日本と中国 台湾 近視対策の最前線 国策として近視政策 日本は近視対策に遅れている?

投稿No:9855

【報道特集】中国 台湾の近視対策 国策として近視政策 日本は近視対策に遅れている?

先日に引き続き、

TBSの報道特集と言う番組で、

世界的な近視問題、

また中国の政策について放送されました。

最近、近視についての問題を

報道するニュース番組が増えました。

その前にはNHKでも取り上げられていました。

それだけ、近視が問題になってきている

ということです。

中国の近視人口は

6億人を超えるといいます。

高校生の近視率は8割を超え、

やはり近視の若年化が顕著です。

視覚障害による経済的損失が、

GDPのおよそ1~2%という

研究機関の試算が出ています。

この経済的損失というのは

強度近視は緑内障などの合併症を

引き起こす原因にもなり、

近年は30代くらいの若い人にも

緑内障が出てきています。

若いうちから緑内障を発症して失明すると、

50代60代のまだ元気に働ける人も

生活がままならなくなってしまうのです。

中国ではこの危機的状況に、

習近平国家主席が2018年、

近視対策のプロジェクトを立ち上げ

「近視は国家と民族の未来の大問題」と宣言。

2030年までに、高校生の近視率を

70%以下に抑制する目標を掲げました。

北京のメガネ城

国策として近視政策を強力に

推し進めているのは中国です。

若者の近視を予防するため

中国では近年、

近視ビジネスが急拡大しています。

北京にはメガネ城という施設があります。

同じビルに100以上のメガネ店が

ひしめき合っているのです。

その中にはコンタクトレンズやメガネなどの

視力矯正だけでなく、

視力回復のための健康機器というものも

販売されています。

民間企業でも、

視力矯正のクリニックが出来ていて、

中国では、様々な近視対策が進められています。

その対策とは、レッドライトによる治療や、

低濃度アトロピン点眼薬などが

挙げられます。

レッドライトは最新の治療法で

機器に目を当て、赤色の光を1日2回、

3分間目に照射するだけで、

網膜を包む脈絡膜という血管が拡張し、

網膜を前方に押すことで

眼球の伸びを抑える効果が期待できます。

低濃度アトロピン点眼薬による治療は、

毎日、1回点眼することで、

眼球が伸びることを抑えます。

日本では未認証ですが、来年2025年には

国内で承認された点眼薬が出る予定です。

身近に使えるようになるまで、

今しばらくかかりますが、

治療の選択肢の一つとして期待できます。

中国政府の近視対策は

病院・学校・家庭にも及んでいます。

子供は、3歳になるまでに

先天性の眼の病気がないか検査し、

それ以降も目の健康データを

記録しているといいます。

近視は、単にメガネをかければいい、

手術をすればいいと思ってはいけないのです。

日本は近視対策では、

中国に遅れを取っているといえます。

中国政府は学校に対して、

1日2時間以上の屋外活動を

確保するようにと通達しました。

この屋外活動を1日2時間以上

という政策は台湾が先んじて導入し、

各国の近視政策に

大きな影響をあたえました。

その甲斐あってか、

台湾の小学生の近視率は

2011年約50%から、

2015年には約46%に改善。

さらに週2時間半以上の屋外運動を

法制化しています。

さらに中国政府は、

ハード面(器具など)にも

巨額の予算を投入しています。

武漢市では、姿勢の矯正のため、

机にバーが付いたものを導入しています。

小さいうちは筋力も発達段階で、

どうしても前屈みになってしまうため、

目と手元が近づくのを防いでいます。

また、陝西省の学校では

視力専用の教室を設けています。

視力を改善する機器を導入し、

目の悪い子供は、視力を保つために

休み時間にその機器を通して

視力を保つ訓練を受けているといいます。

眼科医の窪田良先生は

日本の近視対策に危機感を抱いており、

子供達を対象とした、

啓発活動に一番力を入れています。

そんな窪田さんは、緑内障の原因遺伝子

「ミオシリン」を世界で初めて発見した張本人で、

NASAと医療機器の開発にも

取り組んでこられたといいます。

窪田医師は

台湾の成功事例から、1日2時間は

1000ルクス以上の光の下で過ごすことを

推奨しています。

部屋の中で照度計を使うと

370ルクスしかありません。

屋外は日陰でも4200ルクスを超え、

直射日光、屋上など、

まわりに遮るものがない場所は

3万ルクスを超えてもっと高くなります。

外は、室内とは比べ物にならないくらい明るいのです。

近視は遺伝的な要因だけでなく、環境要因が影響する

幼少期からの取り組みで

運命は変えられると窪田医師はいいます。

近視が出てくる過程は

その前の5、6年間で、

どういう生活をしていたかという

結果が近視なのだといいます。

たった2時間外で遠くを見ているだけで、

起きている時間の

12時間近くを見る状態が

打ち消されるくらい、

外で遠くを見ることは

目に良いのだといいます。

日本でも、

国を挙げて近視対策に取り組むべき状況です。

予防が一番大事なのです。

子供の近視 関連記事 アーカイブ