沖縄_年始 第178回沖縄訪問(9) 恩納村前兼久の年始 戸主が家を代表して、鎮守の神、水、海の神、久高島の祖先に感謝の礼拝

投稿No:9617

恩納村前兼久の年始 戸主が家を代表して、鎮守の神、水、海の神、  第178回沖縄訪問(9)久高島の祖先に感謝の礼拝 

2023年になりました。

お正月のおめでたい日に相応しく、

綺麗な青空で、

海もとても綺麗に見えます。

とても気持ちのいい朝です。

年末の沖縄は、曇りの日が多かったので

やっと青い空を見ることができました。

元日の今日は伝統の、

鎮守へのお詣りが行われます。

鎮守の神

前兼久の鎮守の神社に、

皆さんがお参りに集まっています。

ここに参加すれば、

前兼久のほとんどの顔見知りの方々と

ご挨拶ができます。

年始会 

前兼久の恒例の行事なので、

みなさんが前兼久の鎮守へお詣りに行ってきました。

世帯主である戸主が家を代表して、

村や字の集まりに出席します。

前兼久の鎮守に戸主の皆さんたちが集まりました。

前兼久の集落では、戸主達が

お詣りに行く風習が守られていて、

海の神様、水の神様、久高島のご先祖様に、礼拝します。

松葉博雄は前兼久に住民票はありませんが、

前兼久の皆さんから住民として受け入れられているので、

毎年お詣りに参加しています。

狭い神社にたくさんの参拝者

世帯主である戸主が家を代表して、

村や字の集まりに出席します。

戸主は原則男子ですが、男子がいない家では

成人女性が家を代表して出席します。

一家を代表して、その家の一年間の

無病息災をご先祖様やよろずの神様にお祈りします。

沖縄のお正月では

村や字の結束が強いので、

色々な行事は、村単位や字単位で行われます。

沖縄には、市町村の下に、各地区にがあります。

お正月のお詣りは、字の守り神をまつる鎮守の社です。

沖縄の自然崇拝の伝統は、いまも続いています。

村や字には、海に、山に、井戸に何か所も拝所があります。

普段から拝所を清掃し、清潔に保っています。

まだ、水道がなかった時代では、

この井戸の水で、産湯に浸かり

この川の水が生活の飲料水、生活水でした。

だから、今でも感謝の気持ちを伝えています。

祭司役は字の区長で、

区長さんが、一同を代表して、

鎮守の神様に字の安寧を祈ります。

金城正則さんが区長なので、

皆さんを代表して、神様に感謝の祭祀役をしています。

昔はここの水をつかって、

前兼久の集落の水が供給されていたそうです。

区長さんがお願いをしている間、

一家の代表として集まっている皆さんは、

しゃがんで頭を下げて、一緒になって祈念しています。

区長は行政機関に属する公職です。

区長を選ぶ選挙権は戸主だけにあります。

選ばれた区長は、字を代表して

恩納村へ意見を述べることができます。

任期は3年で、3年ごとに選挙が行われています。

鎮守の神への祈りを終えると、

次は生活をするのに絶対必要な”水の神様”、

海の漁の安全と大漁をお願いする”海の神様”、

そして、遠く久高島(くだかじま)の方向に向かって、

久高島から前兼久まで流れてきた、

ご先祖様への祈りを、”山の神様”にお祈りをします。

恩納村前兼久 お供えのお米を戸主へ

再び鎮守に戻ると、

神様にお供えしたお米をお下がりとして、

皆さん家に持ち帰ります。

このお米を家に持ち帰り、

家で炊くお米に混ぜて頂くと、

家内安全につながるという言い伝えがあります。

前兼久村の伝統行事を見ていると、

沖縄には、まだまだ地元ならではの血縁関係が強く残り、

ご先祖様や年長者を大切にする

儒教思想が残っていることを感じました。

この鎮守での参拝は、年始の交歓会も兼ねています。

沖縄 年始 関連記事 アーカイブ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください