インド巡礼記:ベナレスを離れる列車の床で寝る 第24話
インド巡礼記:真理を求めて インドに、インドに真理を求めて、インド巡礼に行きたい、こう思ったのも、家庭を築き、仕事に精を出し、人生も順調に歩んでる時、ふと心の中に、「これで良いのかな?何か大事な事を忘れていないかな?成る程と腑に落ちる様な真理を理解できてるのかな?」このように、ふとした疑問がどんどん膨らんできたからです。インド巡礼は、真理を求める巡礼の旅になるはずです。 【その24】
ホテルでの夕食は、同行のグループの人たちが戻ってこないので、松葉博雄は皆さんより先に食べました。セルフサービスではなくて、席に座って、ボーイが運んでくる料理を順番にいただきます。メインディッシュは魚の料理でした。
ビールを注文するのはどうしようかなと思いました。ちょっと最近飲んでいないので、今夜も飲まないことにしました。隣に座ったYMCAの娘たちも疲れてしんどそうです。
夕食を早めに済ませると、次の目的地に向かって移動の準備をして、夕方7時にはバスに乗って、これからベナレスの駅に向かうことになります。
30分ぐらいでバスは駅に着きました。駅を見渡せば、駅舎で寝込んでいる人がたくさんいます。ホームに出ると列車待ちの人がたくさんいて、売店ではここの絵本を3冊買ってみました。
アーナンダは、私が他の現地人と話していると、必ず割り込んできて、直接私と現地の人が話をしないようにしていることが分かります。もちろん、私が困っているように見えるから、自分が交渉役になろうという好意かもしれません。
インド風の紅茶を駅で飲みました。煙で喉が痛いほど石炭を焚く煙が辺りに充満して、まるで夜霧に包まれたプラットフォームのようです。
プラットフォームでベナレスを離れる旅愁に浸っていたとき、皮のコートを着た駅員が松葉博雄に話しかけてきました。インドでは、公用語に英語が採用されているので、たいていの公務員なら英語を話します。
一方、日本人は中学から英語、英語と試験に追われ、自らの進路さえも英語の成績によって左右されるにも関わらず、英会話となると、国民全体にさっぱりできていません。
インド人の駅員とたどたどしい片言英語で話していると、あまりにもうまく伝わらないので、駅員は適当に話を切り上げ、どこかへ行ってしまいました。一応、写真を撮ってくれるように頼んだ時の写真がこの写真です。
インドでは、なかなか定刻どおりに列車は到着しないようです。30分以上も列車が遅れて着きました。
今回の列車は中にスチームがあり、寒さは感じません。ツアーのメンバーは全員が同じ車両になりました。同じ車両の中にはインド人の人もいました。
個室ではなくて、1つのコンパートメントは4人が定員になっていますが、インドの不思議なところは、4人の定員に対して、6人に乗車券が発売されています。
コンパートメントの床の通路にも寝る人がいて、上の段、下の段、床と上下が3人で、向かい合って6人が1セットになっています。
奥村氏が床で寝たので、今夜は私が通路に寝ることにし、女性の人は上段に位置しました。
この誰がどこに寝るかという割り振りを、ツアーコンダクターの岡本氏はすることはできません。見ているだけです。
ツアーの参加者は、自分達で席のやりくりをやらないといけません。ツアーコンダクター岡本氏は全く頼りにならないという話が飛び交っています。
夜10時10分、帰国に向かって、ベナレス駅を出発します。
ベッドを女性に譲ったので、松葉博雄は通路で寝ました。通路で寝たので、通る人は見えるし、カーテンもついていないので、松葉博雄の寝姿は周りから丸見えです。
岡山の写真同好4人グループは、缶詰などを開いてお酒を飲んでおしゃべりをしています。
私はしっかり寝るためにお酒を飲んで、ウトウトと眠ってしまいました。気をつけないといけないのは、コソ泥です。いつの間にか貴重品を持っていかれることもあるので、パスポートは身に着けて寝ました。