「ひょうご講座」で、兵庫県立大学経営学部教授の安室憲一先生が「林住期のヒトビト・人生の黄金時代を楽しむ法」の講座を始めました
神戸元町の兵庫県庁南側の兵庫県民会館で開催された、「ひょうご講座」に行ってきました。
「ひょうご講座」とは、兵庫県内の4年制大学 と連携して、さまざまな分野において、大学教育レベルの講座を広く提供し、県民の生涯学習をさらに充実させるために役立つことを目的とした講座です。
お勤めの方、ご年配の方や主婦の方にとっては、これまでに得た知識をリフレッシュする機会となり、学生の方にとっては、他大学の講義を聴くことが可能となります。
いろいろな科目があり、その中で、兵庫県立大学経営学部教授の安室憲一先生が「林住期のヒトビト・人生の黄金時代を楽しむ法」という科目を担当されています。
8月までの全11回のコースですが、今日の初回の講義は、「“林住期のヒトビト”シリーズの目的と構成」というテーマで、安室憲一先生がお話されました。
これから、ベビーブーム世代の人々が大量に退職を迎えますが、慌ただしく働いてきた人達は、必ずしも退職後の人生設計が出来ているとは限りません。
そこで、その人たちに、「人生のモデル」を提示する必要があると考えて、「人生の先輩」の方々による体験談を話す、「林住期のヒトビト・人生の黄金時代を楽しむ法」という科目が作られました。
「林住期」という言葉は、五木寛之氏の著書で有名になりましたが、この最も充実した時期をどのように過ごすかで、「第二の人生」の充足感や幸福度が異なってきます。
「林住期」の計画は、60歳からでは遅く、できるだけ早い時期から準備をしていくことが大切です。
日本は、世界に先駆けて、長寿国になりました。長く生きることが、ハッピーであるとすれば、日本は、世界一ハッピーな国になりました。
それはそれで、次の問題があります。現役時代を「家住期」と考えると、いったん現役を退き、80歳、90歳を迎えるまで、20年も30年もどのように過ごすかという、新しい課題に向かわなければなりません。
それは、日本が、初めて世界に先駆けて、進む道なので、日本のこれから「林住期」を過ごす人達のライフスタイルは、世界の模範となりうる、競争力にもなり得る大切な国家的な問題でもあります。
このように、単に「年をとったらどうしよう?」という問題から、国家的プロジェクトへの取り組みと考えると、話は大きくなります。
現実は、これまで社会を支えてきた、家族を支えてきた、企業を支えてきた、猛烈社員の時代の人達が、急に林住期に入って、何をしたらいいのか?手探りの状態です。
そこで、本講座では、事例として、何人もの講師をケーススタディとし、自分自身に応用できることがあれば、その参考になるように、講師が選ばれています。
林住期の発想自体は、インドの古代からの考え方で、日本では、江戸時代に家督を子供に譲り、隠居をし、余生を楽しもうという考えがありました。
このような前置きがあって、安室憲一先生も個人的な経歴についても、自分自身の林住期の過ごし方について考え方を聞かせて頂きました。
安室憲一先生は、イギリスに留学し、博士論文に取り組み、45歳で帰国されました。
イギリスでは、気候が寒いため、つい、本場スコッチ、ウイスキーを飲んで、内燃機関を刺激し、体を温めることが日常となり、血圧上昇を招いてしまいました。
その結果、このままでは、健康維持に問題があると指摘され、現在は、水泳と散歩などで、体を動かすことを心がけているそうです。
60歳を過ぎて、仕事の一線を退いてこそ、現役時代に出来なかった夢やビジョンを抱くことができます。
せっかく自由な「林住期」になっても、ビジョンのない「林住期」は、鬱になりやすいと言われています。
人間の脳や体は、学習し続けないと老化してしまいます。運動、読書、会話は不可欠なビタミンです。
そのために、これから、「ひょうご講座」の「林住期のヒトビト・人生の黄金時代を楽しむ法」で、ケーススタディを参考にし、自らの脳にビタミンを与えるようになっていきましょう。
2008年5月16日(金)