三原はタコの町です。三原は蛸の産地です。三原のたこはひと味違います。

広島ツアー(3)

屋上の露天風呂から、食堂のある本館に向かって、浴衣姿で車通りの多い道を、50メートル程歩かなければなりません。派手な、あまりセンスの良いとはいえない揃いの浴衣なので、知っている人に見られたら、知っている人に写真に撮られたら、恥ずかしいなぁと思います。

途中の道に、みはらし温泉が植えているイチジクの木が何本もあり、職員の人が丁度イチジクをもぎ取っていて、食べてみませんかと勧めてくれました。小粒なイチジクでしたが、甘味は高く、美味しいなぁと感想を言えば、おじさんはもっと美味しいイチジクの木が道路の向かい側にあるので、自由に採って下さいと、嬉しいお誘いです。

食堂で周りを見ればお客さんは少なく、見晴らしの良い個室に案内してくれました。

個室のガラス窓からは、すぐ傍に瀬戸内海を航行する何隻もの船が見えます。

前回確認した記憶では、みはらし温泉の魚は、必ずしもすぐ近海の瀬戸の海で獲れた魚ばかりではないそうなので、では何を注文すれば地元産のお魚になるのか確認すると、今日はあこうなら地元産です、と言われました。

どの位の大きさがどのくらいの値段になるのか定かでないまま、奥さんと二人で食べるなら小さい方でいいかなぁと、メニューの中で、小さいサイズのあこうの舟盛りをお願いしました。

出て来たあこうの舟盛りは想像よりも大きなサイズで、あこうは、可哀想にもまだ息があり、身を捩らせて苦しんでいます。

あこうは苦しんでも、食べる側は、ピチピチして新鮮な魚と評価しています。

刺身を取った後のあこうは、形が見栄えが良いように竹の串で刺して、あこうの身の悶えを封じるように留めていました。竹の串を外してみると、全長が分かりました。かなり大きなあこうです。

もう一品お願いしたのは、三原の特産である蛸を使った、蛸釜飯です。

蝋に火を点け、15分待てば釜飯が出来るそうです。仲居さんは、絶対に15分は釜の蓋を取らないで下さいと強く念押しをされました。そう言われると、蓋を外して中を見たくなるのが人情です。

熊笹を飾りに使っています。仲居さんに、この熊笹はこの後もまた洗って使うのですか?と尋ねてみると、厨房の板前さんが毎日熊笹を採りに行っていて沢山あるので、一度使った熊笹は捨てるそうです。

釜飯には、おすましのお汁が付いています。先程の、あこうの刺身を取った後のアラは味噌汁にしてもらって、おすましと、味噌汁の2つのお汁がテーブルに並びました。

味噌汁とおすましでは、同じ量であれば、どちらが沢山塩分を使うでしょうか。血圧が徐々に高くなってくると、こんな塩分の量にも関心が回ります。

鑞の塊1つで炊けた蛸釜飯ですが、味はどうでしょうか?

釜の蓋を開けて、蛸釜飯をよそって食べてみると、なかなか美味しい蛸釜飯でした。

ビールを頂いて、美味しいあこうの刺身を食べて、蛸釜飯を食べた後は、しばらく動くのが辛いほどお腹一杯になりました。個室から廊下に出ると、今見ている瀬戸内海の島々の、みはらし温泉より瀬戸内海近隣の島々の案内図がありました。

生け簀の前では、板長さんが魚を前にして、何か考え込んでいます。生け簀に買い足す魚の量を相談しているのでしょうか?

食堂に行く前に、向こう側のイチジクの木も美味しいイチジクの実が成っているよと言われた事を思い出し、寝間着姿で道路を横切りイチジクの木を確かめてみると、型は小ぶりですが、よく熟れたイチジクが収穫出来ました。

これを持って、部屋に戻ります。

みはらし温泉の部屋は、和室と洋室があります。今夜の部屋は洋室ですが、どこかの洋画で観たような、デビッド・ジャンセンの「逃亡者」が泊まるような部屋の壁紙でした。

今夜のテレビは、オールウェイズです。懐かしい昭和の時代のヒット曲が続いています。イチジクを食べながら、オールウェイズを観ているうちに、眠たくなりました。

2012年10月10日(水)