パナマ文書が週刊新潮に取り上げられました。
週刊新潮の記事によれば、海外に資産を管理する会社を作ることは、割と簡単なようです。早くストップをかけるべきです。社長ブログ神戸/週刊新潮/パナマ文書
週刊新潮2016年4月21日号の記事に、「パナマ文書」特集読解ガイドの記事が出ました。
パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出したパナマ文書のデータの量は、実に2.6テラバイトで、文庫本に換算すると、2万6000冊分もの膨大なデータ量です。
デジタルカメラで撮影した写真で、65万枚にも及ぶ膨大な量です。
「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)によるパナマ文書の分析
パナマ文書の分析は、60カ国以上のジャーナリストが参加する報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)によって、分析が進められました。
カリブ海のバハマや、英領ヴァージン諸島、大洋州のクック諸島、サモアなどがタックスヘイブン(租税回避地)に、会社を設立すれば、その会社は所得に対し、無税または名目的な課税しかされません。
各国の税務当局は、登記簿謄本すらとれません。
名前の挙がった著名人達
これまで名前が挙がっている著名人は、中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領、イギリスのキャメロン首相といった大国の指導者の名前が挙がっています。
日本人は400人とも言われていますが、今のところ固有名詞が上がっているのは、セコムの飯田亮最高顧問の1人だけです。
ICIJと提携している朝日新聞と共同通信社の報道によれば、パナマ文書には、日本に関わる人や企業が約400も含まれているそうです。
何故タックスヘイブンに会社(ペーパーカンパニー)を作るのか
香港在住の投資コンサルタント笹子善充氏によれば、タックスヘイブンに会社を作れば、法人税などあらゆる税金がかからず、決算を報告する必要もないため、会社の口座は、その代表者の財布とほとんど同じになるようです。
こうなると、相続税を支払うことなく、後継者に資産を引き継ぐことが出来るようです。
因みに、日本の相続税率は、最高で55%と、他国に比べ、高めに課税されています。
日本の株式譲渡益課税は、20%。法人税は、国と地方を合わせて約30%です。
これがタダとなれば、タックスヘイブンに目が向くのもやむを得ないとしています。
最近では、日本の法律事務所などでも、海外でペーパーカンパニーを作る事を請け負う法律事務所もあるようです。
この場合必要なのは、パスポートと住所証明が出来る書類等です。
設立するためのその期間は2~3週間ほどで、費用も25万~30万円で済みます。
不公平な課税を浮き彫りにしたパナマ文書
各国政府も、自国から富が流出するのを恐れて、タックスヘイブンやプライベートバンクへの規制を強化しているようです。
いくら規制しても、新しい逃げ道が作られ、いたちごっこが続いていくのではないかと予想しています。
すでに、日本企業は、ケイマン諸島や、バミューダ諸島などに、アメリカに次ぐ数のSPC(特別目的会社)を作っているといわれています。
その流れは、今後も止めようもないようです。
パナマ文書の存在は、私達に課税の不公平性を、問題提起しました。
一般に一番所得を正確に捕捉されるのは、給与所得者です。
国民全体に向けて、マイナンバー制度も始まりました。
課税に対して透明性の高い一般市民・国民が納税の義務を果たしていることに対して、裕福層が不公平な納税をしていることが明らかになれば、この不満は政府に向けられると思います。
2016年4月17日(日)
パナマ文書が示す教訓/英エコノミスト誌より
パナマ文書が示す教訓んとして、英エコノミスト誌の記事を、日本経済新聞社が掲載しています。 社長ブログ神戸/日本経済新聞/パナマ文書
『パナマ文書が示す教訓』と題して、英エコノミスト誌の記事が日本経済新聞の2016年4月12日付で掲載されていました。
新聞の第八面の下の方に、あまり目立たない記事でしたが、この先日本にも大きな影響がありそうなので、注意して読んでみました。
パナマ文書とは
パナマ文書とは、パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した、顧客データです。
タックスヘイブン(租税回避地)を求めて、自国の金融資産を海外の租税の軽いところへ移す、租税回避行為のデータです。
企業でも、団体でも、個人でも、誰でも課税される税金を軽くしたいという気持ちはあると思います。
パナマ文書の示す教訓
それが、ルールを超えた行為であれば、節税から脱税へと発展してきます。
今回のパナマ文書の示す教訓は、
①作られた金融資産が、国境をまたいで比較的課税の緩やかなところへ移されている。
②資産形成の一部には、政治的な立場を利用した、汚職の疑惑のある資産が含まれている。
③政治的リーダーや国家厳守のような、市民に納税を求める立場の有力者の氏名が挙がっている。
これでは、その国の一般市民から強い抗議が出るのも当然です。
何故問題になっているのか
英エコノミストが指摘する問題点は、
①分杯は世界を貧しくし、格差を広げる
②政治家が公金を利用すれば、道路や学校の建設、補修に使われるお金は減る
③親しい友人が有利な条件で契約できるようにすることは、納税者をだまし、企業に自国への投資を思いとどまらせることを意味する
④これら全てが経済成長を阻害する
汚職撲滅の一般的責任は、各国政府にあります。
タックスヘイブンを一掃しても、汚職はなくなりません。
汚職で蓄財した資産を海外に移し、国民の目から隠す事は、そんな事が出来ないようにするしかありません。
政治家や、関係者などがそう簡単に財産を隠せなくなれば、事態は改善するだろうと指摘しています。
だから、企業の匿名性を厳しく取り締まり、不正に得たお金を洗浄するのを手助けする業者を取り締まるために、グローバル協調が必要だと主張しています。
ペーパーカンパニーの実態とその対策
法律事務所にも、規制の強化を呼びかけています。
パナマ文書に書かれている案件では、多くの場合「お雇い名義人」の影に隠れ、真の所有者が表に出てこない正体不明のペーパーカンパニーが絡んでいます。
こうしたペーパーカンパニーは、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)に手を染めている人や、不正を働いた政府機関車の「逃走車」のような役割を果たしています。
逃走車の窓ガラスは、中が見えないように着色しています。
実質所有者の中央登録期間のようなものを創設し、税務期間や司法当局はもちろん、一般市民にも公開する事で、着色した窓ガラスを無色透明にしなければならない。
虚偽の会社登録に対する罰則規定も厳しくする必要があると主張しています。
仲介する法律事務所や、その他の仲介業者にも規制をかけなければなりません。
法律事務所などは本来、顧客の素性を把握し、怪しければ排除することになっています。
しかし現実は、袖の下を渡され、詮索してくる人間から顧客を守る緩衝材のような役目を果たしている法律事務所や業者があまりにも多いと指摘しています。
このような状況は変えなければなりません。
政府は第三者が脱税を可能にするような行為をしたら、刑事罰に問えるようにすることが求められています。
このように、英エコノミスト誌はパナマ文書が示す教訓を記事として掲載してました。
読めば読むほど、その通りだと思います。
記事が出た2016年4月12日現在では、まだ日本の企業や日本人の名前は出ていません。
もし、分析が進んで、日本に関する企業や氏名がパナマ文書に含まれていれば、大きな問題になりそうです。
2016年4月12日(火)