講義の始まる前と、終わった後で

講義が始まる前にあったことと、講義が終わった後のお話です。講義が始まる前に「松葉さん、私はこんな本を書きました」と1冊の本をある方がくださいました。

自分が歩んできた人生を書いている自分史というものでしょうか。タイトルは「逆境に勝る師なし」ということです。副題として「起業の成功法則」と書いています。

いろんな方がおられるようですが、一概に言えば、皆さんとても向学心が強く、あれやこれやの好奇心も旺盛のように思います。「やってみないとわからない。やったことしか残らない」と木村さんは言います。

その通りだと思います。この本をいただいた後、時間を作り、夜、ベッドの中で読んでみました。講義の後は、友人と夜の難波の辺りを歩いてみました。この辺は、これまでは来ることはありませんでしたので、何があるのか、どんな具合なのか、つい興味が湧いてきました。

食事はまだなので、食事も兼ねてちょっと焼き鳥屋で一杯やりました。初めての店ですが、ちょっと見るだけで、この店はあまりはやっていないことがわかります。

はやっていない理由は簡単に分かります。それは、店主が店の経営にあまり熱心でないからです。古いカレンダー、ずっと昔のポスター、見るだけで店を大切にしていないように見えました。

 

味に少々自慢があったところで、お客様はつきません。店がはやるか、はやらないかはオーナーのお客様のことをどれだけ考えているかが、にじみ出てきます。たとえば、キャベツがご自由にと書いていたので、サービスですねと確認して注文したのにも関わらず、帰るときの勘定にはキャベツが200円入っていました。ひどいなと思いました。

最初入った理由は、入口のところに「1000円セット」として、串5本と生ビール1杯で1000円となっていました。それに400円のチューハイを1杯と、600円の鳥丼をいただいて、お勘定は2000円と思っていたら、キャベツの200円が加わって、2200円でした。きっとこれでは、店の信用はなくなると思いました。一緒に行った友人も同じ目にあっていました。出るときに、あれ?という顔を2人で見合わせて出てきました。

友人と別れ、一人で探検してみました。歩いてみるとラーメン屋がありました。180円です。安いですねー。ラーメンが180円なんて、三宮にあるかなぁと思いました。それから温泉がありました。

こんなところに温泉がと思って近づいて詳しく見てみると、なんと電気風呂までがありました。電気風呂は、微弱な電流を流し、筋肉を刺激し、疲れを取ることが目的とは思いますが、何か電気椅子を連想してしまいます。

次に歩いていると、煌々と光り輝いているカットハウスがありました。お店は既に閉店していましたが、女性スタッフを中心としたメンバーが通りに面した待合部分のソファーにかけて、ミーティングの真っ最中でした。

時計を見れば、既に10時半近くです。こんなに遅くなってミーティングをやるのには感心しました。大阪は、神戸と比べると生きていくための生存競争の激しさを感じます。どことなく歩き方も早く、食事の食べ方も早く感じます。

お店はたくさんあっても、全てのお店がはやっているようには見えませんでした。何軒もの夜間営業の飲食店の前を通りましたが、オーナーが新聞を広げて見ていたり、テレビを頬杖をついて見ているママさんも外から見えました。しかし、彼らは店を閉めないで、いくらかのチャンスを逃さないように夜遅くまで頑張っている姿勢に驚きました。

2005年4月22日(金)