近江八幡水郷めぐり 船頭さんが櫓を漕いで お弁当を食べながら「日本一遅い乗り物の旅」
近江八幡水郷めぐり 船頭さんが櫓を漕いで お弁当を食べながら「日本一遅い乗り物の旅」を楽しみました。船頭さんが、櫓を漕いでいる船に乗って、お弁当を食べるなんて普段はありえない事です。 日帰りツアー【近江八幡(8)】
近江八幡水郷めぐり
ありえない、ありえない事です。
船頭さんが、和船の船の櫓を漕いでいる船に乗って、
お弁当を食べるなんてありえない事です。
「近江八幡水郷めぐり」を2010年5月14日(金)にしました。
豊年橋から船に乗って、始まります。
迷路のような葦の群生地を、
古風な手こぎ船でゆっくりと進んで行きます。
「水郷めぐり」は、今から400年前に、
豊臣秀吉が宮中の舟遊びに似せて、舟中で句を詠み、
茶会を催したことに始まったと言われています。
舟に揺られながら、遠くの景色を眺めていると、
豊臣秀次がこの地を居城として選んだのも分かります。
ここは、琵琶湖八景のひとつに数えられる景勝地です。
舟が進んで行くと、葦の陰から野鳥が鳴いているのが聞こえてきます。
水郷地帯の美しい景色を作る葦は、水を浄化する機能があります。
浄化された水は、鳥や魚たちだけでなく、
人間にとっても大切な命の水となっています。
舟はモーターではなく、自然保護のため、船頭さんの手こぎです。
モーターを使わないのは、
近江八幡和船観光協同組合のこだわりです。
狭い水路を抜けて湖沼に出ると、
今までとは違った景色が広がります。
目の前には、八幡山や安土山がそびえています。
誰しも詩人にしてしまいそうな、そんな素晴らしい景色です。
朝、安土城に上り、安土城からこの水郷地帯を
上からの目線で見てきました。
今は船に乗って、下からの目線で安土城を見ています。
「水郷めぐり」は、「日本一遅い乗り物の旅」と言われています。
葦といえば、パスカルです。
パスカルは、「人間は考える葦である」と言いました。
パスカルは、
「人間は、一本の葦に過ぎない、
しかし、それは考える葦である」
と表現しています。
真理と正義を渇望しながら、実現できず、
平安を求めながら、倦怠には耐えきれず、
社交や賭博、出世競争や戦争といった
「気晴らし」に身をやつしています。
琵琶湖に続く湖沼で、手こぎの和船に乗り、
通り過ぎていく湖水に伸びる葦の群生を見ながら、
何か有意義なことをしたいなと思いながら、
関白秀次が興じた船遊びで
「気晴らし」を楽しんでいる松葉博雄も、
考える弱い葦でしょうか?
「豊年橋」を発着する元祖「近江八幡水郷めぐり」は、
司馬遼太郎作の「街道をゆく」にも登場しています。
予想通り、5月といっても、近江八幡の5月は、
風が冷たい、北国のような肌寒さがありました。
近江八幡への近隣ツアーは終わりです。