ビジネスランチのメニューの選び方:ファーストフードか、スローフードか?
ビジネスランチには、急ぐ人は熱くないメニューを、急がない人には、熱々のメニューを。 三宮 えびらそば
ビジネスランチといえば、戦国時代はおにぎりでした。現代のビジネスランチは、手の込んだ、食べるのに時間がかかるメニューが、昼食でのビジネスの会話を弾ませてくれます。
センタープラザ地階にあるえびらそばは、このビルではもう老舗です。えびらそばといえば、そばをイメージしますが、実際、えびらそばと言えば、カレーそばが一番人気です。
松葉博雄のお気に入りは、スタミナごはんです。スタミナごはん(800円)には、丼の中に、蟹、ワカメ、錦糸卵、そしてお肉の甘炊きの4つの具材が入っています。
これを食べるとどうしてスタミナがつくのか分からないまま、ずっと食べ続けています。
カレーそばを注文している人と、一緒の席でスタミナごはんを食べると、二つの注文には、決定的な違いがある事が分かります。スタミナご飯は、早く食べるのに障害となる事はありません。
ところがカレーそばは、カレーに片栗が入っているのか、なかなか冷めにくくて、急いで食べると、火傷しそうな熱さです。そのため、カレーそばを注文すると、冷たいお水のコップが必ず一緒に付いてきます。
もちろん、火傷防止の為の冷や水です。カレー蕎麦を箸でつまんで、高く伸ばして、息を吹いて、そばを冷まそうとすると、大抵の人は失敗しています。
カレーのルーが周りに飛び散って、服は台無し、手にかかると手は熱くなり、大慌てで冷やす人が続出です。
この点、スタミナごはんは、息を吹きかけて冷まして食べないと食べられないような温度ではありません。
昔、戦国時代の世の中では、腹が減っては戦ができぬと言われていました。しかし、戦場での食事は、早く作って、早く食べて、早くしまう事が出来る、今でいうファーストフードが求められていました。
戦場のファーストフードで最たる物は、日本食の定番、おにぎりです。大釜でご飯をいっぱい炊いて、ご飯が炊けたらすぐに冷まして、両手の手のひらには塩をふりかけ、塩の上に炊きたてのご飯を乗せ、おにぎりの中には、味噌とか、梅干しとか、戦場に持って行きやすいものを入れていました。
ビジネスランチの観点からみると、カレーうどんは、作るのに時間がかかり、たべるのに時間がかかり、片付けるのに時間がかかる、かなり非効率的なビジネスランチになります。
しかし、現代のビジネスランチは、食べる事よりも、一緒に食べて会話をするという大事な役割があり、食べるのに時間がかかるカレーそばは、ビジネスの話を延々とするのには、うってつけのメニューです。
2012年12月29日(土)