わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル 4つの新事実とは? NHKスペシャル

投稿No:8886

NHKスペシャル わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル 超近視の新たな4つの新事実とは? 

わたしたちの“目”が危ない 超近視時代の新事実

先日、NHKで大変興味深い番組を見ました。

NHKスペシャル わたしたちの“目”が危ない 超近視時代サバイバル です。

1時間弱の番組でしたが、非常に反響があったようで、

株式市場が反応するほどでした。

<きょうの材料と有力銘柄>「隠れ近視」急増の調査結果―眼鏡やコンタクト、バイオなどに関連株 株式新聞

 スマートフォンの利用拡大や新型コロナウイルスの流行を受けたオンライン授業の導入を背景に、子どもの「隠れ近視」が増えているとNHKが伝えた。同局が専門家と京都市の小学校で行った実態調査によれば、「眼軸(角膜から網膜までの眼球の奥行き)」が延びていることで近視と判定された児童の割合が、通常の視力検査の場合の2倍超に達したという。

 関連銘柄は眼鏡のジンズHD<3046.T>、三城HD<7455.T>、ビジョナリH<9263.T>、愛眼<9854.T>や、コンタクトレンズのシード<7743.T>、メニコン<7780.T>、シンシア<7782.T>。時価総額が小さいのはシンシア、愛眼など。このほか、目薬の参天薬<4536.T>、眼科領域のバイオベンチャーの窪田製薬<4596.T>も浮上する。

[ 株式新聞速報ニュース ]提供:モーニングスター社

 

コロナ禍の影響が大きいもののひとつに、

加速度的に近視が進んでいることが挙げられます。

特に近視になる子どもの割合が増えています。

わたしたちの“目”が危ない 眼軸近視の原因 スマートフォン IT機器の普及

私たちの目がかつてないほどの危機に陥っています。

今やスマートフォンの世帯保有率は8割を超え、

1人に1台というのが当たり前になってきました。

こうしたIT機器の普及も、近視の増加に拍車をかけています。

このままいくと、30年後には今の倍ほどの約50憶人が

近視になる可能性も示唆されています。

わたしたちの“目”が危ない 外出自粛で 眼軸近視の原因 長時間のゲーム・スマホ・テレビ・漫画

子どもたちの近視が深刻化しています。

昨年から続くコロナの影響で外出自粛が続き、

緊急事態宣言の出ている都府県もあり、

子どもたちの学校もその対応に追われています。

休校や外出自粛で外に出られなくなった子どもたちは、

必然的に家の中の限られた空間で過ごすことになります。

そうすると、当然娯楽も限られてくるため、

ゲーム・スマホ・テレビを見たり、

漫画を読んだりする30cm以内の距離を見る時間が飛躍的に増えました。

また、休校中は自宅で自習というスタイルになり、

やはり机に向かって近くを見続ける時間が多くなります。

学校のように時間割で時間が区切られていないため、集中するあまり、

長時間同じ姿勢で勉強する子どもたちもいるでしょう。

こうしたことから、現在、家で過ごす時間のうち4割以上もの時間を

近業に費やしているような子どももいます。

このため、近視が急激なスピードで進んでしまう子が出てきています。

このような生活スタイルの激変により、

『超近視時代』がやって来ていると、専門家が警鐘を鳴らしています。

では、『超近視時代』とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

わたしたちの“目”が危ない 超近視時代 4つの新事実

NHKスペシャルに出演の先生は、東京医科歯科大学教授の大野京子先生と、

日本眼光学学会理事の梶田雅義先生です。

出演 :大野京子東京医科歯科大学教授 梶田雅義 日本眼光学学会理事  

①”眼軸近視”の脅威

②近視を悪化させるメガネ?!

③近視は万病の元?!

