神戸六甲山 摩耶山天上寺 ブッタの生母である 摩耶(マーヤ)夫人をお祀りしています
投稿No:10320
摩耶山天上寺 日本で唯一 釈迦の生母である 摩耶夫人をご本尊として お祀りしています
夏本番を迎え、
暑い日が続いています。
どこかへお出掛けしたい気持ちはあるものの、
この厳しい暑さでは
なかなか外に出る気にはなれません。
そこで、少しでも涼しげな場所を求めて、
夏の摩耶山の風を感じるついでに
これからの会社の発展と
社員の皆さんの安全を願って、
天上寺へ行くことにしました。
天上寺は六甲山地の一峰である
摩耶山の山頂近くにあります。
標高は約700メートルの場所にあり
街中より気温が5度くらい低いので、
心地よい風が吹き抜ける
涼やかな場所です。
摩耶山天上寺には、
子供たちの合格祈願、
阪神淡路大震災のときの復興祈願、
初孫ができるときの安産祈願など、
これまでに何度もお参りに来ているので、
だいたいお願いしたことは、叶っています。
天上寺へ行くには
いくつかルートがあります。
駐車場に車を停めると
道路の目の前に正規の入口があります。
しかし、ここから入ると、
長い石段を上がっていかなければなりません。
母・松葉登美子は80歳になった頃でも、
天上寺の石段を
手すりにつかまって上っていました。
私は何度も天上寺へ来ているので
この石段を使わない、
秘密のルートを知っています。
それは、「オテル・ド・摩耶」の
裏道から入る方法です。
こっちから来れば、
長い石段を使わなくて良いのですが
オテル・ド・摩耶は
2021年に閉館してしまったようでした。
(過去ブログ:摩耶山天上寺でショートアニメを楽しみました)
この摩耶山天上寺は
646年(大化2年)に法道仙人が
孝徳天皇の勅願を受けて開創したと伝わる、
長い歴史を持つ古刹です。
古くは「摩耶夫人寺」とも呼ばれ、
日本で唯一、釈迦の生母である
摩耶夫人をご本尊として
お祀りしていることが最大の特徴です。
本来、ブッダの母は
マーヤ夫人と言います。
それを漢字に充てて、摩耶夫人になりました。
ブッダ(Buddaha)とは「目覚める」
という動詞の過去分詞形で、
広く「目覚めた人」「悟った人」を意味します。
広い意味では、
悟った人すべてを意味する一般名詞です。
この仏陀が省略されて「仏」となり、
日本語では「ほとけ」と
読まれるようになりました。
ブッダが誕生する前、マーヤ夫人は
ある不思議な夢を見たと伝えられています。
ある夜、マーヤ夫人は
六本の牙を持つ白い象が天から舞い降り、
自分の右脇から体内へ
入ってくる夢を見ました。
白い象は
古代インドにおいて
王権や神聖さの象徴とされ、
特に六本の牙を持つ象は非常に尊い存在を
意味すると言われています。
夢の後、夢占い師たちは
「このお子さまは将来、世界を救う
偉大な聖者(仏陀)になるでしょう」と告げました。
右脇から入るという描写は、
清浄で正しい生まれ方を象徴していて、
この夢はお釈迦様がただの王子ではなく、
特別な宿命を持って生まれることを
示す大切な前兆とされています。
この摩耶(マーヤ)夫人から、
摩耶山の名前が付いています。
天上寺は
安産祈願や子授け祈願の
霊場として知られていますが、
それだけでなく「家内安全」「心願成就」
「事業繁栄」など、多くのご利益を求めて
多くの参拝者が訪れます。
いろいろな悩みや不安、欲望に対して、
個別に加持祈祷してくれます。
密教による加持祈祷は、
太鼓をたたいて、
護摩を焚いて、厳粛の儀式です。
ブッタの言葉を編集した
スッパニパータでは、
ブッタは加持祈祷、占いなどは禁じています。
360.師はいわれた、
「瑞兆の占い、天変地異の占い、夢占い、
相の占いを完全にやめ、
吉凶の判断をともにすてた修行者は、
正しく世の中を遍歴するであろう。
927.わが徒は、アタルヴァ・ヴェーダの呪法と夢占いと
相の占いと星占いとを行なってはならない。
鳥獣の声を占ったり、
懐妊術や医術を行なったりしてはならぬ。
『スッタニパータ ブッダのことば 』 中村元、岩波書店
摩耶山天上寺は、一度火災で
昭和51年(1976年)に全焼しているので、
今、再建しているお堂や、
摩耶(まあや)像は昔のものではありません。
これまで何度か
天上寺の七夕の行事の時に
訪れていたのを思い出し
七夕が近かったので、今回も
何かやってないかと期待しましたが
天上寺の七夕は
旧暦の七夕に合わせた開催なので
今はまだやっていませんでした。
天上寺のすぐ近くには、
掬星台という展望スポットがあります。
「星を掬(すく)う台」と書くその名の通り、
まるで手を伸ばせば
星に触れられるかのような、
圧倒的な夜景が広がる場所です。
毎年、掬星台では、旧暦の七夕に合わせて
七夕まつりが行われています。
(過去ブログ:「掬星台(きくせいだい)」の七夕)
とても暑い日でしたが、
こうしてお寺へ足を運び、
お参りをすることで、心が晴れ渡るような、
すっきりとした気持ちになりました。
これまで何度も訪れているだけに、
私にとって思い出やさまざまな思いが詰まった
大切な場所でもあります。
また時間を作って、
ゆっくりと訪れたいと思います。