日本国政府が国債を大量発行し続けたらどうなるか? 財政破綻 国債大暴落
投稿No:9192
このまま行けば日本の財政破綻は避けられない 小幡 績 :慶應義塾大学大学院准教授 東洋経済オンライン 2021.11/27(土)
このまま行けば日本の財政破綻は避けられない
東洋経済オンラインで
慶應義塾大学大学院の
小幡 績准教授の投稿記事を読みました。
内容は、私もこれまで記事に書いたことがあるので、同感です。
いつまでもあると思うな 親と国債引き受け
毎年新しく借り入れる額が増えていく政府。
貸しても返ってこない、と考えるのが普通で、
そのうち、誰も貸さなくなります。
政府が借金をしたいと、
新しく国債を発行しても、
それを買う人がいなくなるのです。
市中銀行も投資家も金はあるが、買わないのです。
日本銀行が直接買うこと、直接引き受けは、法律で禁止されています。
2016年の国債残高は1053兆円に膨らんでいます。
そのうち日本銀行が買い取った国債は、
たまりに溜まって450兆円弱です。
日本政府が2018年に発行した国債発行高は、
新発債でも、34兆円です。
これに借り換え債が42.4兆円で、
合計76.4兆円が発行されています。
この結果2018年3月末では、
日銀が保有する国債は、448.3兆円です。
これがどれだけ巨額な国債であるかといえば、
外国と比較してみると分かります。
日本政府が借金をするために新たに発行する国債です。
民間金融機関に買わせて、
それを日本銀行が市場で買うのです。
これは、現在すでに行われていることです。
民間金融機関から見れば、いわゆる「日銀トレード」で、
日銀が確実に買ってくれるから、
政府から新規に発行された国債を引き受け、
それに利ざやを乗せて、
無限に市場経由で、
日銀に引き受けさせることはできないのです。
それでも、政府が国債を発行し続けたらどうなるか。
民間金融機関は、これを引き受けるのを躊躇し、
少なくとも一時的には中止するでしょう。
このとき、政府がどうするかが問題になります。
多分、民間金融機関は日銀に売りつけそうです。
政府の選択肢は2つ どちらも困難
金融機関を経由した 日本銀行の国債引き受け「日銀トレード」 なぜ止められないのか
これは、私の私見ですが、
今、安倍晋三内閣総理大臣は、
まるで打ち出の小槌を持っているように、
どんどん財源を作っています。
しかしその財源は、世界中の、また日本中の金融専門家であれば、
だれでも否定する絶対やってはいけない禁じ手です。
金融関係者なら、誰でも知っている、してはいけないことです、
その方法とは、国債の中央銀行引き受けです。
形式的には直接引き受けではありませんが、
実質的には、金融機関が仲介して、
日本銀行が買い取るという間接的な国債引き受けです。
でも、ほとんど直接的です。
日本政府が借金をするために新たに発行する国債です。
これを日本銀行が直接買うこと、
直接引き受けは、法律で禁止されています。
そこで、これを回避する方法が日銀トレードと言う手法です。
民間金融機関に買わせて、それを日本銀行が市場で買うのです。
これは、現在すでに行われている手法です。
国債発行ができなくなったら
1つは、危機をようやく認識し、
国債発行を減らすことを決意し、
遅まきながら財政再建に取り組む 選択です。
これまでの内閣は、実行できていません。
もう一つの選択肢は危険な選択肢です。
日銀に直接引き受けをさせるように、法律改正をすることです。
直接引き受けの話が出れば「日本は秒殺」されるでしょう。
日銀、国債直接引き受けへ、という報道が出た瞬間、
世界中のトレーダーが日本売りを仕掛け、
世界中の投資家もそれに追随して
投げ売りをすると予想されます。
まず、円が大暴落し、その結果、円建ての国債も投げ売りされ、
円建ての日本株も投げ売られる。
混乱が収まった後には、
株だけは少し買い戻されるでしょうが、当初は大暴落します。
為替主導の、円安、債券安、株安のトリプル安であり、
生易しいトリプル安ではありません、
1998年の金融危機ですら比較にならないぐらいの大暴落です。
為替取引も債券取引も株式取引もまったく成り立たなくなります。
金融市場は全面取引停止に追い込まれるからです。
しかし、これまでの政府の財政再建の取り組みからして、
この道はとらない可能性が高い。
これを収めるには、日銀直接引き受けなど絶対にありえない、
現実にはタブーを犯した政府と
中央銀行は国際金融市場に打ちのめされるため、
結局、禁じ手はやはり禁じ手のままとなります。
新しい国債が発行できなければ、借り換えもできない。
現在、日本政府は、
毎年借り換えも含めて国債を170兆円以上新規発行しており、
今後は200兆円を超えてくると思われるので、
現金化できる国の資産をすべて売り払っても1年しか持ちません。
日本がこれまで破綻しなかったのは、
政府に金を貸してくれる人がいたからで、
いまやそれが日銀しかいなくなりつつあるのです。
破綻危機が近づいても、
金利が上昇しない(国債価格が下落しない)という
個人の金融資産は銀行に預けられ、
地域金融機関やあるいは半公的な金融機関、
ゆうちょ銀行などに預けられている多くの部分は
国債になっているから、返ってこないことになります。
長期にわたり、インフレ分は目減りするし、
何より、すでに老後を迎えている
多くの国民は貯金が今必要なのに使えなくなってしまうのです。
そのときの日本国民が2000兆円負担することになるのです。
政府の借金の大きさは致命的に重要なのです。
ほぼ国内から借金をしていることは、
日本政府の財政破綻リスクにおいて、
もっとも致命的なリスクなのです。
市場の警告機能がマヒしているのです。
だから、日本政府の破綻は突然起こるのです。
それなら、自分のことは、自分で守るしかありません。