【社長経営学77】経営理念はスープのように──冷めないようにに温め続ける 経営理念の浸透施策
投稿No:10457
【社長経営学77】経営理念の浸透が戦略の成果に影響するだけでなく 従業員の仕事観にも変化を起こす

経営理念の浸透とは、
企業が掲げる理念を従業員が深く理解し、
日々の業務で実践している状態を指します。
これは、従業員の行動指針となり、
組織の一体感を高め、
企業の持続的な成長に不可欠です。

理念浸透の重要性

従業員が共通の価値観を持つことで、組織全体が一体となります。
従業員が業務上の意思決定をする際の明確な基準となります。
企業と従業員自身の存在意義ややりがいを明確にします。
理念への共感が従業員のモチベーションを高め、パフォーマンス向上に繋がります。
理念浸透の具体的な方法
1. 理念の明確化と共有
行動基準を作成し、理念の意図や意味を従業員が理解しやすいようにします。
社内報、研修、朝礼、社内広報紙などで理念の広報を続けています。
2. 共感と実践の促進
役職者と従業員同士で理念について話し合う機会を設けます。
経営者、管理職が率先して理念を体現し、手本を示します。
人事評価制度に理念に基づいた行動を評価する項目を設けます。
3. 継続と習慣化
継続的に年単位の長期スパンで根気強く取り組みます。
理念が企業文化として根付き、従業員が自然と体現できるようクレドを作成
経営理念をどれだけ語っても、
社員に伝わらなければ意味がありません。
大学院で「経営理念の浸透」を研究していた頃、
私はこのテーマを数字で確かめようと考えました。
🔹研究から見えた「理念のちから」
2007年と2012年、

メニコンの社員の方々に
2度のアンケートをお願いしました。
「メルスプラン」を通じて、
社員の意識や行動が
どのように変化したのかを追跡したのです。
結果は明らかでした。

時間をかけて経営戦略を進めるうちに、
理念が社員の中に浸透し、
仕事への誇りや主体性が高まっていたのです。

つまり――理念が人を動かし、成果を生み出す。
それを実証的に確認できた研究でした。
🔹理念はスローガンではなく「行動の軸」
会社の理念は、単なる飾り言葉ではありません。

社員一人ひとりの判断基準であり、
日々の行動の指針です。
この理念が現場にどれだけ根づいているかが、
やがて会社の成果を左右します。

だから私は、新入社員研修を必ず自分で行います。

経営理念を、社長の言葉で「最初に」伝えるためです。
理念を読んで説明するだけでは心に届きません。
自分の体験や失敗談を交えながら語ると、
社員の表情が変わり、頷きが生まれます。

それが、理念を「言葉」から
「実感」へ変える瞬間です。
🔹理念はスープのようなもの
理念は熱いスープのようなものです。

つくった直後は熱く、香りも立ちます。
けれど、火を止めてそのままにしておくと、
やがて冷めてしまいます。

どんなに素晴らしい理念や戦略も、
語り続ける人がいなければ冷めていきます。
だから経営者は、
いつも火を入れ続けなければなりません。
社員の心を温め直すように、

「なぜこの会社が存在するのか」を何度でも伝える。
それが、経営者のいちばん大切な仕事だと感じています。
🔹理念は繰り返して伝えることで根づく
理念は一度伝えて終わりではありません。

繰り返し、何度も、
心に注ぎ続けることでようやく定着します。
それが組織を強くし、
会社を長く支える力になります。

経営理念の浸透は、
戦略の成果に影響するだけでなく、
社員一人ひとりの「仕事観」をも変えていく。
それが、私が研究と実務の両面から得た確信です。
🟢まとめ
理念とは、「熱を冷まさない仕組み」である。
経営者の言葉が、会社の心を温め続ける。

2025.11.12