考えても
考えても
考えても、考えても、査読論文を採択されることは難しい事です
考えても、考えても、査読論文を採択されることは難しい事です。考えても論文の作法が整っていなければ、査読論文にはならないようです。
大阪市立大学大学院の、明石芳彦先生のゼミでは、2コマの時間をかけて、博士課程後期の大学院生の研究発表があります。
この研究発表や研究報告は、早ければ、前回の発表よりわずか1週間で次の研究発表をすることになります。社会人大学院生なので、仕事をもっていて、昼間は幹部社員として働いている方が、業務終了後に家でこつこつ研究を進めていたり、土曜日曜のお休みの日に、集中して研究をすすめています。
今日のお二人の発表は、査読論文に向けて、その投稿先の学会に合わせたテーマで、どんな研究をするか、アウトラインの発表になりました。
査読論文に通るには、アカデミックな問題提起が必要です。それは、この論文で何を言いたいのかがハッキリしていることです。
大切なのは先行研究に何を選ぶか、先行研究ではここまで明らかになっているが、この研究では、先行研究とどのように違うのか、何を発見したのか、何が明らかになったのか、先行研究との対比が必要となってきます。考えても考えても、難しいことです。
二人の発表を一通り聞くと、明石芳彦先生は、査読論文として査読を通るために、査読者にどんな興味を持ってもらうか、つまり何が言いたいのかが、はっきり伝わらないと、評価が得られないことをコメントされました。
社会人の博士課程後期の方は、社会人としての経験と、企業人としての知識が、蟹の味噌のように頭にいっぱいあります。
この知識を記述すると、解説になりかねません。査読論文は一定の作法があり、解説を求めていません。仕事で得た知識は、査読者よりもはるかに高いレベルであっても、解説であっては評価されないようです。
査読者に興味を持たせる事が、査読者を自分の論文に惹き付ける、アカデミックな興味を随所に表現することが求められます。
明石芳彦先生は、査読者が求める査読論文の作法について、ホワイトボードに板書して説明して下さいました。
2011年11月28日(月)