沖縄恩納村のペンション経営の仕事 第82回沖縄訪問(11)
沖縄の旅先で、心の病んだ人の話を聞くことも、ペンション経営者の仕事のひとつのようです。松葉博雄も一緒に聞きたい人生相談のようです。
【沖縄県恩納村前兼久の年末・お正月の過ごし方 その11】
冨着勝弘さん、絹子さんが玄関先まで送ってくれて、これからまた、前兼久に歩いて帰ります。国道58号線に沿って歩くと、恩納村は、リゾート地帯だということが、並んでいるお店を見るだけで分かります。
並んでいるお店は、観光客相手のお店が多く、土地の人が使うお店は58号線よりも、内側にあります。
あちらこちらのお家の明かりを見ながら、この家は誰のお家とか、ここは誰々の親戚のお家」と、分かるようになってきました。かなり、前兼久通です。
すぐに、ムーンビーチホテルの辺りに戻ってきました。もう一度、朝日会のテントに行こうかと考えたのもの、もうそろそろ飲みきれないので、ムーンビーチホテルの前のペンション「ムーンビラ」に立ち寄りました。
ペンション「ムーンビラ」では、玉城常司さんと、新年のご挨拶を交換しました。
ペンションのお客様のために、ロビーには、ムーンビーチホテルで作ってもらった、お節料理が重箱に入って並べられていて、ペンションに泊まったお客様であれば、自由にいただいて良いとのことです。
民宿なので、この辺が家庭的なサービスだと思いました。
松葉博雄は、もうお腹がいっぱいなので、せっかくの美味しそうな重箱に手が出ません。
勧められた気持ちだけ、お料理の代わりにコーヒーをいただくことにしました。
玉城常司さんのペンションの経営についてお話をお伺いしました。ペンションを満室にするには、旅行雑誌に広告をしないとお客さんが来ません。
広告代は高いし、インターネットでの広告をしなければ、お客さんは人伝えで、紹介されて来るほど、まだ既存顧客が少なくて、結局、新規顧客を追い駆けるためには、たいそう経費が掛かるという、新規開業に付き物の、苦しいお話を聞きました。
その中で、民宿に来るお客様は、ペンションの親父さんと、会話をしたがっている、あるいは、悩みを話したがっていることを聞きました。
お客様と何気ない世間話が一段落し、さらに話していると、1~2時間もすれば、お客様の方から、ふと身内や自分の悩みについて、話が出てくるそうです。
どうやら、誰かに聞いてもらいたくて、その相手を探す旅でもあるようです。悩みを解決してほしいと思っているのではありません。
心の中に、溜まったまるで胸を膨らませるガスのような、容積の大きな重石を取って欲しいのです。
それを、自分の口から、自分の言葉で、少しずつ、心の中のガス抜きをしているようです。
だから、本気で答えるほどではないのです。知らない人の誰かにとにかく聞いて欲しいのです。
逆に、知っている人だと言いにくくて困るのです。話が広がってしまうとか、反論されるとか、お説教されると困るのです。
そういうような話をしていると、自分がこの人の人生に影響を与えてはいけないと思って、つい慎重な答えをするようになってきます。
ペンションは、悩みの相談室でもあることが分かりました。
2007年1月1日(月)