「琥珀色の贈り物」──夫婦の時間を閉じ込めた梅酒 奥さんの誕生日の記念樹 南高梅
大磯で収穫した南高梅を使って梅酒を作りました。今年は琥珀色が深くて良い出来栄えです。
大磯で育てた梅を使って、

今年も梅酒を仕込みました。
今年は裏年で、
南高梅もほとんど実をつけませんでしたが、
六月の梅雨の晴れ間に

ひとつひとつ丁寧に収穫した梅は、
わずかでも実が大きく、見事に色づきました。

漬けて数か月、

瓶の中には深い琥珀色。
光に透かすと、まるで夕暮れの海のような輝き。
香りもまろやかで、
今年はこれまでで一番の出来です。
この梅の木は、

奥さんの誕生日に記念樹として植えたもの。
切り花のように短い命ではなく、

共に年を重ねていける
「成長する贈り物」にしたい──
そんな思いで土に手を入れました。
年月を重ね、少しずつ枝を広げ、
やがて実を結ぶ姿を見るたびに、
夫婦の歩みと重なって見えます。

秋晴れの日、庭の棚田でスダチを収穫して、
薄くスライスしたものを梅酒に浮かべました。
梅酒の出来はとても良く
色も深く、まさに琥珀色。
最高の梅酒が出来上がりました。

梅酒として漬けた後も
実は大きなままで
食べ応えがあり、美味しかったです。

ほのかな酸味が、
熟成した甘みを引き立て、
まるで人生の酸いも甘いも味わうようです。
琥珀色のグラスを傾けながら、
静かな午後に感謝をこめて、
「来年もまた、この味に会えますように」と思いました。

2025.11.09