④世界が認める最新対策

『超近視時代』の新事実 ”眼軸近視”の脅威

近年、大人になっても近視が進行するという報告が相次いでいます。

近視進行の原因は、眼軸の伸びにあるようです。

”眼軸”とは、眼球を横から見て

眼の角膜の頂点から網膜までの距離のことを言い、

その長さを「眼軸長」と言います。

この距離は、大人の平均で23~24mmです。

一般的には20~25歳までに成長が終わり、24mm前後で止まります。

眼軸が伸びると、網膜の手前でピントが合ってしまうため、

遠くが見づらくなります。

この状態を「軸性近視」と呼びます。

近視の種類は4つあり、

「屈折性近視」「仮性近視」「軸性近視」「病的近視」に分けられます。

近視の多くはこの”軸性近視”です。

この”軸性近視”が特に増えていますが、

ただ単に網膜の手前でピントが合ってしまうだけでなく、

眼軸長が伸びることでピントが合わなくなる軸性近視が急増しています。

眼軸長が長くなると、

本来丸いはずの眼球がラグビーボールのように引き延ばされてしまいます。

これにより網膜や視神経などに負担がかかり、

目の異常を引き起こしてしまうことがあります。

眼軸長が伸びることが原因 ”眼軸近視”

眼軸長が伸びる原因として、

子どもたちの近業の時間が飛躍的に長くなったことがあります。

通常、人間の目は遠くを見るのにはさほど力はかかりませんが、

近くを見るときにはピント調節のために力を入れなければなりません。

眼球は6本の筋肉が付いていますが、ピントを合わせるために

前後に引っ張る筋肉を使い続けることにより、

眼球が引き延ばされて眼軸長が伸びてしまうのです。

伸びてしまった眼軸が元に戻ることはありません。

このコロナ禍で生活環境が変わり、

眼軸長が長くなることによる子どもの軸性近視が急増していることから、

通常の軸性近視と分けて、”眼軸近視”と呼ばれるようになっています。

連続20分以上、1日の合計が2時間以上 眼軸近視のリスク

東京医科歯科大学の大野京子教授によると、子どもの近視の割合は、

眼軸近視を含むと、従来想定されていた割合の2倍にもなるそうです。

子どものうちに眼軸が伸びることを抑えることが、

とても重要であると考えられています。

”眼軸近視”になりうる要因として、

近業時間の長さが関係しているとありましたが、

連続20分以上、1日の合計が2時間以上でそのリスクは大きくなるそうです。

『超近視時代』の新事実 眼軸を伸ばす「過矯正」メガネ?!

しかし、メガネの処方についても

考えを改めなければならない時期に来たようです。

従来は、遠くが良く見える処方にするのが一般的で、

特に子どもさんや若い方であれば、手元の見え方がどうか、

ということはあまり重視されていませんでした。

けれども、スマホやタブレット、ゲームなどの普及による

近業時間の著しい伸びにより、

遠点重視のメガネでは「過矯正」の状態で近くを見続けることになり、

近くにピントを合わせるために眼軸が伸びた状態が続くため、

目に大きな負担がかかってしまいます。

こうしたことが原因で、

通常は20歳~25歳前後で止まるはずの眼軸の成長が止まらず、

伸び続けてしまうといった症例も増えています。

「スマホ老眼」という言葉が生まれるほど、今、若い人の間でも、

小さな画面や近くを見続けて眼を酷使することの弊害が出始めています。

近業重視のライフスタイルで、

遠くが良く見えるように処方されたメガネを掛け続けることは、非常に目が疲れます。

従来の処方では正しい矯正にはなっていないことが多く、

結果的に合わないメガネを掛けていることになるのです。

そのため、目の痛みやかすみ、疲れや乾きを訴える人が増え、

そういった症状の方が掛けているメガネの処方が目に合っていない割合は、

実に80%~90%にもなります。

現代人のライフスタイルは実に様々です。

そのため、どの距離で見ることが一番多いのかを自分で知っておくことや、

遠近両用メガネを使用することで目の負担を軽減することが重要です。

『超近視時代』の新事実 近視は万病の元?! 認知症 緑内障 白内障 うつ

最新研究から、強度近視は白内障や緑内障など、

目の病気のリスクを高めるだけではなく、うつや認知症など、

目と直接関係なさそうな病気とも相関があることも明らかになってきました。

大人の方に出る影響として、特にこのコロナ禍で外出せずに

家で籠っての近業作業時間が増えたこと、

リモートワークによりON・OFFの切替が上手くできなくなるなどが原因で、

目の痛みを訴えたり、うつになったりする人が増えているようです。

また、眼圧が高くなって視神経が傷付くことで発症する緑内障は、

40歳以上の日本人では、20人に1人の割合で発症していることが分かっています。

(参考:日本緑内障学会「多治見スタディ」)

