歓喜天は、ヒンドゥー教の教えにある形像です。秘仏として、非公開です。

 五剣山八栗寺の本堂の背後には、五つの険しい剣のような峰が、聳え立っています。 四国八十八ヶ所巡り(4)

歓喜天を祀るお堂です。歓喜天とは、ヒンドゥー教の教えで出てくる形像です。ブッダが修行して悟りを開いた真理とは、かけ離れた形像です。

ブッダを漢字で書くと、仏陀になり、その仏の文字で表す教えを仏教としています。そうなると、ヒンドゥー教の教えは、後世の考えが、ブッダの教えに混ざったものになります。

八栗寺の見所は、聖天堂、中将坊、鐘楼などです。

参道の正面に立つ聖天堂は木喰以空上人が東福門院から賜った歓喜天が祀られています。

商売繁盛や学業成就、縁結びにご利益があると言われ「八栗の聖天さん」として親しまれています。

中将坊は、さぬき三大天狗の一つだそうです。夜に山から下りてきて、民衆のために良いことをして朝帰る天狗です。

中将坊堂脇に下駄を奉納し、翌日下駄が汚れていれば、中将坊が働いてくれた印だそうです。

納経所で、ご朱印をいただきます。

鐘楼は、寛政3年(1791)建立です。

鐘楼堂に歌人で書家でもあった会津八一(あいづやいち・秋草道人)の作歌揮毫の歌銘のある梵鐘があります。

それは、「わたつみの そこゆくうをの ひれにさへ ひひけこのかね のりのみために」です。

本堂の前に、おはつきいちょうの木があります。見事な銀杏の木ですが、イチョウの葉は、ほとんど散っていました。

本堂から少し離れて、山門に向かって歩いていると、振り返って、先ほどの本堂を見ると、本堂の背景に、険しい五剣山の峰が見えました。

調べて見ると、5つあった峰は、江戸時代の大地震で、峰が1つ崩れたそうです。

そうなると、南海沖地震のような大地震が、この地方を襲ったことになります。

奥さんに、松葉博雄が学んだ原始仏教の話をしながら、向こうの方に見える、景色の良い方向に進んでいます。

原始仏教の本を読めば、今の中国から入ってきた、輸入仏教は、随分と脚色されていることが分かります。特に、インドのヒンドゥー教や、ジャイナ教が、仏教の中に入り込んできています。

四国八十八カ所めぐりをしていれば、弘法大師が中国から持ち帰った、本来の仏教から、かなり進化した、ブッダの教えに代わり、大日如来が信仰の中心となった、真言宗を感じます。

2014年12月11日(木)