福井俊彦日本銀行総裁の日本銀行の金融政策大転換の講演会を聞く~松葉博雄の感想~
2006年3月18日(土)、大阪倶楽部で福井俊彦日本銀行総裁の講演会がありました。日銀の福井俊彦総裁は超お忙しい方なので、平日には、予定が立たなくて、土曜日にやっと時間をお作りいただいたそうです。現役の日銀総裁なので、その一言一言が、金融や経済の関係方面に影響力があるため、内容につきましては、詳しくはお伝え出来ていません。
日本銀行の量的緩和政策は、松葉博雄のホームページでも少し触れました。
既に、公表された内容や、日本銀行のホームページに掲載されていた範囲内でお伝えします。
福井俊彦総裁は大阪のご出身で、大阪府立大手前高校を卒業され、東京大学法学部に入学し、日本銀行に就職しました。
ホームページでの経歴を拝見すれば、お生まれは1935年ということなので、身近な方と比べてみると、とてもお元気で、講演会の内容も専門的な知識と、記憶力の大容量に驚かされます。5年ぶりの日本銀行の金融政策転換ということで、テレビ、新聞、週刊誌などのマスコミにも広く取り上げられています。(週刊文春)
一昔前には、老後の資金として、これまで蓄えたお金を預金していれば、金利が生活を支えてくれていました。もし、一千万円を定期預金にして、年利6%とすれば、預金金利は税引き前に60万円つきました。五千万円を預金していれば、1年で300万円利子が付きました。それが、バブルの崩壊後、金融機関が巨大な不良債権を発生させ、多くの企業の過剰な借入金 に苦しみ、これを救済するために日本銀行は低金利政策から、ゼロ金利政策、更には、お金をジャブジャブ市中へ供給する超金融緩和政策を取りました。
おかげで老後を金利で生活しようと思っていた日本の多くの資産家は大変な負担を強いられました。福井俊彦日銀総裁の責任問題を追及する意図ではありません。松葉博雄は感心したのは福井俊彦総裁が90分にわたり、専門的な知識を交えながら、経営者の多くの人たちの前で、日本銀行の政策を資料なしで的確に説明したことに驚いています。
松葉博雄は神戸商科大学大学院では、北野正一教授、野間敏克教授、山家悠紀夫(やんべゆきお)先生、大阪府立大学大学院では宮本勝浩教授、桃田朗助教授、小林創先生などから日本銀行に関係する講義を聞きました。
比較的最近このような日本銀行の金融政策を学んだおかげで、福井俊彦日銀総裁の講演会も理解がしやすかったのですが、これが、もし金融政策についての基礎講義をうけて受けていなければきっと、福井俊彦日銀総裁のお話も難しすぎて、右から左に抜けていた事と思います。
70歳にして、日本経済の先行きの責任を負い、日銀の物価の番人、金融、為替、株式、実態経済などに影響を与える責任ある判断力と世界経済における日本銀行の責任者としての激務をこなす情熱に驚きました。孫を抱いて、日向ぼっこをしている人もいれば、こんな重い責任を背負って前に進む人もいると感心しました。
もう一つ勉強になったのは、最近物忘れが進み、いわゆる認知症に対する心配です。日銀の福井俊彦総裁はどのようにしてこれだけの大容量の記憶を維持するのでしょうか?松葉博雄ならすぐに忘れてしまいそうなことを各方面から質問されても答えているようです。現に、目の前で質問者に対して「え~っと、え~っと、あれは、あれは」と前置きを置かなくても、すらすらとよどみなく質問に答えています。
90分の講演を聞いて、松葉博雄の感想は、
日銀の福井俊彦総裁の記事を書いていると、2006年3月28日付け「週刊SPA!」にも量的緩和解除についての記事がありました。
比較的柔らかい雑誌と思っていたSPA!に「ぼくらの生活どうなる!?」という視点から4ページにわたる、特集記事がありました。
こうしてみると、日銀の今回の量的緩和解除政策は、身近な問題なようです。特にお金を住宅の為に借りる場合や株式市場や不動産に関心のある場合は、とても他人事とは言えないようです。
更に、2006年3月21日付の朝日新聞の経済欄には日銀・福井総裁インタビューと題して、福井俊彦日銀総裁が、大阪倶楽部で松葉博雄を前にしてお話をしたことと、ほとんど同じ内容のインタビュー記事が詳しく書かれていました。
朝日新聞の本紙単独会見記事として、総合欄にも日本銀行の福井俊彦総裁に3月20日に、量的緩和政策終結後、福井総裁が単独インタビューに応じたのは初めてと注釈がありました。
朝日新聞ですら、このような大きな扱いの記事なので、この金融政策は、今後の私たちの生活にとても重要なことである事が分かります。2006年3月22日付け朝日新聞のオピニオン欄では、日本銀行が量的緩和政策を止めて、「超金融緩和」時代の終わりを告げたことを海外のメディアがどのように告げているかを紹介しています。
新聞のイラストでは、蛇口から出てくるお金の量を、日本銀行総裁の福井俊彦総裁が蛇口を絞ろうとしている絵で、現在の状況を描いています。蛇口を開ければ、日本の円は世界中に供給され、蛇口を閉めれば、円は世界中から少なくなってきます。これではまるで、水道局の管理人のような立場です。
松葉博雄のすぐ前で、淡々と日本銀行の金融政策を90分にわたり、わかりやすく説明してくれましたが、その翌日からは、各メディアで次々と反響が報道され、改めて福井俊彦日銀総裁の日本経済の舵取りの重さについて、知ることが出来ました。
誰がやっても、きっと、全員を満足させる舵取りは難しいと思いました。