強度近視の人の場合、若年層でも発症が報告されています。

白内障も早い人では40歳代から始まります。

そして、やはり強度近視の人は早くに白内障を発症するリスクが高まります。

人間の脳は、およそ8割の情報を目から得ています。

目が見えにくくなると、脳に送られる情報量も減ってしまい、

頭で考えるということがしにくくなります。

それによって、脳への刺激が減少し、

場合によっては認知症の発症を引き起こすこともあります。

視力の良い人と比べると、強度近視の人の認知症の割合は、

疑わしいものも含めて2.6倍にもなります。

ほかにも、強度近視による眼病発症のリスクはいずれも高いという結果が出ています。

このように、強度近視を放置すればほかの病気を引き起こす可能性が増すという、

思わぬリスクも孕んでいることがわかってきました。

番組では、強度近視の簡易チェックの方法も伝えてくれていました。

裸眼の状態で指紋が見える距離を確認し、目と指の距離が12mm以下の場合は

強度近視が疑われ、注意が必要です。

違和感があったり、気になることがあれば、早い段階で眼科医に相談することが大切です。

『超近視時代』の新事実 世界が認める最新対策 日光を浴びる ”3つの20”

どうやって目を守っていけばいいのか?

明日から「すぐにできる」対策法も示しています。

近視によるさまざまな弊害がわかってきていますが、

同時に、近視の研究もどんどん進んでいます。

オーストラリア国立大学のイアン・モーガン教授によると、

最近の研究で、近視の進み方に強い光の影響があることが明らかになってきました。

ひよこを使った実験では、明るい光を当てて育てたひよこと

当てなかったひよこの眼軸の伸びを比べると、

暗いところで育ったひよこの方が眼軸が伸びてしまうことが分かりました。

また、ひよこの実験から、光に当たると脳からドーパミンが放出されることも

分かりました。

この実験により、ドーパミンが近視の進行を約60%抑えたという研究結果が出ています。

台湾でも、子どもの近視の割合が80%以上と、深刻な状況であったため、

さまざまな対策が講じられました。

↓詳細な記事はコチラ↓

外で遊んで 子どもの近視予防 外で遊ばないと、太陽に当たらないと近視に

教室の中はおよそ300ルクス、窓際の席の辺りが800ルクスですが、

屋外であれば日陰でも1000ルクスの明るさがあります。

台湾では1000ルクスの光、特に日光を1日2時間以上浴びることを目標に指導していますが、

これにより子どもの近視の割合が下がり、効果が認められています。

ほかにも、さまざまな対策があります。

シンガポールで実用化された近視抑制の目薬「アトロピン」の使用、

レーシック手術、そして、最適なメガネを作ることや、

多焦点コンタクトレンズの使用が挙げられます。

アトロピンは副作用が出やすいため、なかなか認可されませんでしたが、

100倍希釈の低濃度アトロピンで近視抑制に効果が出たため、

認可が下りたそうです。

日本でも臨床試験が進行中です。

20分間近業をしたら、20秒間20フィート(約6m)離れた場所を見る

また、”3つの20”として、

「20分間近業をしたら、20秒間20フィート(約6m)離れた場所を見る」ことを

推奨しています。

この意識付けが、近業時間を減らすのに役に立つそうです。

大野京子教授によると、

この”3つの20”を日常的に意識する子どもとそうでない子どもでは、

近視の進行にも差が出てくるということです。

わたしたちの“目”が危ない メガネやコンタクトレンズについては 眼科専門医の診察を受ける

特に40歳代以上の方は、多焦点コンタクトレンズや遠近両用メガネの装用も

近業の負担を減らすのにお勧めです。

また、問題になっている眼軸の異常や伸びについては、

検査や診察は医療行為に当たるため、通常のメガネ店ではできません。

眼科専門医の診断が必要になります。

眼科専門医の診断の下、

自分のライフスタイルに合わせてきっちり調整された度数のメガネ、

特に遠近両用メガネを掛けることや、遠近両用コンタクトレンズの装用をすることで、

目の負担を軽減することができます。

さんプラザコンタクトレンズは眼科併設で、眼科医の診断・指導の下、

患者様やお客様に最適な度数のメガネやコンタクトレンズを

ご提供することができることが大きな強みとなっています。

松葉眼科では、その方のご希望や目の状態に合わせて、

オルソケラトロジーや低濃度アトロピン治療も行っております。

目が痛い、乾く、近くを見るのがしんどい、といった症状のある方は、

是非先延ばしにせずに一度受診されることをお勧めします。

2021年1月24日(日)