客員研究員は、自分自身の研究も進めなければなりません。査読付き投稿論文として、学会誌に投稿することです。
博士論文を目指していたときは、明石芳彦先生が指摘する一言一句を、メモ書きをしながら、尋ねられた箇所について説明をしないといけないので、頭の中はフル回転していました。
大阪市立大学大学院の、博士ゼミがある日です。仕事を終えて、梅田の大阪市立大学のキャンパスに向かいます。
夕方から始まる大学院のゼミは、サラリーマンの方にとっては帰宅時間にあたります。梅田の地下街は、職場から駅に向かって帰宅を急ぐ人たちで溢れています。
松葉博雄は博士ゼミの客員研究員なので、自分自身の研究も進めなければなりません。専門のテーマで論文を書き、査読付き投稿論文として、学会誌に投稿することです。
図書室に入り、新刊書を見てみます。何か参考になる本とか論文が無いかを見つけるのも、図書室に来る目的の一つです。
博士論文に取り組んでいたときは、お腹が空いた動物が獲物を探すように参考資料を漁っていましたが、今では、さっと一瞥して見終える程度です。
教室に行く途中に、コンピューターを利用する部屋があります。誰か知っている人がいないかのぞいて見ましたが、居ませんでした。
6月の夕暮れは、これから夏至に向かうまで、なかなか日が暮れない薄暮が続きます。向こうの方には、JR大阪駅の賑わいが見えます。
JR大阪駅の賑わいとは反対に、教室は静かで、これから今日の報告をする大学院生が、パワーポイントを使う準備に取りかかっています。
今日の予定は、二人の博士課程の方です。
一人一コマの発表と、質疑応答になります。発表の形は、査読付き投稿論文を作成するための発表と、もう一つは、博士論文を作成するための発表になります。
前半の発表は、博士論文作成のための発表でした。明石芳彦先生と、小沢貴文先生が報告を聞いた後、修正すべき点を丁寧に指摘していきます。
松葉博雄が博士論文を目指していたときは、明石芳彦先生が指摘する一言一句を、一つも聞き漏らさないようにしようと、すぐにメモ書きしていました。メモ書きをしながら、尋ねられた箇所について説明をしないといけないので、頭の中はフル回転していました。
査読付き投稿論文の報告は、完成した状態ではありません。これからこんな内容で投稿論文を書き進めます。という段階の報告です。
投稿論文を書くときに、最初の問題は、何を明らかにしたいか、何を言いたいのか、これを初めからはっきりしておかないと、書き進む途中で論文の筋が曲がってくることがあります。
何を言いたいのか、何を明らかにしたいのか、これをはっきりさせるのが、リサーチクエスチョンです。つまり、問題点を見つけて、なぜなのか、どうしてなのか、どこがおかしいのか、といったスタート時点の問題意識が、論文を書き進めるために、とても重要な課題になります。
2013年6月10日(月)