沖縄の伊平屋島(いへやじま) 名もなき海岸で モンガラカワハギに遭遇 伊平屋島訪問記(13)
チョウチョウウオは仲良くペアで行動しています。第138回沖縄訪問(16)
水中カメラを持って潜ります。片山正喜さんの後を追いかけて、報道の記録係です。
海に入る場合、ウェットスーツを着ていると、浮力が付きます。
浮き輪を付けて泳ぐようなものです。
浮力があると、水面から深く潜って行く為には、浮力が抵抗して、深く潜ることは難しくなります。
そこで浮力を相殺するために、鉛のベルトを腰に巻きます。
1個が2キロの鉛を3つか4つ、腰に付けると、潜るときは楽になります。
片山正喜さんも、松葉博雄も、今回は鉛を付けていません。
最初は浅い所から、徐々に沖の深いところへ目指して、犬かきのように、這うように進んで行きます。
珊瑚礁の切れ目の所に来ると、そこから沖の新しい海流が、やや冷たい水温の海流を入り江に運んで来ます。
ウェットスーツを着ていても、冷たい海水が背中を走るのを感じます。
いきなり水深15m程の深い岩場にやってきました。ここの辺りから、海水魚らしい美しい魚が見えます。大きな魚は、岩の奥や、岩の裂け目に潜んでいます。その点、チョウチョウウオは、隠れることなく、ペアで泳いでいることがあります。
カスミチョウチョウウオの群れを見つけました。
カスミチョウチョウウオは自然界で泳いでいる時は、頭部が黒褐色なのに、水槽では明るい黄色になります。
これも不思議です。
カスミチョウチョウウオは、珊瑚礁に付いた何かをついばんでいます。
熱帯海水魚を水槽で飼ってみると、珊瑚礁に付いた、小さな餌の代わりになるものが無くて、餌に馴染まず、何
も食べなくて衰弱してしまうことがあります。
何でも食べる海水魚は飼いやすく、食べ物にこだわる海水魚は飼いにくいのです。
人間の場合でも、オリンピックの選手村には、各国の食文化に合わせて、多くのメニューが用意されているそう
ですが、選択できるメニューが無ければ困ります。
これから潮が満ちてくる頃で、波の勢いは、段々と波高くなってきました。
片山正喜さんは、岩の裏側に隠れたサザエを探しています。
松葉博雄も、片山正喜さんを追いかけて潜ります。
都会の街で、偶然、美しいファッションに身を包んだ、素晴らしい美人に出会った時のように、美人に目は釘付けになります。
目の前に現れたのは、モンガラカワハギです。
モンガラカワハギに出会うと、その美しさにハッとします。
モンガラカワハギを脅かさないように、見てない素振りをして、目で追って、一瞬の出会いの喜びを噛みしめます。
モンガラカワハギは、松葉博雄のことに気がついたように、不審そうな目で、「私に何か御用ですか?」と、尋
ねるように、方向を変えて、face to faceで、身構えています。
見ているだけでいいのですが、さすがに不審者と思われ、警戒されてしまいました。
フウライチョウチョウウオのカップルが海の底の砂地か珊瑚礁か、ポリープを突ついています。
一般にチョウチョウウオはペアで行動していることが多く、どこで相手を見つけてくるのでしょうか。
ひょっとすると、どこかに出会いの場所があるのでしょうか。不思議に思います。
一瞬見えた、50cm級の大きな魚の群れは、警戒してどこかに行ってしまい、見えている魚は小さな魚ばっかりです。
満ち潮の流れの力は益々強く、下を向いて、魚を見ている姿勢を変えてしまいます
。2m近い高い波が、突然勢いよくやってきて、松葉博雄の体を、陸地の方へ押し寄せていきます。
珊瑚礁のリーフの切れ目にいたので、海流の通り道のようです。
ひと波で、20m位は押されてしまいます。こうなると、波には逆らえません。
先ほどとは違って、やや浅い所で、周りの魚を見る事にします。
浅瀬には、地上から照り輝く太陽が、波に波紋を作り、波紋は海底の砂に模様が映っています。
浅い所にも魚がいるようで、時々魚の大群が目の前を横切っていくことがあります。
沖の方を見ると、片山正喜さんも波に押し戻されて、陸地の方に戻って来ています。
どうやら二人とも、シュノーケリングをする場所を、選び損ねたようです。
浅瀬は、太陽の熱を貯めて、温水のようになっています。
まるで海中温泉です。砂地の海中温泉に、暫く浸かって、温泉気分を味わうことにしました。
こんな、海中温泉に浸かったことを思い出します。あれは、鳩間島です。
満ち潮の波が高いので、場所を変えることにします。ヤヘ岩の方向へ行ってみます。
2012年7月14日(土)