たばこの喫煙は、個人の自由、国の財源でいいのでしょうか?
2007年2月15日(木)付けの朝日新聞朝刊、第10版「opinion news project」の「私の視点」のコーナーに、「たばこ 「嗜好品」幻想を捨てよ」という記事が載っていました。
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その要旨は、
1.厚生労働省は、2006年末、「喫煙率」に数値目標を定めて、禁煙を推進しようとした。
2.自民党の反対で、断念した。
3.自民党の反対する主張は、「憲法の趣旨から問題」「財政に貢献している」。
4.東北大学加齢医学研究所教授(呼吸器腫瘍研究分野)の貫和敏博氏は、健康を損なう喫煙を、憲法や、財政を理由に、擁護する政治は、論外である。その根拠は、
(a)喫煙は、健康障害を引き起こす、元凶である。
(b)肺に入ったタバコの煙粒子は、微生物を警戒する防御細胞が取り込み、炎症を発生させる。
(c)若いときは障害が表面化しないので、「わな」に気がつかない。
(d)40歳以降は、病気の原因になる、「活性酸素」を抑制する能力が、加齢により、著しく低下する。
(e)煙として肺に入ったタール分は、蓄積して、消えることがない。
(f)喫煙の結果は、医療保険費の増大に繋がる。
このような指摘をし、貫和敏博教授は、肺がん患者を診て、タバコを止めたようです。
喫煙者が、「自分の体だから、どんなになっても、自分の勝手だ。」という意見に対して、貫和敏博教授は、「自分の土地でも、産業廃棄物を垂れ流すことは、許されないのと同じだ。」と、訴えています。