨が降った後は、当然水嵩はまして、

ものすごい迫力だそうです。

この大川の滝から、海までの距離は近くて、

滝の水はすぐに海水に流れていきます。

屋久島の地形は山が高く、山が高ければ、

高い所は気温が低く、亜寒帯から、

亜熱帯までの気候が、垂直に広がっている、珍しい地形です。

山が高いので、雲は山に当たり、

雨となって地上に降り注ぎます。

しかも、急な斜面なので、

まるで立っている人が強いシャワーをあびるようでした。

山肌の不要なものは、

シャワーで流すように強い水嵩の雨で下流へと流され、

いつも山は自然の掃除を受けているような自然環境です。

日本の滝100選と言えば、これまで経験したのは、隠岐の島の壇鏡の滝を見に行きました。

もう一度思い返して見ると、屋久島の思い出は、

①今はもう日本の空に飛んでいない、

日本の名機 YS-11プロペラ機に乗れた事、

②ウミガメが産卵する永田いなか浜

③屋久杉ランドで、縄文杉・紀元杉・仏陀杉を見た事

④自然豊かな岩﨑ホテル

⑤平内海中温泉で、観光客に囲まれて、見物されたこと

⑥大川の滝

⑦胃腸薬の恵命我神散との出会い

⑧銘酒「三岳」との出会い

こんな、記憶に残る素晴らしい旅行になりました。

離島 関連記事 アーカイブ

1998年10月