東条温泉とどろき荘
2004年11月初旬、中国縦貫道路の東条ICを下車し「東条温泉とどろき荘」を訪れました。前には東条川が流れ、堤防には桜の並木が続き、さぞお花見時には素晴らしい桜が期待できそうです。
入り口には「加東郡合併協議会会場」の立て看板が目をひきました。 いずこの自治体も合併問題に取り組んでいます。
根底には地方財政の赤字問題があるのではないかと感じました。
東条温泉は数百年前より、前に流れる東条川河岸一帯から湧き出て、昔、足利氏の戦いの際キズと病を癒した温泉であると伝えられています。
とどろき荘は社会福祉センターの経営ということなので、地元のお年寄りの方をその中心顧客においているように見えました。
受付ではスタンプラリーカードを配布しています。自治体の経営する公共施設においても、従来型の箱ものを作り、あとは施設管理だけで終わる経営では財政負担をかける結果になりかねません。
やはり顧客創りをしなければその施設の存在する意義が危うくなってきます。そこで地域が連合し、共通の基本理念の下に統合した考え方で顧客の創造と継続を画策していると思いました。(参考:「源泉浪漫街道」)館内にも顧客からのアンケートを求める「意見箱」が設置されています。
お客様の声としてどのようなサービスを求めているのかをアンケートしているようでした。
とどろき温泉の良いところは、温泉に何度も入浴できることです。 最初入場券を渡した時に手のひらに発光インクでスタンプを押します。これをブラックライトの下で見ると掌のスタンプが輝いて支払い済であることがわかる仕掛けになっています。 問題なのは温泉のあとのくつろぐ場所です。ここのところを工夫しなければ顧客は集まりません。
ただ広間があるだけではくつろぐムードがありません。景色、美味しい料理とアルコールなどの飲料、談話、仮眠、清潔な環境などがあれば半日くつろぐことが出来ます。アンケートでこのような要望が出たとしても、採算性からみるとリスクのある投資となります。そうなってくると福祉協議会が税金の補助を受けながら、低いリスクで行うこととは異なり、ややリスクのある事業となります。
一方、公共の福祉協議会が民間を圧迫するような結果となる地域住民へのサービスを税金を使って活発に行えば民営圧迫となります。ここに二つの矛盾する問題があると考えました。
さて、温泉ですが源泉を使っている湯舟はひとつで、塩分を含んだ温泉水でした。その他の打たせ湯、気泡湯、圧注浴、ジャグジー浴などは源泉ではない水道水を沸かせた湯のようです。せっかく温泉に来たのですから、松葉博雄は源泉湯ばかりにつかっていました。しかしなかなか長くは入れるものではありません。子供の時に100数えたらお風呂から出ても良いと言われ、早口で100まで数えて急いで出ていた頃がありました。
今日は窓から見える青い空を見ながら、ゆっくりと流れる雲を目で追いながらなんとか時間をかせいでみたものの、やはり頭に血が上り、のぼせてしまって出てしまいました。帰る頃、少し日は傾き、東条川に下りてみると先日の台風の余韻で流れる川の水はまだにごりが残り、泥水と清水の間のような白っぽい水の色でした。