ほ~ほ~ホタル来いと、呼ぶよりも、お~いお~い泊まりに来いと、言いたくなるほどの寂しさです。

有馬温泉は、神戸三宮から30分の便利な場所にあります。初夏にはホタルが飛び交います。ほ~ほ~ホタル来い(1)

有馬温泉は、神戸三宮から30分の便利な場所にあります。初夏にはホタルが飛び交います。今日の近隣りツアーは、一泊二日で、出かけることにしました。

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松葉博雄は、蛍狩り、蛍観賞、ホタルを見ることが好きで、度々有馬に、ホタル鑑賞に来ています。ホタルがしっかり見られるのは、ホタルが沢山いることと並んで、周りがうんと暗いことです。

たくさんホタルが居ても、蛍光灯がギンギンギラギラ輝いていては、ホタルのお尻から発する光が見えません。

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雨の中、傘を差して、奥さんと一緒に、有馬のホタルを探しに行ってきましたが、残念ながら、6月初旬では、ホタルが飛んでいませんでした。ひょっとすると、雨が降っていたので、ホタルは、草の影に隠れて、臨時休業だったのかもしれません。

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蛍を探した後、晩ご飯をどこで食べるか考えて、この土地で40年ほど店をしているという、昔からあるお好み焼き店「一休」へ晩ご飯を頂きに行きます。近くに泊まるのを予定しているので、ビールを頂いています。

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タンクトップ姿の元気なおじさんが、鉄板の上でお好み焼きを焼いてくれました。焼いているのを見ながら話していることは、ここ最近の不景気の話しです。親父さんが言うには、40年店をやってきて、こんなに人通りのないことは初めてだと言うのです。

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40年間と言えば、オイルショックもあり、バブル崩壊もあり、リーマンショックもあり、いくつかの景気変動を経験していますが、それよりも今回の東日本大震災による出控え、行楽自粛、日本全体の共同意識の方が、行楽を押さえているようです。

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お好み焼きの他にも、定食のメニューがつきます。味噌汁と漬け物、ご飯、一品に野菜炒め、水茄子が「うまいで!」とメニューに書かれていたので、水茄子も頂きます。

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水茄子は、一皿500円で、割に大きくカットされ、おじさんの言うには、やや漬かりすぎということですが、見た目には綺麗な色です。食べてみると、やや酸っぱさが漬かりすぎでしょうか?

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どうやら、松葉博雄と奥さんが、今日最後のお客様のようで、注文した料理ができると、早速片付けが始まっています。

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鉄板を磨き、油を拭き取り、皿を洗って、食材は冷蔵庫に収めています。

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お店は、奥さんと一緒に経営していて、ビールを注文すると、奥さんが、生ビールを運んでくれました。黙っていると、あまり会話がない店なので、おじさんに会話が弾むように、「お二人は、結婚してどのくらいになるのですか?」と尋ねてみました。

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すると、思いもかけない質問に、おじさんも、おばさんも、暫く考え込んで、何年になるのか、真剣に考えていました。

もう、50年を超えているそうで、金婚式レベルの息の合い方です。

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それにしても、有馬温泉の寂しさは、深刻です。昔を知っている関係者には、信じられないほどの淋しさです。

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先に来ていた、顔なじみのような男性2人組は、お勘定は8000円を超えていました。かなりビールを飲んだのでしょうか?

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お店を出ると、有馬温泉の路地を彩るいくつもの提灯・看板は、いずれも明かりが消えて、行き交う人もばったり途絶え、これが関西有数の温泉街かと疑うばかりです。

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余計な心配ですが、温泉旅館やホテルは、たとえ一組でも、泊まり客があれば、温泉をまわして、お部屋を綺麗にして、廊下にも階段にも照明を点けて、従業員はサービスに努めて、サービスのレベルを維持するのは大変なことです。

いくつものホテルと、旅館の前を通って、つい、心配してしまいました。

 

2011年6月2日(木)